これまでも多くのレッドカーペットでグレタ・リーはJ.W.アンダーソンとコラボレートしてきたが、今回のメットガラでもやはりロエベ(LOEWE)を着用。まさに着るアートピースと言える構築的なフォルムで純白の総エンブロイダリードレスは、2023年春夏ウィメンズ・コレクションの作品をベースにしたものだ。「彫刻のようなフォルムによる力強さと、とてもソフトで繊細なフェミニンさのコントラストが絶妙なんです」とグレタは話す。
注目したいのが彼女にとって初めてのメットガラ参加の舞台裏を支えた美の立役者たち。メイクはニーナ・パーク、ヘアはジェニー・チョウ、ネイルは安田尚美だ。「とても楽しいチームよ。みんな信じられないほど才能に溢れているの」。また、美容機器のライマ(LYMA)のレーザーも最近の彼女がハマっているスキンケアツールなのだそう。
イベント開催前夜、グレタのチームとジョナサンは、最終的なビューティールックがドレスとテーマの両方とどのようにシナジーを生むかについて話し合った。「私たちはワインを片手に、J・G・バラードの短編小説のようにスリルがあってロマンチックなものにするのか、それともジャンヌ・ダルクや90年代に活躍したスーパーモデル、ステラ・テナントのように、対照的で難しいものにするのか。話は深夜にまで及びました。目が覚めても、みんなまだお互いにメールし合っていたんですよ」とグレタ。
この日限定の印象的なマレットヘアにはウィッグが使われた。「ステラ・テナントのざく切りの髪型を参考にしました。繊細なドレスと対照的でボーイッシュ。とても強くてエッジが効いています。ウィッグのアイデアはドレスを作っているときに出てきたんですが、本番当日の朝にこの雰囲気に仕上がりました」(ジェニー・チョウ)
そしてバラ色チークのメイクアップに用いられたのは、日本のメイクアップブランドであるアディクション(ADDICTION)だ。ニーナは、グレタの頬に「ザ ブラッシュ」の001と006をミックスしてピュアで上気したような血色感を与え、唇には締め色の発想で「リップ セラム ティント」の002をチョイスした。
「ロエベのドレスを着たグレタはまるで優雅に浮遊しているかのようで、メイクもその感覚を引き立てたいと考えました。彼女の顔色をソフトでくすみのないものにし、空気感や春を呼び起こすような思慮深い色の配置を心がけ、ドレス全体に施された花のアップリケを引き立てました。夜明けと夕暮れの天空の色合いからインスピレーションを得て、ピンクとコーラルのカラーパレットを用いました。繊細な色合いをエレガントな差し色として選び、さらに内側から光を放つような輝きを演出しました」(ニーナ・パーク)
Text: Margaux Anbouba Adaptaion: Rieko Kosai
from VOGUE US