伝記映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』でボブ・ディランを演じたティモシー・シャラメは、劇中40曲もの生歌を披露しているという。「彼は映画の中で40曲演奏しました。ギターやハーモニカに乗せて、何度も何度も生歌を披露しています」とプロデューサーのフレッド・バーガーが、『エンターテイメント・ウィークリー』のインタビューで明かした。ティモシーは「生で歌い、演奏することが僕にとって重要でした。実演できるのに技術加工する必要なんてありますか?思い切って演奏したことを誇らしく思います」
イライジャ・ウォルドの著書『Dylan Goes Electric(原題)』を原作にジェームズ・マンゴールド監督が映画化した『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』は、1960年代初頭のニューヨークの音楽シーンが舞台。ミネソタ出身の19歳の無名ミュージシャン、ボブ・ディランが、フォーク・シンガーとしてコンサートホールやチャートの寵児となり、彼の歌と神秘性が世界的なセンセーションを巻き起こし、1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルでの画期的なエレクトリック・ロックンロール・パフォーマンスで頂点を極めるまでを描く。
同作には、若きボブ・ディランが憧れたウディ・ガスリー(スクート・マクネイリー)や師と仰いだピート・シーガー、友人のジョニー・キャッシュら、当時活躍したミュージシャンも数多く登場する。ティモシーは、ジョニーを演じたボイド・ホルブルックをこう称賛する。「ボイドは、自分のものにしていた。ジョニー・キャッシュそのもの、真の姿だったけれど、それでいて彼自身のエネルギーを加えていた」
ピートを演じたエドワード・ノートンも、自ら演奏したようだ。「音楽を学び、演奏すること自体が僕にとって大きな魅力でした」と語っている。サウンドミキサーのトッド・A・メイトランドは、「本作では100%生音声を撮影しました。イヤピースやタイミング調整など、一切使用していません」と断言する。本作では、当時使用されていた本物のマイクや楽器を用い、当時を完全に再現したそうだ。
Text: Tae Terai
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