オール黒のボリュミーなドレスで登場
パリ・ファッション・ウィーク期間中の3月1日(現地時間)、ヴェトモン(VETEMENTS)が2024-25年秋冬コレクションを発表した。今年10周年を迎えるブランドは、前任のクリエイティブ・ディレクターのデムナの時代から、ウィットに富んだ個性的なモデルのキャスティングで常に話題を集めている。今回、ブランドを率いるグラム・ヴァザリアがモデルの森星を抜擢した。パリコレは何度も訪れている森だが、モデルとしてランウェイを歩くのは今回が初めてだ。
モーニングルーティンで気持ちを整えて
「冬のパリは乾燥しているので、朝は起きて直ぐまずコットンに浸した化粧水で肌に潤いを与えます。愛用しているのは、Shiseidoのブライトリバイタル。そして、Youtubeのヨガを観ながら、体を温めて呼吸を整えるのがルーティーン。また最近は、カフェインをなるべく摂取しないようにしているため、朝はコーヒーの代わりにお茶を飲んでいるのですが、パリを訪れたら、KUSUMI TEAのBLUE DETOXを必ず買っていますね」
「朝食は、ビーツとココナッツミルクにプロテインをいれたグラノーラボウルでエネルギーチャージしています」
ヘアメイクのポイントは?
「今回は、パット・マクグラスのチームがメイクアップを担当。私のメイクはニューヨーク在住のメイクアップアーティストANNA KURIHARAさんに手がけて頂きました。基本的にヘアメイクはクリーンでナチュラル。今回のショーは色んな国のモデルが集まったこともあり、それぞれの個性を生かしたヘアメイクだったと思います。スキンケアをしっかり行い、ファンデーションも控えめ。ヘアは真ん中分けで、天然のカールを残し、少しボリュームを落とすためにクリームで整えてピンで本番ギリギリまで抑えていました」
ヘアメイクの合間にモデル仲間とキャッチアップ!
ファッションショーの舞台裏は待ち時間が長い。バックステージでは、世界各国から集まった個性豊かなモデルたちと和やかに談笑を楽しんだ。スキンヘッドがトレードマークの韓国出身の人気モデル、スミンは日本語で「よろしくお願いします!」とメッセージを寄せてくれた。
ついにショーが開幕!
今シーズンのヴェトモンの会場は、ムーディーなレッドライトに包まれていた。ファーストルックに登場したナタリア・ヴォディアノヴァが着用した黒のセットアップを含め、90にも及ぶルックのほとんどはオーバーサイズ。今回、森が任されたブラックドレスにおいては、その中でも圧倒的なボリュームで幾重にも重なっている。実際に着用した彼女は、どんな風にルックを表現したのか?
「私が着用したTシャツドレスは、クリエイティブ・ディレクター、グラム・ヴァザリアがこだわったルックの一つ。アルミを使用したシワ加工が印象的な新素材で、一見、折り紙のような印象がありました。フィッティングの際に、私の髪の色と調和するのではないかと黒のルックの方をチョイスすることに。レイヤリングされたTシャツドレスはボリューム感があり、裾の持ち方次第で雰囲気が変わるため、ユニークなフォルムを楽しみながら表現しました。非現実的なサウンドや照明などの空間演出に合わせ、スピード感のあるパワフルなウォーキングを意識しました」
パリコレ初ランウェイの感想は?
「Hi, VOGUE JAPAN!今、ヴェトモンのショーが終わりました。会場はすごい熱気で、音楽に合わせて歩きましたが、今もまだドキドキしています」と興奮冷めやらない様子。
シャンゼリゼを横目に無事帰路に
「ヴェトモンは、デザインもショー演出も常に革新的であり続けるブランド。ショーは、クリエーションに関わるすべての人たちのエネルギーが詰まっていて、この一瞬にかける強い想いを共に分かち合うことができたのは私にとって刺激的でした。今後もファッションショーを通して、ブランドの哲学を表現できるモデルになれるように冒険していきます! Thank you!!」
ブランドにとって、ショーの成功を最も担うのがモデルのキャスティングだ。今回ヴェトモンのランウェイで森が放った力強さは、これまでの彼女のグラマラスやクールな表情とも異なる新鮮さにあふれていた。今後、森がランウェイで魅せる新たな姿が楽しみでならない。
Photos&Movies: Courtesy of Hikari Mori, Gorunway.com, Getty Images Editor: Mayumi Numao, Saori Yoshida