寒い冬から暖かくなる春への変わり目は、肌トラブルを引き起こす人が多く、皮膚科に駆け込む人が増える時期。「春先は気温が上がるわりに湿度が低いままなので、皮膚がその変化に追いつかず肌荒れしやすくなります。さらにコロナ禍のマスク着用による乾燥や摩擦も不調の原因に」と教えてくれたのは、ウォブクリニック中目黒の総院長、高瀬聡子先生。「花粉症も目のかゆみや鼻水など粘膜症状にとどまらず、赤みやひりつきなど皮膚炎をともなう症状がここ数年で増加しています」。赤みやひりつき、かゆみ、そしてカサつきなど急に現れるこれらの症状は、外的刺激によるバリア機能の低下が要因。タフな肌に立て直すには、肌内部の炎症を鎮静させて、バリア機能を回復させるケアにシフトする必要がある。
「バリア機能には外的刺激や紫外線をブロックして守る役割と同時に、肌の潤いを保持する役割があります。水分を抱え込んで逃さない細胞間脂質、NMF(天然保湿因子)や、皮脂膜を強化することが大切」。トラブルを寄せつけない強く健康な肌は、潤いのもとになる水分と、それをキープする油分のバランスがいい状態といえる。スキンケアにおいては、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなど保湿成分が含まれるアイテムを選ぶことが重要。「水分と油分をきちんと与えて水分保持能力を高める保湿ケアを徹底して。肌が刺激を感じるアイテムは避け、化粧水は肌に穏やかに作用する敏感肌用がおすすめ。乳液やクリームなどオイルリッチなアイテムで皮脂膜を強化するケアもお忘れなく」
潤い不足でバリア機能が十分に働かなくなると、肌は外的刺激を受けてより乾燥して荒れやすい状態に。「バリア機能をアップするために欠かせないのが保湿。潤いを逃さずキープするケアこそが、健やかで強い肌をキープする鍵です」。乾燥や肌荒れを回避したいときは、基本のお手入れのほかシートマスクなど、効率よく肌を保湿するスペシャルケアアイテムが重宝。バリア機能が低下する古い角質を除去するケアも、肌に負担のない低刺激タイプを選ぶことで定期的に行いたいスペシャルケアだ。また予想できない肌荒れのために、集中ケアで刺激に負けないよう肌を整えるケアも必要に応じて取り入れて。「かゆみや赤みがひどい場合は、化粧品に頼らず皮膚科を受診しましょう」
肌の上には、美肌菌と呼ばれ肌に良い働きをする善玉菌と、肌トラブルを引き起こす要因になる悪玉菌、そして条件次第で良くも悪くもなる日和見菌という主に3種類の皮膚常在菌が存在している。「この皮膚常在菌のバランスが取れていることが、健全な肌を保つためには重要。水分保持能力のあるバリア機能とは別に、バランスを取ることで外的刺激から肌を守る役割を担っています」。免疫力が下がると肌が荒れやすい人は、皮膚常在菌のバランスが崩れている可能性が。常在菌のバランスを整える微生物、プレバイオティクスなどに着目した菌活スキンケアも、対策の一つとして考えられる。
「紫外線を浴びると、肌は自らを守るために角質を厚くしてブロックしようとします。厚みを増した肌は潤いが浸透しにくくなるうえ、乾燥しやすくなり保湿能力もダウン。さらにターンオーバーも乱れ、炎症を発生しやすくなるなど、いいことは一切ありません」。バリア機能を守るためには保湿ケアとともに、UVケアも必須というわけだ。肌への刺激に不安を感じている人は、UVカット成分を要チェック。「カサつきや肌荒れが気になるときはノンケミカル処方を選ぶなど、肌への刺激や優しさ重視でセレクトして」
話を聞いたのは……
高瀬聡子
皮膚科医。ウォブクリニック中目黒総院長。ドクターズコスメブランド、アンプルールの開発ディレクターも務める。丁寧で的確なカウンセリングにより美容医療は多くの人から支持され、美容法を解説する著書も多数。
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Editor: Manami Ren, Rieko Kosai
