欧州連合(EU)の創設者の一人とされるジャン・モネの言葉、「違いや地理的な境界を越えて、共通の関心事/利益がある」をキーワードに、2024年6月6日〜9日で行われる欧州議会選挙。
それに際し、ドイツの写真家クララ・ネベリングは、「Walking Home」プロジェクトを開始した。ネベリングは、すベてのEU加盟国から計27人の写真家に声をかけ、それぞれにとっての“ヨーロッパの価値観”を表現する作品の提供を依頼。それを用いたポスターを制作し、市民への積極的な政治参加と、投票を呼びかけている。
また、「Walking Home」のウェブサイトからは、写真家らの提供による27種類の写真をベースに言語や色がセレクト可能で、誰でも簡単にオリジナルのポスターを作成することができるそう。
参加アーティストは以下の27名。
トーマス・アルブドルフ(AT)、シャーロット・アブラモフ(BE)、ズラティミール・アラクリエフ(BG)、ルイザ・ブラディ(CY)、ハナ・クニゾヴァ(CZ)、クララ・ネベリング(DE)、マティルデ・ラスムッセン(DK)、カドリ・オジバー(EE)、アイリス・フム(ES)、エマ・サルパニエミ(FI)、ウェンディ・フイン(FR)、アレックス・クルニス(GR)、イニア・ヘレンシック(HR) アンディ・ガルディ(HU)、リンダ・ブラウンリー(IE)、サラ・ロルッソ(IT)、ユルガ・ラモナイテ(LT)、ダヴィッド・ウゾチュクウ(LU)、マリヤ・ミハイロヴァ(LV)、ジョアンナ・デマルコ(MT)、メリッサ・シュリーク(NL)、ジョアンナ・ヴゾレク(PL)、マティルデ・クーニャ(PT)、マリア・ストゥルム(RO)、ヘドヴィグ・ジェニング(SE)、アナ・サントル(SI)、エスター・サビク(SK)
1. 団結
2. 反人種主義
3. 社会正義(いつだって!)
1. 私たちがどれだけお互いを必要としているかをもっと認識すること
2. 国境政策について。難民を押し帰していることに対する説明責任
3. さらに充実した鉄道網!
1. マイノリティを包括し、その権利を進歩的に支援すること
2. 気候変動対策に取り組み、すべての人のための持続可能な未来づくりに尽力すること
3. ガザのために立ち上がること
1. その場限りではなく、コミュニティ、自然、自由など、私たちの存在に不可欠なものを優先して政治に携わる人々を見てみたい
2. あらゆるところで個人主義が横行し、資本主義のなかで私たちはますます混乱し、コミュニティーの価値観が徐々に失われている。私はこの現象をなくしてほしい
3. 最後に、ヨーロッパの人々には自分たちの過去と現在を深く反省し、その行動が世界にどのような影響を与えてきたかを考えてほしい。植民地主義や環境破壊の両面で、自分たちが世界に与えた歴史的な影響を認めるとともに、現在進行中の人道危機を政治的な意図とはかけ離れた、ありのままの形で取り上げてほしい
1. 団結すること
2. 意識的な集団として、私たちの存在意義に自覚的であること
3. すべての種に対する純粋な愛を持ち、共存する力へと変換していくこと
1. 平等と包摂
2. 権利の保護
3. 持続可能性を通して地球の未来を見つめる
1. フォークロア(民俗文化)と地域の伝統の保護
2. より良い直感的なコミュニケーションのための音楽と芸術の融合
私たちの生活に密接に繋がる政治。そして日本を含む民主主義の国では、市民の意思を伝える場でもある選挙。ときにはクリエイティブで先進的なアイデアを活用しながら、それぞれの方法で関わっていくことで、よりよい未来や変革を起こしていけるはず。
ぜひ「Walking Home」のサイトを訪れて、ここで紹介している以外の写真やデザイン、インスピレーションを見つけてみて。
Text: Caterina De Biasio Adaptation: Nanami Kobayashi
From: VOGUE.COM