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ヨウジヤマモト、変化と新しさを追い求めて。ブラック&レッドに込めた軽やかな美【2025年春夏 パリコレクション】

9月27日(現地時間)に開催されたヨウジヤマモトYOHJI YAMAMOTO)の2025年春夏コレクション。あえて「子供のように」「素人っぽく」作ることも試みたという山本耀司は、黒と赤に絞った計43ルックを発表した。

9月27日(現地時間)に開催されたヨウジヤマモトYOHJI YAMAMOTO)のショーの招待状は黒の透ける素材の封筒に入っていた。切り裂かれたシルバーの紙が、黒の台紙に貼ってある。

いつものパリ市庁舎にたどり着くと、会場となる部屋にはグランドピアノが設置してあった。やがてロシア出身のピアニストのパヴェル・コレスニコフが登場。モデルが姿を現すとクラシックを奏で始めた。

ファーストルックは招待状が入っていた封筒を思いおこさせる、透ける素材が用いられていた。ところどころから赤い紐が垂れ下がり、ペイントが施されたレギンスを合わせている。その後も透ける素材が多用され、カットアウトやレース使いによって肌が見え隠れする。

生地を大雑把に結んだり、ランダムなピースをラフに縫い付けたように見えるルックも。

ピアノは日本の歌謡曲や演歌なども交えながら5曲を演奏。最後はデザイナーの山本耀司が歌うレナード・コーエンの『You want it darker』が流れ、フィナーレは5体のオールレッドのルックで締めくくった。

今季、山本は軽やかさを追求したという。素材使いはもちろん、足もとのトングサンダルや短めの丈が多かったのもそのせいなのかもしれない。裾にボーンが入っていて、歩くたびに上下するルックもあった。

また、あえて「子供のように」「素人っぽく」作ることも試みた。ただ、そうした態度で臨んだとしても、アシンメトリーな中に不思議なバランスが存在している。微調整を重ね、美が生まれる瞬間を探ったに違いない。

世界中から「マエストロ」と呼ばれる域に達している山本だが、いつもショーの最後の挨拶で、拍手喝采に対して「そんなに大したものではない」といった素振りを見せるように、尊大に構えるつもりはそうそうないようだ。まだまだ変化と新しさを求め続けたい、という意欲を感じたのだった。