『Eclipsed』などの舞台の主演を務め、ブロードウェイでも活躍するオスカー俳優のルピタ・ニョンゴ。6月11日(現地時間)、トニー賞のレッドカーペットに登場した彼女は、毎年恒例の授賞式で見られるようなイブニングウェアではなく、より大胆なステートメントファッションに身を包んでいた。
真っ先に視線を奪ったのは、一見すると上半身裸とも見えるシルバーのブレストプレート。これはパキスタンのデザイナー、ミーシャ ジャパンワラ(MISHA JAPANWALA)によるもので、ニョンゴ自身の体を模って作られたという。彼女はこの芸術作品を洗練された黒のスーツに合わせ、仕上げにデビアス(DE BEERS)のジュエリーを添えてコーデを完成させた。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
ニョンゴがこの芸術的な作品を纏った理由は、インパクトのある見た目だけでなく、その背後にある深い意味にもある。これを身につけた時の感覚について彼女は、「そこに一切の恥はなく、体外離脱したような体験だった」とインスタグラムに投稿。“男性のまなざし(視覚芸術に使われる概念のひとつ。女性が男性の欲望対象として描かれるといった、権力構造に注目した表現)”をコンセプトに掲げ、女性の身体美を称える彫刻の数々を生み出しているジャパンワラについて、さらにこう綴った。
「彼女の作品は、私たちの身体についてまわる“外的恥”を拒絶すること、そしてそれを解体することに根ざしています。そういった外的恥への抵抗と、人体そのものの祝福、そして自分の身体とともに自由であること許す行為として、彼女は人体のリアルな記録を残しています。ミーシャ、この特別な機会をありがとう」
ただ“見せる”だけではなく、深いメッセージ性に富んだこの“着る彫刻”は、この夜の最も独創的なルックとなったことは間違いない。
Text: Christian Allaire Adaptation: Motoko Fujita
From VOGUE.COM
