コートを羽織るほどでも、厚手のマフラーを巻くほどでもないけれど、気温がぐっと下がり始めた今、おしゃれな人たちが真っ先に取り入れているのがシルクのスカーフ。最近パリに行ったときも、色とりどりのそれ(フランス人は「フーラード」と呼ぶ)を巻いた人々に多く出会した。
スカーフは首もとを寒さから守る実用的なアクセサリーであるだけでなく、ベーシックな装いを華やかにしてくれる優れ物。冬のコーデは落ち着いたニュートラルカラーや暗めになりがちなため、こういった小物を足すか足さないかで全体の印象が変わってくる。
1990年代後半のキャメロン・ディアスの装いが今もなおフレッシュに映るように、このアイテムを使ったスタイリングにはトレンドに左右されないタイムレスな魅力がある。2019年、ミラノ・ファッションウィーク中にショーからショーへと飛び回っていたカイア・ガーバーはチェック柄のスカーフを首に巻いて肌寒さを凌いでいたが、このルックはカジュアルな冬のオフスタイルのお手本にぴったり。エルメス(HERMÈS)の2025年春夏メンズウェア・ショーに出席した歌手のアーロ・パークスは、モノトーンコーデの差し色にブルーの一本をセレクトしていたが、彼女のように髪色とのミックス&マッチを楽しむのもありだ。