1. 潔くかきあげたブラッシュバックヘア
今季のパリ・ファッション・ウィークで目立ったのは、さっと後にかきあげたブラッシュバックヘア。ミュウミュウ(MIU MIU)ではヘアスタイリストのグイド・パラオがふわっと緩くまとめたレトロなスタイルが、ヴァレンティノ(VALENTINO)とルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)では極太のヘアバンドでオールバックにしたルックが台頭した。
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ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)は前だけジェルを馴染ませて毛並みを描き、後は乱した独創的なスタイリングをフィーチャー。彫刻のようなクリップも随所に取り入れられた。エルメス(HERMÈS)のヘアを手がけたゲイリー・ギルは、ロレアル パリ(L'ORÉAL PARIS)のヘアスプレーとお気に入りの日本製ブラシを使って後ろに流したなめらかなスタイルをデザイン。ギルによると「いいヘアブラシにお金をかけること」が重要で、「手に持ったときの重さで違いが生まれる」そうだ。
2. “肌を彫刻する”フェイシャルマッサージ
クロエ(CHLOÉ)のバックステージで行われていたのは、アウグスティヌス・バーダー(AUGUSTINUS BARDER)が手配したLB Facialistesのチームによるフェイシャルマッサージ。イザベル マラン(ISABEL MARANT)とコペルニ(COPERNI)でも、ドクターズコスメブランドのアイエス クリニカル(IS CLINICAL)のスキンケアプロダクトを用いたMASC STUDIOによるフェイシャルが最初のステップとして取り入れられていた。ウェインサント(WEINSANTO)では、LEDマスクをつけてリラックスするモデルたちをキャッチ。オフランウェイではアイマスクをつけたモデルたちの姿も見られ、もはやビューティーアクセサリーと化していた。
3. アートに進化するスモーキーアイ
スモーキーアイの新しいバリエーションを提案し続けるのは、ほかでもないパット・マクグラス。スキャパレリ(SCHIAPARELLI)では「ありとあらゆる目の形を強調する」トープのアイシャドウをぼかし、コペルニではコンピューターやゲームをインスピレーションに掲げたコレクションにマッチするフレンチグレーとブラックの色合いを織り交ぜた。
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カサブランカ(CASABLANCA)のファラ・ホミディはカラーサングラス越しにも映えるウィングチップライナーを引き、ディオール(DIOR)のピーター・フィリップスは目頭に重点を置いてコントラストをプラス。エルメスのグレゴリス・ピルピリスはブラウンのペンシルを3種類使い、「目頭と目尻をスモーキーにして、より立体感のある目もとに」仕上げた。そして今シーズンを締めくくったシャネル(CHANEL)で目を引いたのは、羽をモチーフにしたブラックのスモーキーアイ。ほかとは一線を画す、芸術性の高いデザインが目もとを印象付けた。
4. ノンシャランなムード漂うロングヘアのタックイン
オルセン姉妹がトレンドの火付け役とされる、ロングヘアをコートやジャケットにタックインしたスタイルはニューヨーク・ファッション・ウィークでも広がりを見せていたが、その影響はパリにも到達したようだ。ディオールではグイド・パラオがザラ(ZARA)のシャインミストで仕上げたローポニーテールをシアージャケットからのぞかせ、マックイーン(McQUEEN)ではゲイリー・ギルがレースの襟に毛束を通すなどの新しい見せ方を提案。オットリンガー(OTTOLINGER)やサカイ(SACAI)でも、パーカやハイネックに髪をしまったデザインが見られた。手の込んだスタイリングは不要で、ギル曰く、肩につくくらいの長さがあれば誰でも「ショートヘアにしたように見せることができる」のもポイントだ。
5. 鮮やかな色彩で遊ぶステートメントメイク
いくつかのショーでのメイクアップに光ったのは、「モア・イズ・モア」のアプローチ。特に80年代を思わせる派手な色使いや、ステートメントリップがインパクトを放った。
ルイ・ヴィトンでは、パット・マクグラスがメゾンの新作コスメを用いたテクニカラーのコントゥアリングやダークなアイメイクをリズミカルにフィーチャー。クレージュ(COURRÈGES)ではトーマス・ド・クルイヴァーがアイラッシュ代わりに超特大のコンフェッティのようなパーツをのせたり、マックイーンではダニエル・サルストロームがM・A・Cからアースカラーのペイントポットを使って下まぶたにラインを引いたりと、目力を引き出すポイントメイクも注目の的に。
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ヴァレンティノでは頬全体に広がる鮮やかなピンクのチークとたっぷりの艶を纏わせたリップメイクが組み合わされたほか、トム フォード(TOM FORD)ではルーシー・ブリッジが同ブランドのビューティーラインからリップライナーとリップスティック、グロスを重ね、クラシックな赤リップの魅力を存分に再アピールした。
Text: Arden Fanning Andrews Adaptation: Motoko Fujita
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