ヴァレンティノ(VALENTINO)やボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)のように小物に採用するブランドやステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)のように鳥のイラストを装飾にしたルックにも注目だ。
2 煌びやかなフラッパーガール
1920年代に流行した、煌びやかなフラッパーガールがランウェイに戻ってきた。アールデコ調パターンを繊細なビーズで表現した100周年を迎えるフェンディ(FENDI)や、メタリックの幾何学模様をつなぎ合わせたドロップウエストのラバンヌ(RABANNE)、流線を描くスパンコールが印象的なバーバリー(BURBERRY)など華やかな中に威厳あふれるルックが多数登場した。
3 ハイブリッドなスカートパンツが降臨
今季、スカートとパンツを組み合わせたような革新的なボトムがトレンドイン。その最たる例として挙げたいのは、大胆でアシンメトリーなレングスで鮮烈な印象を残したルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)。また、ミニマルなシルエットを得意とするニコラス率いるクレージュ(COURRÈGES)もテーパードパンツとロングスカートを融合させたようなルックを披露。今後モード界の新たなデザインとして、旋風を巻き起こすに違いない。
4 都会のスポーティールックを再定義
もやは定番となったスポーティスタイルだが、今季は思い切りラグジュアリーなアイテムと合わせて大胆なミックス&マッチに挑戦したい。眩い光を放つシルバーのカクテルドレスにウインドブレーカーを合わせたプラダ(PRADA)、ジ・アティコ(THE ATTICO)もセンシュアルなシアースカートとプルオーバーでリュクスなアスリートスタイルを追求。ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)のようにプレーンな白タンクもランウェイで散見された。
5 マニッシュなスーツスタイルで力強さを纏う
女性の社会進出を讃えるように今季トレンドに躍り出たのは思い切りマニッシュなスーツスタイル。ベラ・ハディッドが纏ったサンローラン(SAINT LAURENT)のタキシードスーツやウエストを絞ったドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)のピンストライプスーツなど、今季は力強いスーツスタイルが大豊作。パンツのシルエットは変わらずスリムよりもルーズで、胸もとには素肌感をプラスして抜け感を演出するのが主流。足もとにはヒールを合わせて、女性らしさを加えることもお忘れなく。
6 明るい未来を見据えた進化したボーホーシック
2024-25年秋冬コレクションのクロエ(CHLOÉ)から再燃したボーホーシックだが、各デザイナーたちのアプローチも多種多様な広がりを見せ始めている。火付け役のクロエやイザベル マラン(ISABEL MARANT)はシフォンドレスやフリンジといった王道ボヘミアンスタイルを披露。
一方のミケーレ率いる新生ヴァレンティノはダークロマンティックな花柄を使用し、モードなルックを生み出した。ノスタルジックで儚い印象のテキスタイルにクリノリンを掛け合わせたロエベのアプローチにも注目したい。
7 雲のようなバブルシルエット
従来のバルーンシルエットとは一線を画す、より大胆でアグレッシブなバブルディテールが流行の兆しに。先シーズンの「アンガー(怒り)」から打って変わって「透明性」に希望を宿したコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)を筆頭に、アンリアレイジ(ANREALAGE)は空調服を取り入れて“風の力”を可視化し、ブランドの礎であるテクノロジーとの融合で斬新なシルエットを打ち出した。
NYのソロモン・R・グッゲンハイム美術館でコレクションを発表したアライア(ALAÏA)は同美術館の建築美をデザインに落とし込み構築的なドレスを提案。気鋭ブランド、ヴァケラ(VAQUERA)のように白T × バブルスカートなどの日常と非日常を融合したアヴァンギャルドなスタイリングも見逃せない。
8 重力すら感じさせないプレイフルなディテール
クワイエットラグジュアリーという一大トレンドに反発するように、遊び心たっぷりなディテールがあふれかえった2025年春夏コレクション。ミラノコレクションでは、マルニ(MARNI)、フェラガモ(FERRAGAMO)、ミッソーニ(MISSONI)が極端に尖ったディテールのビッグハットやトップを主役アイテムに抜擢し、JW アンダーソン(JW ANDERSON)は、形状記憶の技法をレザーに施し、ゼログラビティーを感じさせる革新的なシルエットを描き出した。
今季、ファッションをもう一度楽しもう! というデザイナーたちの試みが詰まったシルエットが有識者たちの心を鷲掴みに。次シーズンのオフランウェイではプレイフルな装いに包まれたファッショニスタで盛り上がるだろう。
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