全身エルメス(HERMÈS)に身を包み、ジャンゴという名のスペインのサラブレッドに乗って第3回「VOGUE WORLD」に登場したケンダル・ジェンナー。それだけでも十分なインパクトを放った彼女だが、その次にはシモーン・ロシャ(SIMONE ROCHA)がゲストデザイナーを務めたジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)の2024年春夏オートクチュールコレクションのルック35を纏い、再びヴァンドーム広場に降臨。またしてもゲストたちの熱視線を集めた。
1986年のドキュメンタリー映画『Le Défilé』からイーディス・ウォートンの小説『エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事』まで、幅広い作品からインスピレーションを得たこのコラボレーションコレクションについて、ロシャは「オートクチュールの手法を用いて、ゴルチエのスピリットを『私』という器に入れて描いた物語です」と語っている。「女性らしさやセクシュアリティ、センシュアリティをどう表現するか。ゴルチエには遊び心あふれる刺激があって、それをどうしても取り入れたかったのです」
クラシックなゴルチエのコルセット、そしてロシャらしいチュールのスカートを組み合わせたジェンナーのルックからも伝わるように、そこには二人の才能が描く美しき讃美のストーリーが描かれていた。
「VOGUE WORLD」でシモーン・ロシャ×ジャンポール・ゴルチエを着用したのはジェンナーだけではない。ホストのカーラ・デルヴィーニュもまた、同コレクションからルック15をセレクト。マドンナの「Blonde Ambition」ツアー衣装を連想させるコーンブラが目を引くが、その先端は「バラの棘のように」尖っており、足もとに合わせたバレエシューズも同様にアレンジされている(ちなみにゴルチエは、バックステージでモデルたちにバラの花を配ることで知られる)。
ヴァンドーム広場には、ゴルチエ自身の姿も。彼が手がけたアヤ・ナカムラのオープニングルックは、2020年にシャトレ座での最後のオートクチュールショーを締めくくったデザインと、エイミー・ワインハウスへのオマージュとして2012年春夏コレクションに登場したコルセットを組み合わせたものだ。
ショーの前、ゴルチエはこの一着について、「(アヤの)美しいヒップとゴージャスなボディを引き立てています」と自信を見せていた。「過去のコレクションをパッチワークしたようなルックです。昔、蚤の市で買った洋服をリメイクしたり、サマリテーヌ(パリのデパート)に行って買い物をしていた頃を思い出します。アヤのためにドレスを作って、このイベントに参加できて光栄です」
最後に彼は、「アヤはフランスの美しいビジョン」を象徴していると語ったが、それはこの夜を彩ったゴルチエのクリエイションの数々にも同じことが言えるだろう。
Text: Hayley Maitland Adaptation: Motoko Fujita
From VOGUE.CO.UK