ファンデーションをつけすぎないための、丁寧なスキンケアとコントアリングが鍵。
韓国エンタメの人気とともに目が離せないのが、韓国俳優やアイドルの肌の美しさという人も多いのでは? 今回、TWICEをはじめとした韓国アイドルや俳優のメイクアップ・アーティストとして引っ張りだこのWON JUNGYOさんに、韓国風の美肌に仕立てるテクニックを教えてもらった。まず、ファンデーションを使う前からベースメイクは始まっているという。
「ファンデーションを肌にきちんと密着させ、時間が経ってから浮いたり、ヨレたりしないようにするためには、最初のスキンケアがとても重要です。 スキンケアの段階でしっかりと肌に押し込むように吸収させ、肌のキメを整えていきます。そして、できるだけ摩擦を避けながら日焼け止めクリームを塗った後、肌の状態に応じてカラーコントロール効果のあるトーンアップベースで肌の色味を調整していきます。 ここまでの過程を丁寧に行なってこそ、ファンデーションが厚ぼったくならず、まるで元々肌がキレイな人のように演出することができるんです」
また、ファンデーションは一度にたくさん使わないこともポイントだという。「少量を何度もレイヤードさせて塗ると、しっかりして定着するし、持ちの良さも格段にアップ、結果美しい肌に直結します。肌のタイプにあったファンデーションの種類をよく選択することも重要です。よく使うのは、SUQQU(スック)のヌード系ファンデーション。しっとりしていて自然なのにカバー力もあり、乾燥が気になる肌にもぴったり。ほかにはアルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)のラスティングシルクファンデーションやランコム(LANCÔME)のタンイドルも、カバー力と質感がほど良くて仕事の現場で愛用しています」
そして、WONさんは韓国アイドルのベースメイクを完成させるうえで最も大切にしている工程がコントアリングだと語る。「まずやや明るめのコンシーラーを、明るく見せたい部位(頬骨の高いところ、鼻柱、額、あご)に軽く置いてなじませ、そこにシマーなハイライトをうっすらと重ねます。さらに、影になる部分には練りタイプのシェーディングを使うのですが、その前にシェーディングをのせたい部分に軽くパウダーを仕込みます。このひと手間を加えることでシェーディングが肌の上で固まることなく、均一にのせることができるんです。シェーディングはその人の肌トーンより暗すぎる色を選ぶと、悪目立ちしてしまう場合も。肌色よりも半トーン程度落としたカラーを選んで、よりナチュラルかつ立体感のある顔立ちに仕上げていきます。私が普段愛用しているのはディオール バックステージ フェイスグロウパレット 001です。唐突感なく肌に溶け込みながら、上質な立体感を表現できるんです」
「アイドルたちの仕事の現場では強い照明を使うことが多いので、アイメイクなども含めたメイク全体を引き立たせる、ブライトで華やかな肌トーンを重視しています。鍵はスキンケアの段階で十分に保湿力のある製品をチョイスし、もっちりとしたうるおいの膜をラッピングさせること。脂性肌の場合はサラッとした仕上がりが必須なので、メイクが終わったあとは全体にフィクサーミストをかけ、パウダーを含んだパフでオイリーになりがちなゾーンを軽くパッティングします」
この秋は、いつものベースメイクにちょっぴり技をプラスして、韓国アイドル級のむきたまごのような美肌メイクに挑戦してみたい!
話を聞いたのは……
WON JUNGYO
メイクアップ・アーティスト。TWICEをはじめ韓国アイドルのメイクを数多く手がけ、“涙袋メイク”をヒットさせた立役者としても知られる。自身がプロデュースしたコスメも話題沸騰中。


Text: Yu Soga
※『VOGUE JAPAN』2022年10月号「バーチャル級な肌の仕立て方」派生記事。