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賢くボディメイク - 食事編。

毎回今度こそは、と誓うのに、目標を達成する道半ばでくじけてしまいそうになるダイエット。それ、もしかすると心や考え方に問題があるのかも。『VOGUE JAPAN』7月号の「賢くボディメイクする17の法則。」から、体を変えるルールを一部お届け。予防医療コンサルタントの細川モモさんが、やる気スイッチをオンにする方法を指南する。 >>「最強の美脚のつくり方教えます。」特集ページはこちら。

炭水化物オフは×、シュガーオフは◯。 砂糖の過剰摂取はイライラの元に。

Photo: Donuts and candy with sugar spread from shutterstock

難易度 ★★★★☆
糖質オフの誤解にも警鐘を鳴らす。「炭水化物は糖質+食物繊維からなり、血糖値を穏やかに上げ、腸内環境を整えるうえでも必須。問題なのは砂糖。ケチャップ大さじ1 杯に角砂糖1個分の砂糖が含まれ、料理や飲料にもたっぷり入っています。疲れている人ほどお菓子やアイス、ジュースを求める傾向がありますが、過剰な糖分はイライラや気分のアップダウン、集中力の低下を招きます。それがつらくてまた甘いものを求めるという悪循環も。鉄不足でも砂糖欲が増えるので、鉄分を増やして砂糖はセーブ」(細川さん)

欠食は絶対にNG! 血糖値の急上昇&急降下で低血糖に。

Photo: Fitness salad and measuring tape from shutterstock

難易度 ★★☆****☆ 食事を抜けば1食分のカロリーは確かに減る。午前中はデトックスの時間という理論をベースに、意識高い系の人が実践しがちなファスティングにも落とし穴が。「朝食を抜いて昼にガツンと食べると、食後血糖値が急上昇し、その後ガクンと急降下。血糖値はメンタルにも大きく影響するので、ハイテンションからの低血糖で集中力ややる気も下がり、血糖値に振り回されている状態に。理想は、腹八分目の3食と1回の補食。食事の回数を増やして量を減らせば、血糖値の変化が緩やかになり、精神状態が安定し、体も太りにくくなります。また欠食する人ほどお菓子やお酒の量は増える傾向が。糖尿病予防の観点からも 3 食しっかり食べて」(細川さん)

摂取カロリーより“エンプティカロリー” に注意して。

難易度 ★★★☆☆
レストランのメニューにも、インスタント食品のパッケージにも、カロリーが表示されている現代。「20~30代の働く日本人女性の1日の平均摂取カロリーは1500kcal弱で終戦直後を下回るレベル。さらに、野菜とたんぱく質不足の人が約9割で、ビタミン、ミネラルも足りません。これでは慢性疲労も当然。それに対し、お菓子や酒など栄養が乏しいエンプティカロリーは総摂取カロリーの約15%を占めていて、体重は少ないのに体脂肪が多い隠れ肥満の原因に。体は摂取カロリーが足りないと筋肉を溶かしてエネルギーに変えます。栄養不足の人は、体重が減ったら脂肪ではなく筋肉が減ったと心得て」(細川さん)

腸を整える=メンタルを整える。セロトニンの95%は腸で作られる。

難易度 ★★★☆☆
腸内環境が悪ければ、栄養も吸収されない。女性に多い腸の不調は、精神状態やダイエット、肌荒れにも直結。「腸内細菌叢である腸内フローラは20歳を過ぎると誰でも悪くなります。幸せホルモンのセロトニンは腸で作られ、メンタルに影響を与える因子の大部分は腸に存在。30歳を過ぎたら腸にいいものを食べるという選択はマスト。そのために欠かせないのが、腸内細菌の餌である炭水化物です。最近はデトックスやクレンズが人気ですが、食べ物のカサがないと便秘になりやすく、空腹でサプリを摂るのも胃腸に負担をかけ、消化吸収もされにくい。腸内環境が整うと精神的にも安定し、スポーツのパフォーマンスも上がります」(細川さん)

お話を伺ったのは……
細川モモさん
予防医療コンサルタント。インターナショナル・ニュートリション・アドバイザー。2011~2015年ミス・ユニバース・ジャパン オフィシャルトレーナー。働く女性の健康を支援する「まるのうち保健室」や「Happy Baby Project」など多方面で活動。

Text: Eri Kataoka Editor: Sachiko Igari