どんなに素敵なウェアで装っても、歩き方が伴わないと全体が残念な印象に。ピラティストレーナーの千葉絵美さんいわく「立つときも歩くときも、ひざを伸ばしきることを意識して。片足を前についたら後ろ足は必ず伸ばし、しっかり地面を蹴る。このときはひざ下だけでなく、脚を付け根から出すイメージで」とのこと。「後ろ足で地面を蹴る際は、後方よりも上に向かって伸びる感覚を大切に。ハイヒールを履くことが多い人は大腿四頭筋、プラットフォームシューズ派の人は足指やお尻を重点的に鍛え、大地をきちんと蹴り上げましょう。真面目に取り組めば、たった3日でも変化を感じられるはず」
STEP1: まっすぐ伸びるひざのための基礎づくり。
歩くときにひざを美しく伸ばすための、前腿の基礎トレーニング。足首をフレックスにして座り、片方の脚のひざ下を伸ばして戻す動作を繰り返し。限界まで伸ばしきることを心がけつつ左右5回ずつから始め、徐々に回数を増やしていって。
前腿づくりの応用編はこちら。体操座りの姿勢から両手を後ろにつき、ひざを斜め上に向かって曲げ伸ばし。片脚ずつから始め、慣れてきたら両脚でトライしよう。つらい人は肘をついてもOK。高く上げるよりも、ひざがしっかり伸びる角度を探すこと。
STEP2: 座ったままできるすねと足指のエクササイズ。
椅子に腰かけ、足を地面につけた状態からつま先だけを上げ下げ。体の外側に重心が偏っている人が多いので、ひざをきちんとくっつけ、足の親指寄りの重心を心がけるのがベター。デスクワークの合間などにできるので、まずは1セット10回から。
STEP3: 蹴り出す力は足指トレとお手軽ケアから。
手をつきしゃがんで座った状態からかかとを浮かせ、上下運動。足指の根元の第二関節に体重をのせて行うことで、蹴り出す力を取り戻す。ちなみにここは、ヒールで歩くときにも意識したいパーツ。
足の裏に手をかけ、手前に引いて負荷をかけながらつま先を前方へ倒す。足指を屈曲させ、地面を蹴る力をつけるための動き。このほか、足指を大きく付け根から握って開く動作を繰り返すのも有効。
しなやかな歩き方のために、足の裏は入念にほぐしておきたいポイント。千葉さんいわく、体が硬い人はここも硬くなりがち。土踏まずを中心に30秒ずつさするだけでも、ふくらはぎや腿裏が柔らかく。
STEP4: 鍛えて和らげ、前腿をしなやかに。
鍛えたら、ほぐすことも忘れずに。四つん這いから片足を前に出して踏み込むと、大腿四頭筋がある腿の前部分が伸ばせる。余裕があれば片手で後ろの足先を掴んで体の中心に向かって引き、より深くストレッチ。骨盤と太腿をつなぐ腸腰筋にも効かせて。
話を聞いたのは……
千葉絵美
ピラティストレーナー。「studioemi」代表。手ぬぐいを使った「手ぬトレ」を考案し、書籍や自身のYouTubeチャンネルなどで日常生活に取り入れやすいエクササイズを発信。均整のとれたボディを生かし、モデルとしても活躍している。
Illustrations: Jeffrey Fulvimari Text: Misaki Yamashita Editor: Yu Soga
※『VOGUE JAPAN』2022年7月号「準備OK? 今こそ叶えたいひざ下ビューティー」転載記事。