エド・シーランが、5月3日よりディズニープラスで配信となったドキュメンタリーシリーズ「エド・シーラン:The Sum of It All」で、2022年2月に当時妊娠中だった妻チェリー・シーボーンががんの宣告をされたことを明かした。本作は、エドの人生を赤裸々に追うシリーズで、4話構成のファーストエピソード 「Love」では、エドとともに普段はメディアの前に出ないチェリーが登場し、ドキュメンタリーに出演した理由について語った。
「その年のはじめにがんと診断されました。本当に最悪でした。人は死ぬ定めにあるのだと意識させられました。こうした企画にはこれまで参加してきませんでしたが、『もし今死んだら、人は私をどのように記憶するだろう』と考えさせられたのです」「エドにとっては、自分はただの音楽製造マシーンじゃない。ナンバーワンヒットを狙うロボットじゃない。父親で息子で、誰かの友人でもあるんだと、人に知ってもらいたかったからです。私が死んでしまうかもしれないとわかるまで、こんな気持ちにはなりませんでした」
一方、エドは悲しみをこらえきれない様子で、「あれは最悪だった」とコメント。チェリーについて、「誰も知らないだろうけど、僕の人生で彼女と出会えたことは最高の出来事だった。彼女と付き合い出してから、すべてがより良くなった」と話す。チェリーによると、何か大きな出来事があったときにエドは曲を作るそうだが、妻を亡くすかもしれないという痛みと向き合うために、4時間で7曲もの歌を作ったそうだ。
エドはまた、最新アルバム『-(サブトラクト)』を5月5日に発売するが、これまでで一番深く、ダークな思いを新譜に詰め込んだとプレスリリースで発表している。
「パーフェクトなアコースティックアルバムにしようと、10年にわたって『-(サブトラクト)』に取り組んできました。自分の考えを明確にし、多くの曲を書き、レコーディングするなど準備を進めていましたが、2022年のはじめに起きた一連の出来事が、僕の人生やメンタルヘルス、音楽とアートに対する見方を完全に変えました」「当時妊娠中だった妻にがんが見つかり、出産するまでは治療法がないと告げられたのです」「曲を書くことは僕にとってセラピーです。自分の感情を理解するのに役立ちます。たった一週間で、10年も温めてきた作品を、僕の最も深くて暗い思想と入れ替えました」
なお、チェリーは2022年5月に次女を無事出産している。
Text: Tae Terai
