「愛や幸せは素直に受け入れていい」
1 新曲「happy im」のインスピレーション源は?
人間はよいことがあると、逆にその状況を疑ってしまったりしますよね。私自身、例えばキャリアや人間関係においてうれしいことがあると、つい「こんなに幸せでいいのかな?」と思ってしまう。でも、何事も深く考え過ぎずに、愛や幸せを素直に受け入れていいんだよ、というところからスタートしました。
2 どのタイミングでこの曲は完成だとわかるのでしょうか?
やる気がなくなったときが、私の「終わりだよ」というサインです。触らなくてもいいのに触ってしまうことが多いので、やる気がなくなったときは、その時点で手放すようにしています。
3 サマーソニック2023に出演されますが、どんなお気持ちですか?(取材は開催前)
楽しみです! 小中学校の頃は、夏休みになると大阪に住んでいる祖母に会いに、日本に来ていたんです。でも「今年の夏はおばあちゃんの家じゃなくてサマソニだ!」なんて思ったりして。人生って本当に不思議でわからないものですよね。
4 パフォーマンスをする際に最も大切にしていることは?
私が自由で楽しい気持ちでパフォーマンスをすれば、観ている人たちの幸福度も上がると思うので、ステージに出る前は自信を持って、自分らしく楽しめるように心を整えて、ライブでその気持ちを拡散するようにしています。
5 どうしたら、あなたのようなポジティブな空気をまとえるのでしょう?
日々の暮らしの中で気分が落ちることもありますが、うれしいことも絶対にあるので、よいところを拾って感謝するようにしています。そういうマインドにシフトをすると、嫌なことってそんなに気にならなくなるんです。
6 いつからそういう思考に?
6年ほど前にメディテーションを始めたのですが、それによって自分の考え方を変えられることを発見してからです。ネガティブな思考になりがちのときに、意識的にポジティブな側面を見つける練習をしているうちに、それが普通になってきました。
7自身の音楽をカテゴライズするとしたら?
ネオ・ソウル、R&B、ポップ、フュージョンに、フォークミュージックのミックス。
8 一生住むならば、大都会の中心部、それとも大自然の真ん中?
迷いますが、ずっと住むんだったら大自然の真ん中かな。
9 生まれて初めて観たライブパフォーマンスは?
R&Bシンガーのミゲル。高校生のときにシアトル公演があって、友達と観に行きました。
舞台恐怖症を克服した先にあったもの
10 もしYouTubeがなかったら、人生は変わっていたと思う?
舞台恐怖症だったので、人前で歌うことが大の苦手でしたが、YouTubeのおかげで人前で歌うことなく、みんなに私のパフォーマンスを観てもらえました。YouTubeがなかったら、今の私はいなかったと思います。
11 どうやって舞台恐怖症を克服したのですか?
とにかく場数を踏んで、慣れるべく努めました。3〜4年間ライブを続けているうちに、いつの間にか人前でパフォーマンスするのが大好きになったんです。
12 シンガーとして最も影響を受けた人は?
シザです。ほかのアーティストにはない、自分の気持ちに正直なリリックに感銘を受けました。彼女の影響で、私もより自分の気持ちに素直なリリックを書くようになったと思います。
13 日本の歌で得意なのは?
お母さんが松田聖子をよく聴いていたので、彼女の「赤いスイートピー」と、絢香×コブクロの「WINDING ROAD」。
14 生まれて初めて作った曲は何歳のとき?
5歳の頃、背中に「ハリウッド」と書いてあるトラックスーツを買ってもらったので、それを着て「私はハリウッドの人間よ〜」と歌ったのが最初の曲です。
15 生まれて初めて作った曲のタイトルは?
「ハリウッド」です(笑)。
16 曲作りは歌詞と音、どちらが先?
歌詞が浮かんだり、メロディが浮かんだり。両方並行しながら作り上げています。
17 最近よく聴く曲は?
次のプロジェクトの参考にしたいなと思っているので、フリートウッド・マックなど、1970年代のポップやロックをよく聴いています。
18 朝と夜、どちらがよりクリエイティブになれますか?
絶対に夜。誰にも邪魔されない静かな夜に曲作りをするのが好き。
19 つい歌ってしまうのはどんなシチュエーションのとき?
いつも、あらゆるシーンで即興の歌を歌っています。
20 シンガーになっていなかったら、今頃何をしていたと思いますか?
お医者さんか、サウンドヒーリングをしていたかもしれません。
21 今までにもらった最良のアドバイスは?
