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ダサいといわれていた“マレットヘア”が、セレブたちに支持される理由とは。【セレブ美容探偵】

ダサい髪型の代名詞、マレットヘア。シャギーを大量に入れ、ショートヘア風だけれど襟足部分のみ長めに残したこの髪型が、なぜかセレブたちの中でブームに。そんなマレットヘアの不思議な魅力を、セレブウォッチャー・さかいもゆるが考察。

デヴィッド・ボウイはさまになるが、この髪型「マレットヘア」だけを抜粋するとたしかに難しそう。 Photo: Michael Ochs Archives/Getty Images

マレットヘアをご存知だろうか。70年代から80年代に欧米で大流行したこのヘアスタイルは、全体的にシャギーを入れ、フロントはショートヘア、だけどバックスタイルは襟足のみをチョロっと長めに残した、個性的なシルエットが特徴だ。一説には、70年代初頭にデヴィッド・ボウイが取り入れたのがブームの始まりだったとも言われている。日本人で挙げるならば、ゴルフのジャンボ尾崎や歌手のムッシュかまやつさんが、わかりやすいアイコンかもしれない。

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アクが強いせいか、「世界で最もダサい髪型」とまで言われるこのマレットヘア。それなのになぜかハリウッドでは、定期的にブームが訪れている様子。最近だと、マイリー・サイラスデミ・ロヴァートがマレットヘアにチェンジして話題になったばかり。ちょっと前ならば、リアーナスカーレット・ヨハンソンもマレット風のショートヘアにしていた時期があるし、一世を風靡したダイアナ元妃のダイアナカットも、実はマレットヘアの変形バージョン。そしてセレブではないけれど、2019年にはなんと、マレットヘアを愛する者たちが集まるマレットヘアの祭典なるものがオーストラリアで開催されたという。恐るべし、マレットヘア人気!

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ダサいと長らく不評だった髪型が、なぜそんなにも人々を惹きつけるのか? マレットヘアにはくさやの干物のような、クセがあるからこそ病み付きになる魅力があるのだ。まず、マイリーやデミに関して言えば、マレットヘアにすることで、簡単に80年代や90年代風(マレットは90年代にも流行っている)のバイブスを纏えるから、という理由が大きそう。現在のトレンドは90年代テイストだし、彼女たちがその当時のファッションやカルチャーを愛しているのは一目瞭然である。

ベルベットのテーラードを含め、グラムなムードのデミ・ロヴァート。 Photo: Emma McIntyre/Getty Images for iHeartMedia

そしてインパクト充分なヘアなので、キャラを出して目立ちたい、皆の印象に残りたい、という人にはうってつけだという一面も。さらに、一歩間違うとダサくなるリスクを孕んでいるからこそ、おしゃれの腕が試される。だからおしゃれに自信があるリアーナやマイリーが挑みたくなる、なんて理由もあるのかも。2019年11月に、母親に切ってもらってマレットヘアにチェンジしたというマイリーは、先日、さらに全体を短くカットしウェーブをつけ、ダイアナ元妃を彷彿とさせるマレットヘアにアレンジしたばかり。こんなに長くマレットを維持しているというのは、マレットは意外と応用が効く髪型という証拠?

私自身はマレットに挑戦する勇気はないけど、以前も書いたように久々にレイヤーを入れたウルフカットに変えたばかり。もしかしたら、そんなところにもマレットヘアのリバイバルの影響が出ていたりして……?!

Text: Moyuru Sakai Editor: Toru Mitani