コロナ禍を経てオンライン対応が増えたことにより、デジタルデバイスと向き合っている時間が圧倒的に増え、在宅での作業も多くなった。ずっと同じ体勢でデスクに座り、オンとオフのスイッチがないまま一日がシームレスに続いていくことは、メンタルヘルスの観点からも多くの危険性を秘めている。
PM4:50 デスクワークを快適にする、お守りコスメ
「意識したいのは、やはり呼吸。緊張状態が続いて呼吸が浅いと交感神経が優位になり、ストレスやイライラも感じやすくなります。自律神経のバランスを整えるためにも、タスクの節目に深呼吸する習慣を。肌や髪に纏うフレグランス(1)(3)で空気を変える、お気に入りのリップ(2)で口もとをリタッチするなど、深呼吸するためのサインを決めておくことも有効。私は自宅での仕事も多いので、深呼吸したあとにストレッチポールやマッサージガンで体をほぐしたり、近所へ散歩に出かけることもあります。深呼吸が難しいという人は、フゥーとつくため息でもいい。意識的に深く息を吐くことで副交感神経の働きが高まり、身体がリラックスすることを覚えていきます」
香りの力と潤いで、区切りなき一日に深呼吸を
ただひたすら仕事を続けるのではなく、ときにリフレッシュしながら自身のリズムを持つ。一日のタスクを自身でコントロールし、しっかりタイムマネジメントするという意味でも大事な心がけだ。「さらに最近再び注目が集まっているなと感じるのが、水を飲むこと。ボトルに時間の目盛りが入ったタイムマーカー付きの水筒も多く、飲み忘れることなくこまめな水分補給ができます。血行促進や基礎代謝のアップ、デトックス効果を狙う上での基本となる水分の摂取も、自身をいたわるセルフラブの一つと言えます」
肌を整えることで心も浄化する
自身や家族にフォーカスする朝や夜とは違い、日中は基本的に他者とのコミュニケーションの時間になるため、その中で生まれるストレスは大きい。上司の言葉に傷ついたり、オフィスで誰かと自分を比べてしまったり、周囲からすると些細な出来事でも、心の動揺を隠せないときもある。そういうことが積み重なると自分に自信が持てなくなり、本来の力を発揮できなくなったり、ここぞという場面で失敗してしまったりと、悪循環を招くことも。「特に私たちの社会では、頑張ることが正義という刷り込みも強い。社会の歯車として上手に機能することを求められ、自分にとって何が大事かもわからないまま走り続けることで、何に対しても“頑張りグセ”がついてしまっている人が多い気がします。今の日本は残念ながら“自分に満足する”という実感が湧きにくい社会。自信を失ったときや傷ついたときに、私の努力が足りないから! と自らを責めがちですが、その発想は捨てましょう」
他人からの評価に疲弊し、自己肯定感が下がりきってしまう前に、コスメの力を借りて心をアップリフトさせることも大事だ。「一番は肌を整えること。肌は心の鏡と言われるほどマインドが現れます。スキンケア効果が高いパウダー(1)で肌の油分を抑えたり、ミスト(2)で乾燥からガードしたり。特にこの夏は、手軽に使える日中用ミストが続々と発売されています。その中からお気に入りの香りを見つけ、気分のリフレッシュとして使うのもいいでしょう。誰かのためにメイクを直すのではなく、自身の気持ちの整理のために肌をリタッチする。そうすると心の浄化にもなります」
他人軸で自身を判断したり、周りと比較したり……情報があふれる社会で陥りがちな落とし穴から自分を救うために美容の力を上手に活用したい。
話を聞いたのは……
ANNA OSADA
長田杏奈。美容ライター。雑誌やWebで美容に関する記事を数多く執筆。2019年には著書『美容は自尊心の筋トレ』(Pヴァイン)を上梓。雑誌『エトセトラ』(エトセトラブックス)では「私の私による私のための身体」というテーマで責任編集を務めた。
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Text: Sachico Maeno Editor: Risa Yamaguchi
※『VOGUE JAPAN』2024年8月号「肌と心に効く最旬自己愛ビューティー」転載記事。

