アクションを起こせば40代の出会いはたくさんある
─ 婚活をしようと思ったきっかけを教えてください。
K :40代になって、妊娠可能な年齢が迫ってきたことがきっかけでした。家族からは結婚のプレッシャーを感じなかったし、周りに独身の友達も多いので結婚そのもの自体に焦りはなかったのですが、子どもは欲しいなと。そして、日本で子どもを産み育てるなら結婚するのが現実的だろうと考えました。とにかく思いつく全てのことをしましたね。友人や親戚、仕事先の方100人くらいに紹介をお願いしましたし、結婚相談所や婚活アプリにも登録。銀座のコリドー街や相席屋にも足を運びました。以前気になっていたけれど誘えなかった男性にも積極的にコンタクトを取りましたし、男性が多そうな習い事も始めました。さらに、恋愛本を読んでみたり、婚活セミナーを受けたりもしました。
─ ものすごい行動力ですね! 何人くらいの男性とデートしたのですか?
K: 私が婚活を始めた時期はコロナ禍で、結婚相談所はオンラインお見合いが中心だったんです。オンラインでお話ししたのが約15人で、そのうち約10人と実際にお会いしました。婚活アプリでは約100人にアプローチし、約10人とデートをしました。友人の紹介を通じて約10人ともお会いしました。私の活動期間は約1年半ですが、とにかくものすごい数の男性とお会いしデートをしました。40代になると出会いの数は減ると言われますが、行動すればそんなことないと改めて実感しましたね。ここまで多くの人とデートをしたのは、自分史上初です(笑)。ただ、結婚相談所は3ヶ月くらいで退会しました。
─ どうして結婚相談所を辞めたんですか?
K :色々活動する中で、私がしたいのは結婚じゃなくて恋愛なんだって再認識したんです。恋愛の先に結婚があればそれはありがたいけれど、もし結婚がなくてもとにかく恋愛がしたい。大好きな人と絆を深めたい。そんな私には、婚前交渉禁止のルールがあるような結婚相談所は合っていないのではないかと思いました。友人にも「Kがしたいのは、ステディなパートナーを作ることと子どもを産むことだね」と言われて、その通りだ!って頭が整理されました。選択的シングルマザーの友達が何人かいたし、入籍にはこだわらなくていいとも思い始めました。さらに、恋愛と出産を分けてもいいのではないかと考えるようにも。卵子凍結をしていましたし、子どもは精子バンクを利用して産んでもいいのではないかと思ったんです。ともあれ、恋愛をするにも相手が必要ですから、アプリや友達の紹介を頼りにパートナー探しに力を入れました。
年齢のことを気にする男性はこちらから願い下げ
─ 活動する中で気分が落ち込んだりやめようとしたことはありましたか?
K :たくさんありますよ! 大学時代の独身の友達と相席屋に行ったら、多分20代前半くらいの男性たちとマッチングされて。意地悪な好奇な目で見られて「何歳ですか?」と聞かれました。その夜は悪夢にうなされました(笑)。とにかく年齢はネックでしたね。結婚相談所でもアプリでも、特に女性は年齢が上がるとマッチング率が下がると言われていますが、本当だと思います。10人くらいにアプローチして1人とマッチングすれば良い方ではないでしょうか。
─ 年齢のことで落ち込んで、どのようにそれを乗り越えたのですか?
