日焼けしてしまったら、まずは敏感肌用のスキンケアを手に取って
紫外線が肌に悪いと分かりつつも、日焼けしてしまった。そんな時はどうすればいい?「肌が真っ赤になって痛いような時は、色々自分で化粧品でケアをしようとすると、それは擦りむいた肌に塩を塗るようなものです。皮膚科に行って、きちんと薬を処方してもらいましょう。ヒリヒリはしていないけれど熱っぽいという程度のときは、まずはいちばんは冷やすことです」
例えば外に出ていて太陽を浴びて肌がほてるという時は、コンビニでミネラルウォータのペットボトルを買ってそれでまず肌を冷やすだけでも良いと、先生は続ける。「帰宅後にも保冷剤などで肌を冷やし、赤みが引いてヒリヒリ感がなくなったら、きちんとと水分を入れて肌を保湿しましょう。抗炎症作用があるブライトニング系のコスメがおすすめ。日焼けで炎症した肌は過敏になっているので、肌が強いという人も敏感肌用のものがいいと思います」
炎症が収まったら“攻めのケア”に転じて、紫外線ダメージにアプローチ
敏感肌用のコスメで肌炎症が落ち着いてきたら、もう少し攻めのケアをしてもOK! また、クリニックで受けられる光治療は、紫外線に当たった時に発生する“シミができる遺伝子”を抑えるということが分かってきたので、定期的に受けるのがおすすめだそう。「毎月受ける必要はありませんが、2、3ヶ月に1回などのペースが理想です。若い頃は紫外線を跳ね返す力があるのですが、だんだんとそれがなくなりますし、今までの日焼けの蓄積もあります。年齢を重ねたら、いつの季節になっても紫外線のアフターケアはマストです」
基底膜をケアするスキンケアコスメが日焼け後のリカバリーに効く
とにかく焼けた肌を何とかしたい…紫外線を浴びてしまった肌の時間を巻き戻したい…こんな悩みに答えるような、最新のスキンケアコスメや美容治療はあるのだろうか?
「日焼けをした後に、肌の基底膜が損傷することが最近分かってきたんです。基底膜を保護するコスメが続々と出ているので、ぜひ日焼け後のケアに取り入れてみてください」。基底膜とは、肌の表皮と真皮のつなぎ目にある、たんぱく質でできた膜のこと。基底膜から新しい細胞が生まれて表皮の細胞になっていくので、基底膜にダメージがあると表皮の生まれ変わりが悪くなる。また、表皮と真皮とのくっつきも悪くなり、たるみの一因にもなると先生は指摘する。「基底膜は、自宅でのお手入れに加えてサロンでも本格的にケアできます。真皮層に直接熱刺激を与えるマイクロニードルRF治療は、最近特に注目されていますね」
日焼けダメージからのリカバリーは可能。大人こそ透明感のある肌をキープして
沖縄で生まれ育った友利先生は、幼少期を中心に日焼けをすることが多かった。しかし、さまざまなスキンケアをした結果の今の美肌ぶりは、誰の目で見ても明らか。「私は現在45歳ですが、年々肌がきれいになってきたと思うんです」と、何とも頼もしいお言葉!「『先生、何か魔法の手術でもしているんですか?』と聞かれることもあるのですが(笑)、そんなことはありません。やはり日々のていねいなスキンケアを継続することと、美容医療を定期的に受けていることが肌を変えたのだと思います」
今後、先生が目指していきたい肌とは?「大人になるにつれて肌がくすんだり、紫外線を浴びてシミが濃くなったり、乾燥してきてキメが荒くなったり、基底膜の損傷が怒って肌のターンオーバーが乱れたりと色々なことがあるので、それを一つ一つ解決するようなことをしつつ、透明感のある肌でいられればいいですね。そのためにはきちんとスキンケアで保湿をして、適宜、美容医療に頼ることが大切だと思います。
今年のトレンドであるクワイエット・ラグジュアリーなファッションを楽しむ際にも、肌が清潔感や透明感を持っていることは重要だと思います。そういった肌は、洋服やジュエリーの素材の上質感を引き立ててくれるからです。そして透明感は、肌の色の白さでなく、肌の質感が整っていて、適切に保湿がされていることに関係していると感じています。白い肌にとらわれ過ぎないことも、その人らしいヘルシーな美しさにつながるのではないでしょうか」
話を聞いたのは……
友利新先生
皮膚科・内科医。沖縄県宮古島生まれ。東京女子医科大学卒業。第36回準ミス日本に選出。都内のクリニックに務める一方で、テレビ、雑誌、SNSなどでも活躍中。医師としての視点を活かした、健康や美に関する著書の執筆も行っている。
Photos:Getty Images Text:Kyoko Takahashi Editor:Kyoko Muramatsu