カリフォルニア州ロサンゼルス:夢の街、ストライキの街、そして永遠の、必然の、避けられない、ウェルネスの街。私は2017年、オーガニックジュースバーの「ムーン ジュース」ブームが頂点に達した頃、この地で駆け出しの記者として働き始めた。それ以来、L.A.の“健康文化”の奇妙さについて注目してきたが、2018年にニューヨークへ旅立ち、私は純粋に、もう永久にL.A.に戻ってくることはないだろうと思っていた。研ぎ澄まされたバレリーナクラスの美女たちがいる街で、24歳の私は汚れ役だった。私は自分自身に、「L.A.タイプではない」と言い聞かせていたから。
前にロサンゼルスに住んでいたときは、ウェルネス・マニアの高揚に巻き込まれることはなかったかもしれないが、5年経った今、私はずっと幸せで安定しているし、瞑想もしている。とはいえ、以前経験した不安はまだ解消されてはいないし、10代にできたニキビ跡はほとんど残っている。それでも今の私は、輝く肌になれるとうたうさまざまな美容液やミストに必要以上にお金を費やすなど、十分に肌をヘアしてきた。そんななか、TikTokでヘイリー・ビーバーが飲んでいる「ストロベリー・スキン・グレイズ・スムージー」を知ることに。彼女の美の秘訣だとしたら、一体どんな味、そして効果を得られるのだろうか?
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もし1日1杯の「ストロベリー・グレイズ・スキン・スムージー」で本当に肌がツヤツヤになるのなら試す価値あり、そう思い立ち、1週間続けてみることにした。それでは早速、私の1週間の「スキン・グレイズ・スムージー」生活についてレポートしよう。
Day 1:7月24日(月)
私はクリスマスの朝の子のような気分でErewhonに足を踏み入れた。最初のひと口を飲む前から、日焼け止めとエブリデイ・オイル(EVERYDAY OIL)でスキンケアしたおかげで肌の調子はいいけれど、「ストロベリー・グレイズ・スキン・スムージー」はアニメの魔法の薬みたいに即効性があるんでしょ?
ひと口、飲んでみる。う〜ん、おいしいチョークみたい。インターネットによると色は鮮やかなピンクのはずだが、実際には色あせたベージュ。吐き気をもよおす健康サプリメントに比べれば美味だが、映画館で大きなポップコーンを丸ごと1箱たいらげるほど大食漢の私でさえ、全部を飲みきることはできなかった。地元の市民プールで泳ぐ前に、スムージーの残り半分をパートナーに渡した。ヘイリーはレシピを間違って売り出してしまったのだろうか? これが本当にスポーツドリンクなのだろうか?
夜、ベッドに入るとき、パートナーが眠そうに「肌がきれいだね」と言った。彼はただ純粋に私の肌がきれいだと思い、促されることなく私にそう言ったのだ。掲示板に高評価をつけなくては!
Day 3:7月26日(水)
そして3日目、私は自分の肌の調子がなんとなく悪くなっていると確信した。唇の上にかろうじて見えるだろうか? 新しくニキビができてイライラしたので、スムージーの原材料をググってみた。アーモンドミルク、ストロベリー、バニラコラーゲン、ヒアルロン酸、ココナッツクリーム、シーモスジェル、アボカド、メープルシロップ、デーツ、自家製ストロベリーグレーズ。安全性には問題ないよう。今日はただ単に肌のご機嫌が悪いだけなのかもしれないが、さすがに3日目となるとスムージーの味に飽きてきた。Erewhonにはほかにも欲しいものがたくさんあるのに、これだけを買い続けるなんて!
Day 4:7月26日(木)
この日、スポーツブラにバイカーショーツという出で立ちでErewhonに出向いたところ、従業員ではなく、カウンターで私の周りに立っていた痩せた人たちから批判的と思える視線を浴びた。ロサンゼルスでデブ恐怖症を永久に回避するのはかなり難しい。私は普段、その種の恐怖症に悩まされることはないのだが、今日はちょっと落ち込んだ。しかし、私を元気にしてくれたのは、かなり長い時間をかけて撮影した勝利のセルフィーの取れ高を吟味しているとき、私の頬がまるでりんごのようにヘルシーに光沢を放っていることに気づいた瞬間だった。
ああ、味も戻ってきた! あるいは、ロサンゼルス(世界中あちこちが!)はとても暑いので、氷の入っていないものを食べたり飲んだりすることが想像できないというのが理由かも。最近は料理をするのが億劫で、毎日何も考えずに同じものを飲むのは楽でちょっといい。友人のソフィーが、メープルシロップ抜きにしたらどうかと勧めてくれた。このスムージーは本当に甘すぎるし、味のためには間違いなく彼女の言うとおりだが、ジャーナリズムの客観性のためにはレシピを変えてはいけないような気がした。
Day 5:7月27日(金)
Erewhonでスムージーを作ってくれる素敵な女性スタッフは、氷水を無料でコップ一杯くれるし、待っている間に高級な日焼け止めのテスターも塗れる。パシフィック・コースト・ハイウェイを走りながら、映画『バービー』のサウンドトラックを聴きながらスムージーを飲むという壮大なビジョンを描いていたのだが、スムージーを車のカップホルダーに長く置いたままにしていたら、サンタモニカを出る前に太陽に温められ、ぬるま湯のような不潔な温度になってしまった。日光に当たると海苔のジェルはどうなるのだろうと思いながら、無理やり数口飲み、残りは捨ててしまった。
私の顎にできた赤い引っかき傷について解説。エコー・パークでかわいい猫と遊んでいたのだが、必死で抱っこしてもらおうとしたのか、誤って私の顔をひっかいてしまったのだ。スムージーに含まれるコラーゲンが、この傷を目立たなくしてくれないかな!?
Day7:7月29日(日)
さて、どんな魔法が働いているのか分からないが、私の肌はここ数週間、いや数カ月で一番いい感じだ。先週の今頃よりも肌に透明感があるのが見てとれた。この肌の輝きは、なんと20代前半のときのような深酒とピザでも失われなかったのだ!
というのが、6日目の晩はかなり夜更かししてしまったのだ。もう30歳だというのに、午前4時になってもまだダンスフロアに。朝、Erewhonに寄ってから、オーガニックの食料品店では買いきれないほどのカフェインと化学物質が必要だと判断し、タコスレストランに不時着。ケサディーヤとタマーレ、そして食用色素でドジャーブルーに染められたコールドブリュー・ホルチャータのラージサイズを注文した。
一晩中まるで子どものようにはしゃいで、フルーティーなカクテルをたくさん飲み、早朝に酔っぱらってピザを食べ、ほとんど徹夜状態で7日目を迎えた、それなのに......。この日、私が二日酔いして自撮りした写真を見ての通り、友だちから褒められるほど私の肌はとても輝いて艶やかだったのだ。
このドリンクを飲み続けるのは1週間が限界だし、コーヒーにコラーゲンサプリメントを入れたり、スキンケアにヒアルロン酸を入れたりするだけでも、同じような肌の輝きを手に入れることができるだろう。液体に1日20ドルも費やすのはバカバカしいが、認めよう。「ストロベリー・グレイズ・スキン・スムージー」を毎日続けることがどんなに素晴らしいことか! それにしてもErewhonの列に並んでいる人たちって、どうしてあんなに意地悪なの? 君の人生は完璧だ!
Text: Emma Specter
from VOGUE US