BEAUTY / EXPERT

多忙な仕事で繰り返す肌荒れを今年こそ治したい【美肌研究家ソンミが解決、あなたの肌悩み /仕事肌荒れ編】

“美肌は最高のジュエリー”をモットーに美しい肌をとことん追求し、美肌研究家としてSNSで熱狂的な支持を集めるソンミさん。今回は“多忙による肌荒れ”をテーマに、逆転スキンケアを聞いた。
パク・ソンミ

”仕事が忙しく、最近は徹夜続き。顎まわりに吹き出物が出てTゾーンはベタつくのに、頬や額は乾燥ぎみ。そんなボロボロの肌を今年こそはリセットしたいです。どうしたら調子が上向きになりますか?”

──そもそも、なぜ1月は肌荒れしやすいの?

KENJI_KAGAWA

本格的な寒さと乾燥に、年末進行のスケジュールとお休み突入で不規則になりがちなライフスタイル。「今の時季の肌荒れには、いろいろな原因があります」と、ソンミさんは話す。「仕事のストレス睡眠不足、会食などによる食生活の乱れ……そして実は、夏のスキンケアを怠ったツケが回ってきやすいのが冬なんです。ターンオーバーが乱れたり、夏に浴びた紫外線のダメージが出てきたりしやすいので、丁寧な保水ケアが必要に」

──ボロボロ肌のスキンケアで、まず重視すべきはどんなこと?

Conceptual shot of Acne and problem skin on female face.Boyloso

肌の表面はベタつくものの、内側は乾燥してプツプツと吹き出物が。手がつけられないと感じる状態から持ち直すために、気をつけるべきはどういったことなのだろう。「“ベタつくのに乾燥する”という人は、私がSNSでお悩み相談を受ける中でも本当に多いです。そして意外にも、肌の水分が足りていない人が多数。例えば『乾燥するから』と、化粧水のステップを省いてオイルクリームを厚めに塗っていませんか? 肌を構成する70%は水分なのだから、まずは化粧水を補わないと! 水分を省いてオイルをつければ、表面だけがテカテカするのは当然です。そんなふうに、ご自身の中で“保湿”の概念がずれていないか、まずは見直してみてください」

ヨーロッパなど、欧米諸国では化粧水を使わない人も多いと聞くけれど……。「欧米人とアジア人では肌質が違うし、目指す肌も異なるんです。例えば西洋人の肌は柔らかくてたるみやすいのが特徴。だから、水分を補うよりもピンとしたハリ感を出すために、セラムでのケアが重視されます。一方でアジア人の肌はもともとみずみずしく、なりたい肌としても内側からの弾力感を求める人が多数。そんなときには、やはり化粧水で水分を行きわたらせることが重要です。水分7、油分3くらいの比率を意識してケアしていくとよいでしょう」

──徹夜続きのスケジュールは変えられないけれど、その中でも美肌のためにできることはありますか?

Sleepy girl trying to hide under the pillow.Boy_Anupong

「ステップ数を増やさず、いつものスキンケアを見直すだけでも肌は変わりますよ」と、ソンミさん。「私が特に重視しているのは、クレンジングや洗顔などの“落とすケア”。おすすめはジェルクレンジングをたっぷり使って丁寧にメイクを落とすことです。洗浄力が弱めで、水をはじいてしまうクリームタイプや毛穴に残りやすいオイルタイプに比べて、どんな肌質の人にも合う。うるおいを残しながら洗えて摩擦が少なく、汚れも吸着しやすいので気に入っています。ポイントは、たっぷり使うこと。ブランドが推奨している十分な量を使うと肝に銘じてください」

さらに教えてくれたのが、多忙な時期の食事について。「忙しかったり会食が続いたりすると、ストレスなどから自律神経が乱れたり、食べるものが脂質や炭水化物に偏りがち。肌を構成するたんぱく質の中でもマグロやカツオなどの赤身魚は、リラックスホルモンの分泌を促すアミノ酸の一種であるトリプトファンを豊富に含むので、肌のためにぜひ意識して摂ってみて。時間がないときは調理せずお刺身でも食べられるので、取り入れやすいですよ。ほかにバナナや卵、大豆製品、乳製品にもトリプトファンは多く含まれるので、ぜひ参考に」

──週末時間があるときにおすすめなスキンケア法は?

day timeK-Angle

「アイテム数より、アイテムの質と使い方が大事」とソンミさんはきっぱり。「お金をかけるのではなく手間をかけることで肌は変わるので、ぜひいつものスキンケアを見直す時間に充ててみてください。基本はクレンジングと洗顔で汚れを優しくしっかり落とし、化粧水で保水。そして、肌の水分が逃げないように、クリームでフタを。美容液は、必要と感じるなら補うくらいの意識で大丈夫。まずは基礎をしっかり丁寧に行って」

ソンミさんいわく、スキンケアの非常に重要なステップである化粧水。塗布する際は「手のひらが肌に吸いつくまで、を基準に何度か塗ること。私の場合、夏であれば2〜3回、冬なら3〜4回は必要です」。選ぶアイテムの成分については、「肌荒れしているなら鎮静効果のあるシカ成分入りを選んでOK。気をつけたいのが、ビタミンCです。高濃度であればあるほど乾燥しますし、開封後は酸化しやすいので、古いものを使うとかえってニキビやくすみの原因になることも……。フレッシュなうちに使いきれる自信のある人以外は使用しないほうが賢明かも」とのこと。なりたい肌と自分の性格を考え、覚悟をもって取り入れよう。

── 年始の美容始めで美容医療やサロンの施術を受けるとしたら、何がおすすめ?
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年始の事始めに受けたいビューティーの施術を、ソンミさんに聞いてみた。「疲労回復効果のある高濃度のビタミンC点滴はおすすめです。お酒を飲む人はアルコールの分解にも役立ちますし、肌の透明感も出ていいことばかり。また夏のダメージが拭切れていない、シミのお悩みがある人は、冬こそぜひトーニングを。スキンケアで予防はできても100%の改善は難しいので、冬に時間のあるタイミングで受けておくとよいでしょう。酵素浴やよもぎ蒸しなどの体を温める施術も、この季節のおやすみには癒されますし、肌にもよい影響が期待できますよ」

忙しい合間でもできる丁寧なケアで、今年こそ肌の生まれ変わりを図ってみてはいかが?

話を聞いたのは……
パク・ソンミ
美肌研究家。美容全般を発信する“美容家”ではなく、美しい肌に特化して発信を続けて人気に。栄養学への造詣が深く、自身で実践する美肌のための食生活やライフスタイルも注目を集める。自らで使いつづけたいと思うスキンケアアイテムのみを展開する「ミース」をはじめ、食を通して美しさを目指す「アンドミール」、ビタミンAを含む独自開発原料を配合した「クレイビュ」など、パーフェクトスキンのためのブランドを多数主宰。Instagram: @sonchan0111

Photos: Getty Images Interview & Text: Misaki Yamashita Editor: Kyoko Muramatsu