K :「なんで若い女性がいいのだろう?」って考えてノートに書き出しました。子どもがたくさんほしいから、友達とか周りに自慢できるから、自分が優位に立てる可能性があるから、将来介護をしてもらえるから……というのが私の思いついた答えでした。そして、私は子どもを産む機械でも介護要員でもないし、友達に自慢されるためのモノでもないし、男尊女卑の人もお断り! 年齢のことを気にする男性はこちらから願い下げだ、と思ってスッキリしました。
─ 活動中に特に印象に残ったエピソードを教えてください。
K :一冊本が書けるくらいたくさんあるのですが(笑)、離婚歴+子どもがいる男性は、婚活に対して自信がないことに驚きました。「僕は傷モノですけれど大丈夫ですか?」と聞かれたり、「離婚歴があるだけなら大丈夫だけれど、子どもがいると結婚の対象にならないですよね?」と相談されたりしました。「子どもがいるということは、妊娠能力があるということだから、子どもを産みたい私にとってはプラス。もう41歳でこどもは一人しか産めないかもしれないから、異母兄弟がいるのは子どもにとってもいいことだと思う。マイナスポイントではない」と率直に答えたら、ものすごく喜ばれました。残念ながら恋愛感情は生まれず、交際には至らなかったのですが。
海外を放浪中に運命のパートナーと出会う
─ 今のパートナーとは、どのようにして出会ったのですか?
K :それが、婚活&恋活中には出会っていないんです。1年半ほど活動しても上手くいかなくて、旅にでも行ってリフレッシュしようと1ヶ月半ほど海外を放浪しました。そこで出会ったんです。ほぼ一目惚れです。とはいえ、1年半の活動は無駄には感じていなくて。色々な人にお会いするというプロセスがあったからこそ、今のパートナーに出会えたと感じています。彼は外国人で、私より4つ年下です。日本ではまず年齢を聞かれることが多かったのですが、彼には聞かれたことはありません。ありがたいことに、気にならなかったみたいですよ。何かのときにパスポートを提出しなければならなくなって、その時にお互いの年齢を知ったという感じでした。彼は海外在住なので、最初から遠距離恋愛。出会ったのが9月で、11月と12月にお互いの国で一緒に過ごして、もう将来を約束するようになりました。彼が日本で仕事ができるのを待って、見通しが経ったら籍を入れて一緒に日本で暮らす予定です。結婚という形にこだわったというよりは、在住VISAの関係で入籍したほうが合理的だからそうすることに決めました。年齢のこともあるので、病院に通って不妊治療も始めています。
─ 今までお付き合いした人と今のパートナーに違いはありますか?
K: 全く違いますね。過去にお付き合いしたのは、私をリードしてくれるようなエリート系が多かった。私は何でも自分で決めたいタイプなのですが、恋愛や結婚となると、男性にイニシャティブを取ってほしいとか守ってほしいと思うところがあったんです。今のパートナーとは対等だし、必要ならば私についてきてくれるタイプ。その方が、私には心地よいしリラックスできるのだと彼に出会って気がつきました。自分一人でいる時よりも、彼といるときの方が自分が解放されるくらい、とにかく一緒にいて心地よい相手です。彼のことを日本でアプリで見つけていたら、私はアプローチはしなかったと思います。収入や学歴といった肩書きでは、あまり目に止まる人ではないからです。でも海外を放浪する中で、“結婚するならこういう条件の人としたほうがいい”という婚活文化や日本社会の刷り込みから解放され、肩書きではなく相手の中身を見るようになったのかと。
─ 最後に、アラフォーで婚活をする人にアドバイスをお願いします。
K :今まで結婚願望があったのに40代をすぎてご縁が見つかっていない場合、その原因は自分にあると考えて見てみても。そして、今までと同じことをしていても、今後結婚できる可能性は高くないと自分の行動を振り返ってみても実感しています。自分が変わらない限り結果は同じだからです。恋愛してから結婚したいなら、友人に紹介をお願いしたり色々な場所に出かけたりして、とにかく出会いのチャンスを増やすこと!そして、今までの自分の恋愛を見直すことも必要。過去と同じ恋愛をしても、結果は同じでおそらく結婚にはつながらないから。私はデートの誘い方やLINEの文面、会ったときのコミュニケーションなど全て見直して、時には専門家にアドバイスをもらいながら変えていくということも実行していましたね。
Text:Kyoko Takahashi Editor:Kyoko Muramatsu