メットガラ(MET GALA)への参加は、昨年に続き今年で2回目となるイギリス人のボリウッド女優、アーリヤー・バット。日本でも話題となった大ヒットインド映画『RRR』や、Netflix映画『ハート・オブ・ストーン』での出演で世界的にも高い人気を誇る。
昨年はプラバル・グルン(PRABAL GURUNG)のドレスでメットガラデビューを飾ったバット。今年は自身のルーツであるインドの伝統的な衣装、サリーにインスピレーションを求めた。衣装デザインを手がけたのはインドのクチュリエ、サビヤサチ・ムカルジーだ。「The Garden of Time(時間の庭)」のテーマに合わせ、シルク生地にガラスビーズや宝石を繊細に刺繍し、可憐な花々をあしらった約1.5mのトレーンがバッドの美しさを引き立てた。
バッドは、「このドレスはテーマに応えるだけでなく、サリーを制作する職人たちの卓越した職人技へのトリビュートでもあります」とコメントしている。「私がこのルックに惹かれたのは、伝統的な職人技とアヴァンギャルドな美学を融合させたその大胆さにあります。古き良き時代の魅力と現代的な洗練を融合させることで知られるサビヤサチは、今年のメットガラのテーマを表現するのにぴったりの人選だと思いました」
サビヤサチ・ムカルジーは、「このサリーは、私がキャリアを捧げてきたインドのクラフトマンシップの歴史と誇りを象徴しています」と語った。
機械化、近代化、画一化という行き過ぎた現代の価値観に逆らうことで、デザイナーはドレスコードである「The Garden of Time(時間の庭)」を表現した。職人、染色家、刺繍職人など163人のチームによってインドで手作りされたこの繊細なクチュール・サリーは、およそ1905時間かけて作られたという。さらにムカルジーはバットのために、貴重なエメラルド、バスラ産の真珠、トルマリン、マルチカラーのサファイアを使い、インドの豊かな宝飾の伝統にちなんだビジュー付きのブラレットを制作した。
メットガラのレッドカーペットに “余分なもの”は存在しない。バッドのゆるく結ばれた髪は、宝石付きのヘッドアクセで留められ、トルマリンとダイヤモンドをあしらったイヤリングと、手もとを華やかに彩るカクテルリングで仕上げられた。