世界でも健康水準の高い地域でよく飲まれている緑茶。健康習慣の見直しを考えているなら、コーヒーの代わりに取り入れてみてもいいかもしれない。
抗酸化作用が高いことで知られるこのお茶について、「寿命を延ばし、慢性疾患のリスクを減少させる可能性があります」と説明するのは、栄養セラピストでNourishful Nutritionの創業者、マズ・パッカム。私たちの身近にある緑茶のパワーを、US版『VOGUE』から改めて紹介しよう。
1. 強力な抗酸化作用
緑茶にはフラボノイドが豊富に含まれている。フラボノイドは、さまざまな果物や野菜に自然に含まれている植物性化合物の総称。フラバノールやアントシアニンなど大きく分けて6種類あり、どれも健康的な食生活を送るうえで重要な抗酸化作用を持つ。またフラボノイドには、細胞の伝達経路を調整し、フリーラジカルによる酸化ダメージを抑制する働きもある。
2. 免疫力の向上
炎症を抑え免疫系を整えるフラボノイドに加え、免疫機能を高めると証明されているエピガロカテキンガレート(EGCG)という抗酸化物質もたっぷり含まれている。アミノ酸の一種、L-テアニンも含まれており、免疫系に重要なT細胞に作用するそうだ。細菌と闘う化合物の生成を助けると考えられている。
3. 心臓にも優しい
脳や心臓の健康にも、緑茶は効果を発揮する。緑茶に含まれる抗酸化物質は、血流を改善し血圧を下げるのに役立つほか、炎症を抑えることで心臓血管系の保護にもつながる。パッカム曰く、「1日1~3杯飲むと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが軽減するという実証がある」という。
4. 気分を高める
L-テアニンには、免疫力だけでなく気分も高める向精神作用がある。精神的疲労を軽減したり、脳を刺激し、ドーパミンの生成を増加させる。パッカムによると「集中力を高める効果が発揮される」という。
「L-テアニンとカフェインを一緒に摂取すると、穏やかにエネルギーを生み出せます。一般的には、緑茶1杯に約20~30mgのL-テアニンが含まれています。研究結果によると、アルファ波の生成を刺激するには50mgで十分。この量で、リラックスしつつ覚醒状態を保つことができます。カップに換算すると、およそ2杯分です」
5. 集中力アップ
複数の研究で、緑茶には不安を軽減し、認知能力を高める大きな効果があると明らかになった。これも、カフェインとL-テアニンの複合効果によるもの。同じく緑茶に含まれるポリフェノールのおかげで、長時間の作業でも高い集中力を維持できるそうだ。
6. 減量にも効果的
パッカムは、緑茶のダイエット効果にも注目する。「緑茶を飲むと、カテキン、特にEGCGとカフェインの両方が熱発生を促進します。その過程で、新陳代謝が促進されます」。熱発生効果が高ければ高いほど、消費カロリーも高くなる。とはいえ、明確な効果を得るには毎日かなりの量を飲む必要があるため、サプリメントを摂取することを検討してもいいだろう。
緑茶にまつわるQ&A
1日にどれくらい飲めばいい?
集中力を高めたいなら、コーヒーではなく緑茶がおすすめ。緑茶には覚醒効果をもたらすのに十分な量のカフェインが含まれていながら、コーヒーを飲みすぎたときにありがちな震えやイライラ感が起きにくい。
適量について、「認知機能を高めるには1日1~2杯で十分ですが、心血管系への効果を期待するなら、1日1~3杯がいいとされています」とパッカムは言う。
飲み過ぎはダメ?
「緑茶に含まれるカフェインの許容量は、人それぞれです。その点に注意し、1日2杯ほどに収めるのがいいでしょう。午後遅くや夕方の時間帯に飲むと、睡眠を妨げる可能性があるので、控えるようアドバイスしています」
紅茶と何が違う?
主な違いのひとつは、茶葉の製法。「緑茶の茶葉は収穫後に蒸して酸化を止めるので、緑色のままですが、紅茶の茶葉は収穫後に発酵させるため、茶色や黒になります」とパッカムは説明する。紅茶のほうが緑茶よりも風味が強く、カフェイン含有量も多いため、緑茶より紅茶のほうが苦く感じる人も多いはず。
Text: Georgia Day Translation: Rikako Takahashi
From VOGUE.UK
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