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2024年、スキンケアの役割は大きく飛躍。 バーチャルスキンはもはや夢物語ではない【VOGUE BEAUTY AWARDS 2024】

バーチャルとリアル。それぞれが交差し、今、私たちの素肌はシームレスに美しさを増してきた。そこで重要となるスキンケア・プロダクト。2024年を賑わせた優秀品とともに振り返る。

現実として叶えられるようになってきた「ハイパースキン」

フェンディ(FENDI)2024年秋冬コレクションより。Photo: WireImage/Getty Images

Daniele Venturelli

私たちの生活に、SNSが不可欠なものとなって久しい。かつて、 加工アプリによるフィルターがかった肌にはAI的なバーチャル質感 があり、それは非現実的なものだった。たとえばプリクラで目のサイズを2倍くらいにしたり、動物の耳や鼻をつけたりした自分の姿は、 現実と大きく乖離していたし、それでよかった。しかし現在、気づけばバーチャルな姿はかなり実現可能な領域にある。特に肌は、現実と非現実の境界が限りなくシームレスになってきたと感じる。

Stray Kidsのフィリックスの麗しき美肌。Photo: Getty Images

Taylor Hill

その要因をいくつか考えてみよう。まずは、肌加工のディテール が繊細になり、リアリティを持つようになったこと。これによってサ イボーグのような肌に生っぽさが付与され、現実世界との距離感が縮まった。また、K-POPアイドルたちや今回の「VOGUE BEAUTY AWARDS(VBA)」の選考委員を務めるメイクアップ・クリエイター GYUTAEさんのように、非現実的と思われていた美しさをリアルワールドで体現する人が普通に存在するようになった。これにより、ハイパースキンは虚構などではなく、目指せるものなのだという認識が広がったといえるだろう。

ロエベ(LOEWE)2024年秋冬コレクションより。Photo: Gamma-Rapho via Getty Images

Victor VIRGILE

そして美容医療のめざましい進化は、ニキビ跡や毛穴、しみ、シワ、たるみなどの肌ノイズを一掃できる可能性を大きく広げた。医師や被験者が発信源となり、SNS上でそのプロセスを開示しているケースも多いため、ハードルが下がっただけでなく、美容医療にはどんな施術があるのか、肌に手をかけるテクニックのレイヤーも明らかになった。誰でも情報にアクセスし、施術への理解を深めることができるため、「美容医療って……整形でしょ?」のような雑な解釈が世の中から姿を消した。結果、美肌を求めてクリニックの門を 叩く人の数は増加の一途を辿っている。

MM6、2024年秋冬コレクションより。Photo: Gamma-Rapho via Getty Images

Victor VIRGILE

VBAの選考委員で、松倉クリニック代官山の院長、貴子先生によると、若い世代はバーチャルな毛穴レス肌に憧れ、ダーマペンやピーリングに積極的だという。 シミやくすみが出てくる30代やたるみを感じる40代以降も、それを加齢による当然の変化と考えずにIPL(光治療)やHIFU(高密度焦点式超音波法)を堂々と選択し、貪欲に美しい肌を追求する。肌悩みは世代によって異なるものの、なりたい肌をどこまでも追求して構わないし、求めたぶんだけ効果が得られるのが今の時代なのだ。

フィルターを使わずにハイパースキンへと近づく

オバジX ディープアドバンスドリフト セラム 45g ¥8,800/ロート製薬

2024年を振り返ると、スキンケアも「ハイパースキン」を応援する存在として確実に進化を遂げていることがよくわかる。そこには、 あらゆる理想を叶える多彩な顔ぶれが。ピンポイントで肌悩みに応えるクリニックさながらのアプローチのものもあれば、ホームケアだからこそ味わえる豊かな世界を描くものもある。“VBA”のエントリ ーアイテムから、いくつか特徴的な切り口とともに振り返ってみよう。

アンフィネス メンテナンス ショット 7 24ml ¥13,200/アルビオン

まずクリニックレベルの実感をくれるものとして、たるみやゆるみにアプローチする美容液の存在が目立った。肌疲労とゆるみの関係に着目した「オバジ X ディープアドバンスドリフト セラム」や、7種 のビタミンC誘導体を配合したアルビオンの「アンフィネス メンテナ ンス ショット 7」はその代名詞だ。

