プロの手を借りつつ、素肌の特性を見極めて
スキンケアは、ひとりで完結するものにあらず。美容皮膚科の敷居が低くなり、プロに肌を委ねたいと考える人が増えてきているのは、日本も韓国も同様だ。「性別を問わずクリニックの門を叩く人が後をたたないのは、韓国ドラマやK-POPの影響が確実にあります。数カ月に1回など通う周期を決めてプロに肌をメンテしてもらい、それ以外はホームケアでその状態をキープするように努める。美容室と同じ感覚ですね」そう語るのは美容ジャーナリストの永富千晴さん。では、今私たちが目指すべき肌とは? 「韓流スターたちのように均一な美肌にきっとみんながなりたいと思っている。でも、そこへ行き着く道は決してひとつではないんです。なぜなら肌悩みは人によってさまざまだから」(永富さん)
毛穴、角質、赤み、シミやシワなど、目的を定めてピンポイントで対処していくことが、均一でなめらかな、透明感のある素肌への道筋となる。そんななかでトレンドと感じるのが「睡眠美容」だと永富さんは話す。「肌の修復や再生が行われる睡眠中の時間を、さらに有意義なものにするスキンケアが今年は多く見られました。リポソーム技術を使ったものや、ハーブの特性を活かしたもの、遺伝子に着目したものなどです」
また、マスク生活による肌荒れが増えているなか、敏感肌ケアにも一層注目が高まる。韓国で美容家として、またさまざまな美容ブランドのコンサルタントなどを行うヒョンジョン・ピさんはこう分析する。「韓国でも、シカ(ツボクサエキス)やドクダミ、パンテノールなど、鎮静系の成分を配合した敏感肌向けのスキンケアがトレンドです。一方で、非敏感肌の方には、シンプルに効果がわかる高機能スキンケアが人気。支持が厚いのはターンオーバーを促すレチノールで、ビタミンCやナイアシンアミドが続きます」。自分の肌の「現在地」と「理想像」を見極めることが重要といえそうだ。
話を聞いたのは……
永富千晴
美容ジャーナリスト。メディアでの連載やトークショー、企画監修など、さまざまな角度から美容を発信。カルチャーや海外事情にも精通し、時代のムードを読み取る手腕には定評が。会員制ビューティーコミュニティ「club C.」主宰。
HYUNJEONG PI
ビューティクリエイター、ディレクター。「ディレクターパイ」と呼ばれ、美容系動画企画制作のほか、数々の化粧品プロデュースも手がける。豊富な知識による成分解説や率直なコスメ評価に信頼が集まり、SNSフォロワー数は90万を超える。
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Text: AYANA Coordination: Shinhae Song Editor: Yu Soga
※『VOGUE JAPAN』2022年12月号「アジアのビューティーアイコンが教えてくれること」転載記事。

