女性の監督史上最高のオープニング成績を達成した、グレタ・ガーウィグ監督の映画『バービー』(日本公開は8月11日)がすごい。中でも、バービーのボーイフレンドであるケンを演じたライアン・ゴズリングの演技は、「オスカー確実」と噂されるほど素晴らしいものに。42歳でケン役には意外なキャスティングだったけれど、蓋を開けてみれば、ブロンドにブリーチした髪とムキムキの筋肉でピンクのローラースケートを履いた彼の姿は、笑ってしまうくらいに“リアル・ケン”。そんなライアンがケンのボディを手に入れるために実践した、毎日9分の集中ワークアウトがあった。
ライアンだけでなく、ほかの“ケン”たちを演じる俳優たちの指導を行なったのは、キャスト・トレイナーのデヴィッド・ヒギンズ。彼が『GQ』に語ったところによると、ワークアウトの内容は、主にウェイトリフティングとピラティスだという。ほかにも腕立て伏せ、背筋、俳優たちの競争意識を駆り立てるためのプランクチャレンジが用いられた。有酸素運動としては、劇中で演じられるミュージカル・パートのために、毎日2時間のダンス練習のほか、チーム意識を高めるため、卓球やバスケットボールなどの競技が取り入れられたという。
肝心の9分間のコア・エクササイズは、ブレイクタイムを入れずに1分間ずつ、9種類のワークアウトを行なう、というもの。
1. まずはマットの上に座り、膝を曲げて胸に近づけ、手をすねに置き、背中がマットに触れるように後ろに回転する、「ロールバック」からスタート。
2&3. マットに仰向けになり、両足を上げて交差させて左右に捻って床に戻す、「レッグリフト」。
4.「トゥー・ステップ・クランチ」は、膝を曲げて仰向けになり、足を床に平らに置いたら上半身を地面から持ち上げるクランチだ。上がる途中で一時停止し、最上部で上半身を停止してからまた床に下げる。
5&6.「クロスボディ・クランチ」。斜めにひねる以外は、4と同じクランチの動きを行う。手を頭の後ろにそっと置き、肘を大きく開き、右肘が左膝に届くようにひねってから開始位置に戻る。片側を1分間ずつ。
7.「ロープ・クライム」。足を上げて足を空中に上げて仰向けに寝る。両足の間にロープを持ち、ロープをつかもうとするかのように体を上向きにクランチさせ、クランチするたびに片手で自分自身を引っ張るかのように動く。
8.「ウィンドスクリーン・ワイパー」。両足を床に平らに置き、膝を曲げて地面に座る。骨盤を前に傾け、お腹に緊張を感じるまで後ろにもたれかかる。そこで立ち止まり、足を床から上げたら足を左右に振る。
9.「スタティック・デッド・バグ」。仰向けに寝て、腕を耳の後ろを越えて地面にまっすぐ置き、膝を曲げて足を床に平らに置く。 片足を地面から上げ、同時に反対側の手をその足にタッチ。 30 秒間その位置をキープしてから、逆側も行なう。
これを9分間ならできそうと思うか、ハードすぎると感じるか。ちなみにデヴィッドによると、「彼らは全員ワークアウトを楽しんでいました。惨めそうに見える人はいなかった」とのこと。特別な食事制限はなかったものの、加工食品は摂取しないこと、また、定期的なファスティングは実践していたという。そんなワークアウトで作り上げた、筋肉隆々のライアンが歌って踊る『バービー』の公開は間近。公開初日にキラキラでポップな世界観を、ぜひ大画面で鑑賞したい!
Text: Moyuru Sakai Editor: Toru Mitani
