個性を解き放ち、美しくヘルシーに
2020年にコスメブランド、レアビューティー(RARE BEAUTY)を立ち上げ、成功をおさめているセレーナ・ゴメス。ブランドの立ち上げに際して「非現実的な完璧さを追い求めることなく、一人ひとりがレア(特別)であることを受け入れ、そのユニークな美しさを大切にしてほしい」というメッセージを発信し、人種やジェンダーをこえて大きな支持を集めたのも記憶に新しい。
その着眼点は、幼い頃からショービズ界で活躍し、世間が作った理想の美に当てはめられ、心の平安を失い踠いてきた彼女だからこそ生まれたもの。リップスティックやチークといった日常的に使うコスメでユーザーの自分らしさを後押しするのはもちろん、売り上げの1%を世界のメンタルヘルスに関わる機関を支援するために寄付し、精神疾患を抱える人々をサポートする活動にも力を注いでいる。
ハッピーオーラで周囲を明るく照らして
彼女の昨今のメイクには、そのポジティブな姿勢が如実に現れている。特に第81回ゴールデン・グローブ賞授賞式での、パープルのウィングアイとヌードピンクリップの組み合わせは、紆余曲折のなかでアップデートされた彼女のしなやかなタフさが感じられるもの。このリップはレアビューティーのリップスフレ・マット・リップクリームの「カインドネス」という色で、どんな服にも合わせやすい抜け感が特徴。まるで、主張しながらも優しくありたいと願う彼女自身を表しているかのような絶妙なカラーなのだ。
インパクトのメリハリがこなれた印象を加速
2023年12月の第3回アカデミーミュージアムガラでのルックも、キラキラ輝く眼差しがまぶしい。ふさふさのアイラッシュで目力を出しつつ、アイラインはぼかしてソフトなニュアンスに。リップも彼女らしいフレッシュさを引き出すコーラルオレンジを選び、レッドカーペットルック=赤リップという王道を覆す変化球が新鮮だった。
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ダークなリップカラーに芯の強さをこめて
第75回エミー賞授賞式では、スタイルをテクニカルに纏め上げながらも自分らしさを謳歌するメイクが素敵。軽い発色のスモーキーアイズにボルドー色のマットリップを合わせたこのメイクは、オスカー・デ・ラ・レンタの特注ドレスにマッチするダークロマンティックな世界観を表現したと担当メイクアップアーティストのハング・ヴァンゴ・ゴメスは語る。センシュアルでエッジの効いたこのルックは新生セレーナを印象付けるのに充分な美しさを放っており、彼女自身の成熟した一面までもが垣間見える。
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あらゆる個性が認められる時代になったとはいえ、いまだに社会の中で生きにくさを抱える世の女性たちに向け、メンタルヘルスの重要性をビューティーブランドにのせて発信していくセレーナ。凛とした前向きな姿でまた新しいスタイルを見せてくれるのだろう。
Editor: Rie Maesaka
