ブシュロン(BOUCHERON)から新作ハイジュエリーコレクション「パワー オブ クチュール」が発表された。毎年ブシュロンは年に2回、1月と7月に新作のハイジュエリーを発表するが、そのうち1月のコレクションは「ヒストリー オブ スタイル」と題され、メゾンのヘリテージに着想を得たクリエイションが揃う。
新作「パワー オブ クチュール」でフォーカスするのは、その名からも分かる通りオートクチュール。創業者フレデリック・ブシュロンの父にあたるルイ・ブシュロンは、1817年よりパリで織物商を営んでおり、1822年には当時極めて高級素材であったシルク、さらに1837年にはレースなど、オートクチュールで用いられるファブリックを取り扱っていた。そんな環境で生まれ育ったフレデリックは、オートクチュールに多大なるインスピレーションを受け、ゴールドの微細なパーツを繋ぎ合わせ、硬質な素材を用いながら、まるでシルクの織物のようなしなやかさを表現し、革新的なクリエイションを打ち出した。
「私たちのメゾンのアーカイブには、ノット (結び目)、ヴェルヴェット、グログラン、ポンポン、レースのアイデアを取り入れたジュエリー作品が数多く存在します。このコレクションで4作目の発表となる『ヒストリー オブ スタイル コレクション』において、クチュールというテーマを探ることに迷いはありませんでした」と語るのは、ブシュロンのクリエイティブ・ディレクターであるクレール・ショワンヌ。デザインや技術だけでなく、ハイジュエリーに用いられることが珍しい素材を積極的に取り入れるなど、名門ジュエラーの中でも際立った革新性で知られるクレールは、今回オートクチュールに見る繊細なディテールワークを、オールホワイトの世界観で表現。パーツを取り外すことで多様な着け方を楽しむことができるマルチウェイスタイルなど、比類なき職人技が際立つ作品が揃う。
ロッククリスタルの彫刻でしなやかさを表現、「メダイユ」ネックレス
オートクチュールドレスの裏地に用いられるグログランリボンは、ブシュロンのジュエリーにおいてこれまで度々モチーフとして用いられてきた。代表的なのが「キャトル」コレクションだが、今回のコレクションではロッククリスタルに伝統的なカービング技法を施し、美しいセミトランスペアレントなメダイユ(勲章)を生み出した。15個のメダイユのうち、2つは取り外してブローチとしても着用することができる。
卓越したオープンワークに息を飲む、「コル」ネックレス
ヨーロッパで古くから見られた、レースの高襟を合わせた宮廷衣装に着想を得たのが「コル」ネックレス。1900年代に制作されたアーカイブのティアラのデザインをモチーフに、目を見張るほど精緻なオープンワークでレースの美しさを表現したネックレは、上下を外してチョーカーとビブネックレスとしても着用可。662石ものラウンドブリリアントカットのダイヤモンドが、首まわりをノーブルな輝きで包み込む。
卓越したクラフツマンシップが可能にしたマルチウェイ、「ヌー」ネックレス
「メダイユ」ネックレス同様、グログランをモチーフにした「ヌー」ネックレスは、驚異の6WAYスタイルが特徴。フロントにノット(結び目)のデザインを取り入れたネックレスは、長さを変えて2パターン、フロントのモチーフを取り外してブローチもしくはブレスレットとして、そしてセンターに配したFカラー、VVS2、4.05カラットのペアシェイプダイヤモンドを取り外して、2パターンのリングとして着用することができる。
ダイヤモンドの「ブトン」、用途はイマジネーション次第
オートクチュールといえば、ディテールがものを言う世界。中でも象徴的なのが飾りボタンだ。ブシュロンならではのユーモアを詰め込んだ「ブトン」は、ロッククリスタルとダイヤモンドで表現した15のボタンを繋げることで、ヘアジュエリーとして着用できるほか、それぞれのパーツを分解し、ボタンホールやネクタイに留めるなど、イマジネーション次第で様々なスタイリングに取り入れられるのが魅力だ。
高貴な飾緒をクリエイティブに再解釈、「エギレット」ネックレス
礼服の象徴である飾緒を、クレールらしいコンテンポラリーな感性で再解釈した「エギレット」ネックレス。組み紐の繊細なディテールは、ロッククリスタルのカービングで表現。ネオ・アール・デコ様式のドロップモチーフは、パヴェダイヤモンドの上から、さらに鏡面仕上げのロッククリスタルで覆うことで、奥行きのある輝きを表現している。モチーフは取り外して、ブローチやイヤリングとしても着用することができる。
問い合わせ先/ブシュロン クライアントサービス 0120-230-441
www.boucheron.com
Photos courtesy of BOUCHERON Text: Shunsuke Okabe
