マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)の2025年春夏コレクションは「地中海のロマンス」をテーマに、ハドソンヤードの「THE SHED」で開催された。
このコレクションは、今年ブランドがイタリアの職人や工場と仕事をするようになって35年目を迎えることを記念し、デザイナーのマイケル・コースがこよなく愛する場所であるカプリ島、イスキア島、プローチダ島などの地中海を思い描きながら、ラフィアのフリンジ、花柄のアップリケ、レース、テーラリングなどのハンドクラフトに焦点を当てた。会場には、イタリアの海辺を彷彿とさせる大きな岩のような彫刻が点在していた。
コースはショー前日のプレビューで、「私の知る限り、誰もがリゾートに住みたいと思っています。都会の洗練さとリゾートのムードのどちらも手にすることができます。都会ではよりリラックスし、リゾートではより優雅になれる。人々は都会からの逃避を切望しているのです」と語っていた。
ワンピースやデニムのスカートといった親しみのあるクラシックなアイテムでも、すべて手刺繍が施され、控えめなラグジュアリーが表現されていた。一見プリントに見えるモノクロのフローラルプリントは、すべてハンドプリーツのオーガンザを使用したものだ。
昼夜問わず快適でありたいという考えは、とてもアメリカ的であり、コレクション全体に浸透していた。ドレスの多くは背中が開いており、水着のようなアスレチックな要素も。ウエストはシェイプされ、メリハリのあるシルエットを描いていた。
そして、服や小物にはラフィアのフリンジなどアルチザンによる装飾が施され、動くたびにさわさわと擦れる音に爽やかな風を感じさせる。
また、ショーのもう一つのインスピレーション源が、Netflixで配信中のシリーズ『リプリー』であることから、ダークな雰囲気やモノクロの色彩も取り入れられ、より手仕事に注目が集まるように演出。
ダークな色同士をミックスしているのも印象的で、コースがこよなく愛するネイビーのブレザーを主役に、リッチなチョコレートブラウンとブラックで構成されたゆったりとしたスーツルックは、肩肘張らないエレガンスを呼び起こす。
ブランドのアンバサダーであるTWICEのダヒョンがサプライズで登場したのも話題になった。彼女が着ていたチョコレートブラウンのワントーンルックは、このコレクションを象徴するリラックスしたムードと都会の洗練さを兼ね備えていた。
「女性たちは特別なものを求めると同時に、長く喜られるものを求める時代です」とマイケル・コースは話す。そのニーズに丁寧に耳を傾け、毎日着られて特別な気分になれるワードローブを提案した。
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Photos: Gorunway.com Text: Maki Saijo