新アルバムの『Map Of The Soul: 7(原題)』を2月21日にリリースしたBTS(防弾少年団)。そのプロモーションを兼ねて、アメリカの人気司会者、ジミー・ファロンのトーク番組『The Tonight Show with Jimmy Fallon(原題)』に出演した。番組内ではメンバーの7人──ジン、シュガ、ジェイ ホープ、RM、ジミン、V、ジョングク──がニューヨークの地下鉄でメンバーの秘密を探るQ&Aを行ったり、宝探しをしたり、ダウンタウンの有名B級グルメ店に行ったりなど、ファンにはたまらない盛りだくさんな内容だった。番組のフィナーレでは新シングル「ON」をグランド・セントラル駅で披露。煌びやかでカラフルなステージ衣装で知られるBTS(防弾少年団)だが、今回はシックなモノトーンスタイルで登場し、バンドの新たな一歩を決定づけた。
モノトーンの衣装はリック オウエンス(RICK OWENS)によるもの。Tシャツやスニーカー合わせ、グランジなエッセンスを吹き込んだ。ジンのレザージャケットにはペイントが施され、ジミンはオールホワイトな装いにアシンメトリーのシルエットで変化をつけた。そのほかのメンバーは、脱構築的なスーツルックを披露し、全員に統一感がありながらも、それぞれの個性を反映したエッジィな印象に仕上がっていた。リックによる衣装はグループにとって新たな試みではあるものの、ミュージックビデオでも同じ衣装を着用していることから、彼らの新たな幕開けを象徴している。
最近のBTS(防弾少年団)は、多くのミュージックアワードのレッドカーペットやパフォーマンスで、新たなデザイナーの服を着用し、そのどれもが落ち着いた雰囲気を醸していた。1月に行われたグラミー賞では、ダニエル・リーによるボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)のスーツをセレクト。7人のメンバーが異なるアースカラーのスーツを纏い、ブランドの洗練されたムードを体現していたのが印象的だ。
また、昨年12月に名古屋で行われた2019年MNET・アジア・アワードでは、エディ・スリマンによるセリーヌ(CELINE)を纏い、デニムやブルゾンを主役としたクール装いで現れた。以前は、鮮やかな彩りと煌びやかなエンブロイダリーが目立つグッチ(GUCCI)を愛用していたが、このスタイルの変化が表すものとは一体何だろうか? 今回の衣装にリック・オウエンス(RICK OWENS)を選択したことは、意外性があり、人々にインパクトをもたらした。イメージチェンジはファン心理を考えると、リスクもあったと思うが、BTS(防弾少年団)の新たな魅力を見事に引き出す結果となったのは確かだ。

Tex: Christian Allaire
From US VOGUE