迷ったときは先が見えている道ではなく、先が見えない道を選びなさいという、お母さんの信念です。例えば大学選びに際しても、地元のシアトルかカリフォルニアの大学かで迷ったのですが、地元にいたら生活の想像がつくので、カリフォルニアの大学を選んだ。そうやって見えない道を選んで、今私はここにいると思っています。
22 私は○○がないと一日が始まらない。
深呼吸。
23 旅に欠かせないマストアイテムは?
アロマキャンドルやスプレーなど、家を感じさせてくれる素敵な香り。
24 自分を3つのハッシュタグで表すなら?
#Happy、#Flow、#Love。
25 人生で何回引っ越しをしている?
10回くらい。
26 部屋を決める際のポイントは?
窓から見える景色と、陽当たり。
夢を叶えるためには、変化を恐れない
27 シアトルに帰ったときの一番の楽しみは?
お父さんが運転するトラックに乗って、自然の中をドライブすること。
28 声のケアにはどんなことをしている?
お水をたくさん飲みます。
29 つい歌まねしてしまうアーティストは?
シャキーラ。
30 なくなったら生きていけない溺愛フードは?
卵。卵かけご飯も大好きです!
31最 近何よりもうれしかったことは?
昨日東京に来ておいしいラーメンを食べたことです。味玉入りで!
32 日本滞在中にやりたいことは?
おばあちゃんに会いに行けたらいいな。
33 夢を叶えるために大切だと思うものは?
変化を恐れないこと。私自身も人前であがってしまう性格でしたが、そういう自分を変える努力をしました。
34 好きな映画は?
「もしこういう選択をしていたら」という、人生の選択について描いた『ミスター・ノーバディ』(09)。
35 大好きなおやつは?
オレンジやバナナなどのフルーツと、ビーフジャーキー。
36 人生で怖いものは?
怖いことを考えないので特にありません。
37 歌うこと以外で得意なことは?
絵を描くことと、お料理も結構得意。
38 苦手なことは?
早寝早起き。
39 内向的? 社交的?
両方ですが、どちらかというと内向的な傾向が強いかな。
40 何に腹を立てる?
曲作りにおいて、マスタリングに出したときの最終タッチが思っていたのと違う形で返ってきたときは、めちゃくちゃイライラします(笑)。
41 タイムスリップするとしたら、いつの時代に行ってみたい?
200年先、地球の未来を見てみたいです。
音楽に求めるのは、繋がりと共感
42 子ども時代の鮮明な思い出を一つ教えて。
大阪のユニバーサルスタジオで妹とシングルライドの列に並び、誰も観ていないときにこっそりゲートをくぐって列の先頭に並んだこと。でも、何回かやっている内に結局見つかって怒られてしまいました。
43 今となっては笑える、過去の最も恥ずかしい出来事は?
高校1年生のときに友人と出演したタレントショーで歌を披露したのですが、高音が出ずに二千人の前で声が割れてしまったんです。今はステージを楽しむことが大前提ですが、当時は完璧を目指していたので、ものすごく恥ずかしかった記憶があります。
44 偏愛しているものはありますか?
今はスカーフにハマっていて、頭だけでなくステージのマイクに巻いたり、ベルトにしたりして楽しんでいます。活用範囲が広いところが気に入っています。
45ファッションに対するモットーがあれば教えてください。
ルールがないこと。その日の気分で着たいものを着ているので、クローゼットの中はつじつまの合わない服でいっぱい。でも、どれをとっても、ちゃんとそれを着たいと思う日があるんです。
46 あなたのことで、みんなが知らないことは?
1日中聴いていられるほど、ASMR動画のキーボードを強く打つタイピングの音が大好きです(笑)。
47 人生をいい方向に変えてくれた本は?
ディーパック・チョプラ博士の『人生に奇跡をもたらす7つの法則』という本です。豊かさや成功とは何を意味するのか、私の中でその概念を変えてくれた本で、読み終えたときに自分はすでにとても豊かであることを知りました。ものすごく薄くて読みやすいので、そこも魅力です。
48 最近気分をあげてくれるのは?
外の空気。今はツアー中なのですが、必ず外に出ておひさまに当たったり、その空気を吸うようにしています。
49 行きたかった飲食店が大行列!待てる?待てない?
待てません。
50 あなたの音楽を通して人々に何を感じてもらえたらうれしい?
人の繋がりと共感。曲は私個人の感情を綴ったものですが、ライブ会場で「こんなふうに感じていたのは自分一人じゃなかったんだ」と、共感し合い、繋がってもらえたらうれしいです。
Photos: Akihito Igarashi Text: Rieko Shibazaki Editor: Yaka Matsumoto