『ブルータリスト』で、第⼆次世界⼤戦下にホロコーストを⽣き延び、アメリカへと渡ったハンガリー系ユダヤ⼈建築家、ラースロー・トートを演じたエイドリアン・ブロディ。自身初となるゴールデン・グローブ賞を受賞し、スピーチで涙をこらえながら次のようにスピーチした。
「『ブルータリスト』の核心は、人間の創造性に対する包容力の物語です。ですから他の候補者の皆さんに触れないのは怠慢です。ダニエル(・クレイグ)、コールマン(・ドミンゴ)、ティミー(ティモシー・シャラメ)、セバスチャン(・スタン)、レイフ(・ファインズ)。皆さんは本当に作品の中で高みに到達していました。僕のインスピレーションの源です」と述べ、『ブルータリスト』の監督ブラディ・コーベットと共同脚本のモナ・ファストヴォールド、関係者にお礼を伝えた。
「翼を与えてくれてありがとう。人類と芸術を称えるこの勝利と記念碑を築く一部を担わせてくれたことに感謝します。キャストやスタッフ、この映画の制作に関わったすべての皆さん、これはコラボレーションの成果です。皆さんとこの賞を共有します」
続けて、会場にいる両親に「いつも僕を支えてくれました。アーティストとして影響を受けたのは母だといつも話してきましたが、父は家族の基盤です。僕が受け取った愛情は、すべて彼の元に返るのです」と感謝。そして、恋人のジョージナ・チャプマンにこう伝えた。「僕の美しくも素晴らしいパートナー、ジョージナ。あなたの寛大な心、困難に打ち勝つ力、計り知れない創造力は日々、自分の在り方を思い起こさせてくれます」
マルケッサ(MARCHESA)のデザイナーである彼女は、元夫ハーヴェイ・ワインスタインのスキャンダルで窮地に立たされた経験がある。「あなたがいなかったら、僕は今ここに立っていなかったでしょう。もうこんな瞬間は僕に訪れないと思ったのは、そんなに遠い昔のことではありません。だから、ありがとう」
エイドリアンは、2002年の『戦場のピアニスト』で史上最年少の29歳にしてアカデミー賞主演男優賞を受賞。今も最年少記録は保持しているが、ウェス・アンダーソン監督作品などに出演を重ねているものの、賞レースから遠ざかっていた。