LIFESTYLE / TRAVEL

食、アートからデザインまで。 ザ・リッツ・カールトン福岡の魅力を堪能

福岡市の中心部に位置する商業施設で最も高い福岡大名ガーデンシティ内に2023年6月に誕生した、ザ・ リッツ・カールトン福岡。伝統とモダンが織りなす福岡ならではの、洗練されたリュクスな体験ができる注目ホテルの全貌をレポート。

伝統とモダンが融合する特別な場所

ザ・リッツ・カールトン福岡の外観。

ザ・リッツ・カールトンが待望の九州初上陸を果たし、2023年6月に「ザ・ リッツ・カールトン福岡」をオープンした。歴史、伝統、 食文化に加え、スタートアップの街として知られる成長著しい都市に、ザ・リッツ・カールトンブランドの伝統的なサービスと洗練されたエレガントな体験が提供される。

ザ・リッツ・カールトン福岡は、福岡市の中心部に位置する商業施設で111mという最も高い25階建ての福岡大名ガーデンシティ内にあり、9フロアを占有。高層階から博多湾や志賀島、大濠公園や福岡タワーなど、福岡ならではの景色を見渡すことができる、これまでにない特別な場所として誕生した。

細部まで九州の魅力にこだわった空間

1階のエントランスから入ると、開放的なモダンな和の空間が広がる。

特に注目したいのは、食やアートデザインなど、九州の魅力が一度に楽しめることだ。オーストラリアのメルボルンに拠点を構えるLAYAN Architects + Designersが監修したインテリアデザインとアートは、福岡の伝統工芸である絹織物「博多織」からインスピレーションを受けていて、糸を紡ぎ“織る”という発想でホテル全体を繋ぐ共通したストーリーで形成。地元の職人による器や絵画、織物といった装飾やデザインが、ホテル内に施されている。

1階のアライバルロビーには、無数の糸を立体的に垂らし、水墨画のような情景を表現したアートワークが飾られている。また、1階と18階のエレベーターホールに飾られるのは、悠久の情景を感じさせる月と玄界灘の情景を屏風という伝統的な型式で表現したという、麻殖生素子(まいお もとこ)による作品だ。そのダイナミックなアートは、ずっと眺めてしまうほどユニークで美しい。

18階に飾られている屏風は、天井から吊り上げられている。1階と18階の屏風はひと続きの構図になっていて、空間の連続性を生み出しているそう。

18階のホテルロビーに上がると、枯山水の小庭をモダンに昇華したエントランスが広がり、落ち着いた雰囲気でお出迎え。レセプションにも多くの器やアートが飾られ、洗練された空間を演出している。

数々の古代遺跡が点在している福岡県からインスピレーションを得たというアート。制作は、紙繊維の素材で彫刻や作品を制作している半澤友美が手がけた。

レストラン&バーで九州の“美味しい”を堪能

見晴らしの良い空間が気持ち良い「幻珠」の内観。

福岡といえば、外せないのが、食だろう。ホテル内には4つのレストランと2つのバーがあり、福岡の豊かな食材を生かしたメニューが提供される。本格的な日本料理を味わいたければ、レストラン「幻珠(げんじゅ)」へ。福岡、そして九州の素材をふんだんに使った会席、鮨と鉄板焼が楽しめる。博多織や小石原焼、籃胎漆器など、福岡県の伝統的工芸品とアートが融合した作品が随所に飾られ、たくさんのアートを堪能することができるのも特徴だ。

今回、オーダーした会席「初音」は、ちょうどメニューが秋のものに入れ替わるタイミング。世界有数の漁場である⽞界灘で獲れた新鮮な⿂介類など、九州各地から厳選された食材を取り入れたこだわりのコース。先付から水菓子まで、全8品が有⽥焼や唐津焼を使った器で提供される。

志賀島の天然の車海老を使い、出汁ゼリーとの相性も抜群な先付。

魳 幽庵焼き、枝豆当座煮、むかご、柿なます胡麻和えなどを合わせた焼八寸。

季節のデザートは、熊本産の栗を使った大福。糸島産のシナモンがアクセントに。

食事の前後には、博多湾を行き交う船からインスピレーションを得たという24階に位置するバー「Bay(ベイ) 」へ。テラスからの美しい景色を堪能しながら飲むオリジナルのカクテルは絶品だ。お酒だけでなく、食事も豊富に揃っているのも魅力。炭火焼き料理といった人気の品のほか、9月12日からは、福岡市が誇る新品種の牡蠣「唐泊恵比須かき」を用いた特別メニューの提供もスタートしている。ワインはもちろん、九州の地酒とのペアリングもおすすめだ。

シックな中にクールな煌めきを放つ「Bay」の内観。

テラス席では、博多湾を望みながらドリンクを楽しんで。メニューに載っているもの以外でも、好みのカクテルをアルコールなしでも作ってくれる。

他にも、軽食やドリンクを楽しめる18階にある「The Lobby Lounge & Bar(ザ ロビーラウンジ & バー)」や、アフタヌーンティーなどとともにゆっくりと時間を過ごせるカフェ「Diva(ディーバ)」も。また、18階にあるモダンウエスタンレストラン「Viridis(ヴィリディス)」では「Farm-to-Sky(農場から、空へ)」をコンセプトに、九州産食材をふんだんに使ったメニューを展開している。

「The Bar」に施された2色のパーテーションは、福岡の「西村織物」が手がけるもの。生地には、博多織の伝統的な献上柄のモチーフ「独鈷」が配置されている。

洗練されたミニマルな和モダン

19階から23階には、全室50平米以上の広さの147室のゲストルームと20室のスイートを備える。24階にはクラブラウンジのほか、スパ、ジム、プールも完備しているので、滞在中にリフレッシュしたいときにも是非、利用したい。

1日過ごしたくなるような、開放感のあるプール。

50平米の客室は全部で9タイプ。福岡の街並みを見渡す「福岡スカイライン」、大濠公園を正面に望む「パークビュー」、博多湾とその先に広がる能古島や海の中道の眺望が美しい「ベイビュー」から選ぶことができる。

「クラブデラックスダブル 福岡スカイライン」ルーム。

リュクスを体験できるスイートルームにも注目したい。132㎡のプレジデンシャルスイートと、188㎡のザ・リッツ・カールトン スイートには、ダイニングルームとサービスキッチンが備わっているので、自分だけのゆっくりとした時間も過ごせそうだ。また、ヘリンボーン模様のフローリングや博多織の引き戸が設けられ、「織」を表現するためのさまざまな工夫が丁寧になされている。

博多湾が一望できる「ザ・リッツ・カールトン スイート」のバスルーム。

さらに、ウェディングチャペルと宴会場も備え、挙式も可能なザ・リッツ・カールトン福岡。今まで知らなかった新しい福岡の魅力を感じる、唯一無二の伝統とラグジュアリーな体験をしてみては?

ザ・リッツ・カールトン福岡
福岡県福岡市中央区大名2-6-50 福岡大名ガーデンシティ
Tel./092-401-8888
www.ritzcarlton.com/ja/hotels/fukrz-the-ritz-carlton-fukuoka/overview/

Text: Kurumi Fukutsu