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”長引く暑さ”と”降り注ぐ紫外線”。肌が受けている肌ダメージのアフターケアをどうしたら?その方法をレクチャー【ヴォーグなお悩み外来】​​

海外リゾートに行ったり屋外でのイベントに参加したりと、久しぶりに開放的な夏を満喫。そして、結果日焼けをしてしまったという人も多いのでは? また、9月に入っても衰えない強い日差しにもまだ要注意だ。前回に引き続き、皮膚科・内科医の友利新先生が秋以降の紫外線対策をアドバイス。友利先生一押しの、アフターケアにおすすめのスキンケア商品もご紹介!

日焼けしてしまったら、まずは敏感肌用のスキンケアを手に取って

紫外線が肌に悪いと分かりつつも、日焼けしてしまった。そんな時はどうすればいい?「肌が真っ赤になって痛いような時は、色々自分で化粧品でケアをしようとすると、それは擦りむいた肌に塩を塗るようなものです。皮膚科に行って、きちんと薬を処方してもらいましょう。ヒリヒリはしていないけれど熱っぽいという程度のときは、まずはいちばんは冷やすことです」

例えば外に出ていて太陽を浴びて肌がほてるという時は、コンビニでミネラルウォータのペットボトルを買ってそれでまず肌を冷やすだけでも良いと、先生は続ける。「帰宅後にも保冷剤などで肌を冷やし、赤みが引いてヒリヒリ感がなくなったら、きちんとと水分を入れて肌を保湿しましょう。抗炎症作用があるブライトニング系のコスメがおすすめ。日焼けで炎症した肌は過敏になっているので、肌が強いという人も敏感肌用のものがいいと思います」

資生堂のdプログラムシリーズは、紫外線などで肌が敏感なときの救世主。d プログラム ブライトニングクリア ローション MB 125ml ¥4,290/資生堂インターナショナル

ナイアシンアミドを中心に、計10種類のビタミンをバランス良く配合。ドクターケイ 薬用Cリンクルホワイトミルク 70mL  ¥8,800/ドクターケイ

炎症が収まったら“攻めのケア”に転じて、紫外線ダメージにアプローチ

敏感肌用のコスメで肌炎症が落ち着いてきたら、もう少し攻めのケアをしてもOK! また、クリニックで受けられる光治療は、紫外線に当たった時に発生する“シミができる遺伝子”を抑えるということが分かってきたので、定期的に受けるのがおすすめだそう。「毎月受ける必要はありませんが、2、3ヶ月に1回などのペースが理想です。若い頃は紫外線を跳ね返す力があるのですが、だんだんとそれがなくなりますし、今までの日焼けの蓄積もあります。年齢を重ねたら、いつの季節になっても紫外線のアフターケアはマストです」

メラニン生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐHAKUはロングセラー。HAKU メラノフォーカスEV(医薬部外品) 45g ¥11,000(編集部調べ)/資生堂

美白効果を発揮するコウジ酸と、独自成分ブライトコンセントレイトコンプレックスを配合。ホワイトロジスト ブライト コンセントレイト​​ 40ml ¥16,500/コスメデコルテ

ゴールデンボタニカルエクストラクトとルートハイブリッドコンプレックスGLの、ふたつのハリ保湿成分を新配合。クレ・ド・ポー ボーテ セラムラフェルミサンS n 40g ¥36,300(9月21日発売)/クレ・ド・ポー ボーテ

TAKAYUKI ADACHI

人気エイジングシリーズ「スキンパワー」の新作。炎症老化に着目してパワーアップしたクリーム。SK-II スキンパワー アドバンスト クリーム 50g ¥17,050(編集部調べ)/SK-II お客様相談室

プレミエ ローズ ペプチドを配合。エイジングの3つの指標(肌の構造、肌の質感・キメ、肌の色・艶)を逆転させ、肌を再生し修復。プレステージ ル ネクター プレミエ 30ml¥88,000/パルファン・クリスチャン・ディオール

基底膜をケアするスキンケアコスメが日焼け後のリカバリーに効く

とにかく焼けた肌を何とかしたい…紫外線を浴びてしまった肌の時間を巻き戻したい…こんな悩みに答えるような、最新のスキンケアコスメや美容治療はあるのだろうか?

「日焼けをした後に、肌の基底膜が損傷することが最近分かってきたんです。基底膜を保護するコスメが続々と出ているので、ぜひ日焼け後のケアに取り入れてみてください」。基底膜とは、肌の表皮と真皮のつなぎ目にある、たんぱく質でできた膜のこと。基底膜から新しい細胞が生まれて表皮の細胞になっていくので、基底膜にダメージがあると表皮の生まれ変わりが悪くなる。また、表皮と真皮とのくっつきも悪くなり、たるみの一因にもなると先生は指摘する。「基底膜は、自宅でのお手入れに加えてサロンでも本格的にケアできます。真皮層に直接熱刺激を与えるマイクロニードルRF治療​​は、最近特に注目されていますね」

基底膜と幹細胞を接着するタンパク質に着目し、パワフルなハリ感を。また、有効成分がシミのもとに集中アプローチ。ザ セラム ブライトニング (医薬部外品) 40ml ¥7,150/アスタリフト(富士フイルム)

基底膜と幹細胞を接着するタンパク質を強固にすることにより、表皮のハリの再生力が蘇ることを発見し、開発された逸品。カプチュール トータル ル セラム 30ml ¥15,950/パルファン・クリスチャン・ディオール

日焼けダメージからのリカバリーは可能。大人こそ透明感のある肌をキープして

沖縄で生まれ育った友利先生は、幼少期を中心に日焼けをすることが多かった。しかし、さまざまなスキンケアをした結果の今の美肌ぶりは、誰の目で見ても明らか。「私は現在45歳ですが、年々肌がきれいになってきたと思うんです」と、何とも頼もしいお言葉!「『先生、何か魔法の手術でもしているんですか?』と聞かれることもあるのですが(笑)、そんなことはありません。やはり日々のていねいなスキンケアを継続することと、美容医療を定期的に受けていることが肌を変えたのだと思います」

今後、先生が目指していきたい肌とは?「大人になるにつれて肌がくすんだり、紫外線を浴びてシミが濃くなったり、乾燥してきてキメが荒くなったり、基底膜の損傷が怒って肌のターンオーバーが乱れたりと色々なことがあるので、それを一つ一つ解決するようなことをしつつ、透明感のある肌でいられればいいですね。そのためにはきちんとスキンケアで保湿をして、適宜、美容医療に頼ることが大切だと思います。

今年のトレンドであるクワイエット・ラグジュアリーなファッションを楽しむ際にも、肌が清潔感や透明感を持っていることは重要だと思います。そういった肌は、洋服やジュエリーの素材の上質感を引き立ててくれるからです。そして透明感は、肌の色の白さでなく、肌の質感が整っていて、適切に保湿がされていることに関係していると感じています。白い肌にとらわれ過ぎないことも、その人らしいヘルシーな美しさにつながるのではないでしょうか」

話を聞いたのは……

友利新先生

皮膚科・内科医。沖縄県宮古島生まれ。東京女子医科大学卒業。第36回準ミス日本に選出。都内のクリニックに務める一方で、テレビ、雑誌、SNSなどでも活躍中。医師としての視点を活かした、健康や美に関する著書の執筆も行っている。

Photos:Getty Images Text:Kyoko Takahashi Editor:Kyoko Muramatsu