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NIGO®率いるケンゾーがゆかりの地、パレ・ロワイヤルでクールに魅せた新境地【2025年春夏メンズ】

6月19日(現地時間)、ケンゾー(KENZO)は2025年春夏コレクションを発表した。今回会場に選んだのは、ブランドにとってゆかりの地、パレ・ロワイヤル。3年目という節目の年を迎えたアーティスティック・ディレクターのNIGO®は、日本と西洋の文化を見事に融合させた革新的なコレクションで会場を魅了した。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

噴水の周りに金色の砂が敷き詰められたパレ・ロワイヤル。ケンゾーKENZO)のランウェイは、華やかなこの場所を舞台に威風堂々幕を開けた。ここからわずか1分の距離にあるギャルリー・ヴィヴィエンヌは、創業者の高田賢三が初めてパリに店を出した場所であり、アーティスティック・ディレクターのNIGO®が就任後、初めてのショーを行ったブランドゆかりの地。メゾンにとって親しみ深いこの場所も、この日は非日常の華やかさで溢れかえることとなった。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

ショー開始前のインタビューで、NIGO®の通訳を務めるトビー・フェルトウェルはこう話している。「NIGO®のショーは今回で6回目。“やりたいことを成し遂げるには少なくとも3年はかかる”と常に彼は考えていたが、今ようやくこれまで目指していた到達地点に辿り着いたと感じている」。6度目となる今回、NIGO®はメンズとウィメンズのショーを続けて披露するという初の試みに挑んだ。

多様な表現で魅せるバンブーカモフラージュ

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

精巧なバンブーカモフラージュパターンを中心に、メンズコレクションは幕を開けた。たっぷりとしたシルエットのトレンチコートや、トロピカルムードなジャケットに軽やかなブレイキーパンツが観客の視線をさらう。ダブルブリムのベースボールキャップと淡いグリーンのパジャマスーツは、 光沢あるダスター・コートとのレイヤードで洗練されたルックとして仕上がり、京都のスペシャリストによってチューンナップされたゴム底の草履は、金色の砂を軽やかに蹴り上げた。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

ダブルジップメッシュパーカーのルックには、上からサングラスを着用し、すっかりと顔を隠すといった斬新なスタイリングも登場。刺繍が施されたサテンボンバージャケットや、日本の足場職人からインスパイアされたパンツなど、随所に現れる表情豊かなバンブーカモフラージュが存在感を光らせた。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

その他にも、ステッチが施された淡いデニムとカーキのユーティリティスーツや、ヴェルディが手がけたボンバージャケットやニットなどプレイフルなピースに加え、“パリ土産でもらう様なスーベニアのイメージ”を、繊細なタッチで描くブラックのスーツとスカートが続いた。さらにレーザーカットされたスエードジャケットと、それに合わせたバンブーニットとパッチポケット付きロングショーツ、刺繍入りインディゴデニムのフルルックの見事なアンサンブルも披露した。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

ウィメンズはメンズをベースに大胆に昇華

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

メンズに続くウィメンズコレクションでは、バンブーカモフラージュがフラワーカモフラージュへと姿を変える。メンズで使われたネットはクロシェ編みとなって、アトミックフラワーを想起させるワンピースやトップスとしてアップデート。メンズで登場したストラップは、スカーフスカートやトップス、ドレスからゆらりと垂れ下がる優美なフリンジへと変貌を遂げた。“インスピレーションは折り紙の鮮やかな色彩”とNIGO®は話しており、そのエフェクトは、折り目を活かしたクリームと赤紫のラップミニドレスからも見えてくる。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

フィナーレでは、自身が新たにデザインした「ナイキ エア フォース 3」を履いたNIGO®が黄金色のサーキットに登場した。旧友のファレル・ウィリアムスをはじめ、革新的なショーを成功させたNIGO®へ贈る豪華ゲストたちの熱い拍手でランウェイは幕は閉じた。

ケンゾー 2025年春夏メンズコレクションより。

※ケンゾー2025年春夏コレクションをすべて見る。

Photos: Gorunway.com Text: Luke Leitch Adaptation: Mei Fujita Editor: Saori Yoshida
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