ドラマティックなロケ場所に負けないドレス
撮影の舞台になったのはパリの街。アイコニックなランドマークに負けないドレスとは? ロケーション映えするドレス選びを、仙波レナさんが振り返る。
「パリの街に映えるなと思ってまず選んだのがヴェラ・ウォン(VERA WANG)のベージュ&イエローのドレスでした。長年ウエディングの撮影を経験して、やはりヴェラのドレスは本当に一歩先を行くものだと感じます。ブラックという色をいち早くウエディングに取り入れ、大胆な肌見せもヴェラが流行らせたもの。ファッションの要素が強いのに、いかにもウエディングらしい王道なクラシック感もあるのが本当にすごいな、と感心します。上の写真のドレスも、ベージュとイエローの組み合わせが最高にモダン。ウエディングドレスを探している人には、一度はヴェラ・ウォンを見てほしいですね」
「こちらはオスカー・デ・ラ・レンタ(OSCAR DE LA RENTA)のドレスでした。大胆に足をのぞかせるドラマティックなスカートにブラックのエレメント。今でこそ前が短くて後ろが長い、というデザインは豊富にあるけれど、実はこの撮影当時は珍しいものでした。ウエディングドレスの世界って、本当に毎年のように進化しているのだなと感じますね。ホワイトとブラックの配色は、エッジが効いているのにどこかクラシック。フォルムがしっかりあるドレスは、ランドマークにも合います」
これぞ、デザイナーズドレス
「フェザーとチュールのモダンなドレスは、撮影当時(2019年)のヴァレンティノ(VALENTINO)のプレタポルテのドレスです。グレーベージュの絶妙な色合いと、異素材のミックス。ウエディングドレスになかなかないのですが、ヴェールを合わせても映える色です」
ビッグドレスではないけれど……
シアーな美しさに重ねた、ほんのりピンクの可憐なプリント。「決してビッグドレスではないし、むしろコンパクトで普段着のようなドレスなのですが、とても写真映えする一着です。シアーな素材と、ポーズも映える軽やかさ。ロケーションフォトだと、こういうところにちょっと乗れたりするのって特別感も出ますよね。多くのウエディングドレスのようなしっかりした素材のドレスではできませんから(笑)。でも、ロケーション撮影ってポージングの大胆さが本当に大切なんです」
この写真映えは、桂由美先生ならでは!
艶やかなビジュー刺繍は、まるで1920年代に生きたミューズのドレスのよう。「ドレスもヘッドピースもブレスレットも、すべて桂由美先生の作品です。ビジューの強さ、そしてそれらがすべてセットになっている強さがある。舞台衣装を思わせるゴージャスなドレスは、こういった『寄り』の写真をひときわ華やかに見せてくれます」