「アーバンデュアリティ」と題された、イタリア人デザイナーのアンドレア・ポンピリオによるオニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)の2025-26年秋冬コレクションは、現代の大都市に暮らすさまざまな人々を讃えるものだった。会場の周辺地域の落ち着きと対照的な、伝統と現代が交わる東京の二面性からインスピレーションを得て、ショーの主軸はポンピリオ曰く「相反するものの組み合わせ」。現代の英国紳士的なルックに、西洋からインスパイアされたディテール、パンクのスタッズのアクセント、ロマンティックな華やかさなど、あらゆるスタイルが融合され、クリスタルスタッズ付きの「MEXICO 66」スニーカーといった一部のアイテムは、1980年代のポップミュージックのきらびやかさを想起させる。一方で、手刺繍を施したノルディック柄のセーターや、竹ビーズの刺繍いった柔らかな力強さが漂うルックも登場。異なるテイストのルックで彩られたランウェイは、まるで多様なセンスが共存する大都市だ。
よりクラシックなスーツや千鳥格子柄のジャケット、合成皮革のピーコートをはじめとする定番アイテムも展開されたが、サイズや丈感は変則的。タイトなフィット感や通常よりも遥かに短いクロップド丈で打ち出され、ユニセックスのオーバーサイズアイテムとの魅力的なコントラストを生み出す。
幅広いラインナップにはアクセサリーも含まれていた。特に今季目を引いたのは、ストラップで締めるヒールブーツ、メタルのスクエアトゥのバレエシューズに、やはりブランドのシグネチャーである「MEXICO 66」のスニーカー。これらはオニツカタイガーの代名詞的なボウリングバッグから着想を得たハンドバッグと合わせられ、新たな日常着として再解釈された。日本文化のエッセンスを随所に感じるコレクションは、さまざまな個性が行き交う現代にふさわしい、自分らしいスタイルを叶えるワードローブを実現したのだった。
※オニツカタイガー 2025-26年秋冬コレクションをすべて見る。
Text: Alberto Calabrese Adaptation: Anzu Kawano
From VOGUE.COM
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