カプチュール トータル ヒアルショット 15ml ¥12,980/パルファン・クリスチャン・ディオール

また、デジタルと切っても切れな い関係を続ける私たちにとって深刻な、目まわりの悩みにアクションしてくれるアイテムも多く生まれた。ディオールの「カプチュールトー タル ヒアルショット」は、注入をイメージしたヴィジュアルも含めて、 美容医療のようなパーツケアを可能にしたし、眼輪筋が痩せ細る原因を細胞レベルで突き詰めたエピステームの「アイパーフェクトショット」は、目を酷使する現代人に頼もしく寄り添ってくれる。

アイパーフェクトショットb 18g ¥12,100/エピステームコール

いずれも、スキンケアでここまでできてしまうのかというメソッドと効果実感が革命的なものばかり。スキンケアは「美容医療に手を出すほどではないけれど、美しい肌は可能な限り追求したい」という人にとっても「美容医療でメンテナンスした肌をいかにホームケアで維持するか」を考える人にとっても、心強い存在になったのだ。

スキン ハーモナイザー 180ml ¥5,500/カネボウインターナショナルDiv.

この一年は、「スキンケアだからできること」「スキンケアにしかで きないこと」を体現するギミックに、改めて深く感じ入る機会の多い年でもあった。たとえばKANEBOの「スキン ハーモナイザー」は、 拭き取り化粧水という立ち位置から、肌のバリア機能を低下させる 悪玉化する皮脂のみを選択吸着しつつ保水機能は高めていき、乾燥や肌荒れを防ぐという新アプローチが大きな話題となった。

センサイ AS マイクロ エッセンスインローション 125ml ¥14,300/カネボウ化粧品

また、リッチなオイルをマイクロサイズにしてローションに含ませ、心地よいテクスチャーとともに角層深く浸透させていくSENSAIの「マイクロ エッセンスインローション」も、処方技術の進化によるスキンケア体験の豊かな拡張を証明。それから、このタイミングでもリッチな スキンケアができてしまうの? という、隙間時間をおおいに利用したハイパフォーマンスアイテムも多かった。

バランシング クレンジング バーム 90g ¥4,840/THREE

ヴィアルム ザ ウォッシュ 125g ¥11,000/SUQQU

クレンジングの時間をリチュアルタイムに変えてしまうTHREEの「バランシング クレンジン グ バーム」、洗いながら保湿カプセルが肌上で弾け、美容液レベルの保湿を叶えるSUQQUの「ヴィアルム ザ ウォッシュ」、そしていつ 何時でも、メイクの上からであっても、ベストセラー美容液を肌に塗布できてしまうイヴ・サンローランの「ピュアショット セラムイン スティック」などはその筆頭だ。これらは、スキンケアの楽しさとユニークネスを体現する存在でもあると思う。

ピュアショット セラムインスティック 9.5g ¥11,000/イヴ・サンローラン・ボーテ

私たちは、フィルターの力を借りずとも「ハイパースキン」に近づ けるのだ。夢物語ではない。自分の肌の現在地や、掲げる理想を認識することで、その実現は驚くほど早まっていくし方法だっていくつもある。けれど、どうせ実現できてしまうなら、その過程も存分に楽しみたい。そんなニーズを叶えてくれる存在がスキンケアなのだと言えないだろうか。質感や香り、日々変化していく実感をまるごと楽しめることは、きっと大人の余裕であり、人生の彩りそのものだ。

※「VOGUE BEAUTY AWARDS 2024」の結果はこちらでチェック。

問い合わせ先/アルビオン 0120-114-215
イヴ・サンローラン・ボーテ 0120-526-333
エピステームコール 0120-480-610
カネボウインターナショナルDiv. 0120-518-520
カネボウ化粧品 0120-518-520
SUQQU 0120-988-761
THREE  0120-898-003
ロート製薬コミュニケーションコール 0120-234-610
パルファン・クリスチャン・ディオール 03-3239-0618

Text: AYANA Editor: Toru Mitani

※この記事は『VOGUE JAPAN』2025年1月号別冊「VOGUE BEAUTY AWARDS」の転載記事です。