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東京2020オリンピックで躍進! 女性アスリートたちの活躍をプレイバック。

8月8日に閉会式が行われ、幕を閉じた東京2020オリンピック。開会式の旗手を男女がペアとなって務めたり、今まで男性のみで開催されてきた競技に女性が追加されたりと、さまざまな形でジェンダー平等への進歩を特徴づける機会となった。そんな今大会で活躍し、私たちに感動と新たな可能性を示してくれた女性アスリートたちの勇姿を振り返る。
Momiji Nishiya of Japan celebrates competing on Women's Street Final during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Ariake...
Photo: Ronald Hoogendoorn/BSR Agency/Getty Images

東京2020オリンピックにおいて、世界新記録やメダル獲得よりもある意味重要だったことの一つに、女性アスリートスポーツ界に新風を吹き込んだことが挙げられるだろう。今大会では、全出場選手のうち49%を女性が占め、メダル獲得数1位となった米国代表チームのメダリストのうち58%は女性。彼女たちは全部で10の世界記録を打ち立てたのだ。また開会式では、五輪史上初めて、ほぼ全ての参加国が男女ペアで旗手の役割を担い、ジェンダー平等が示された。東京五輪は名実ともに史上初の男女平等のオリンピックとなったのだ。

Facebookのデータによると、このプラットフォームにおいて最も話題となったトップ5のアスリート──シモーネ・バイルズ、スニーサ・リー、タミラ・メンサストック、アシング・ムー、ジェード・キャリーは、すべて女性だ。彼女たちをはじめ、今大会でさまざまな功績を残したアスリートたちの活躍を改めて振り返ろう。

1. シモーネ・バイルズ(体操)

Photo: Getty Images

金メダル獲得が期待されていた体操のアメリカ代表選手、シモーネ・バイルズは、女子団体総合の決勝が始まった直後、演技の棄権を発表して世界に大きな衝撃を与えた。最大の舞台を棄権した理由は、「心の健康を優先する」というものだった。これはアスリートだけではなく、世界で起こっているメンタルヘルス問題について一石を投じた決断だった。のちに彼女は、思うように体を動かせなくなる「ツイスティ」という症状を発症していたと明かしている。

トータルで金メダル2個と銀メダル2個を獲得したチームメイトのために世界で最も象徴的なチアリーダー役を担った後、バイルズは個人種目・平均台の決勝の場に戻ってきた。そこで彼女は、自身7個目となる銅メダルを獲得。「私自身のために演技に臨んだ」と彼女は語っている。

2. アリソン・フェリックス(陸上)

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東京大会が自身にとって5度目のオリンピック出場となった、アメリカ代表のアリソン・フェリックス。女子400メートルで銅、400メートルリレーで金をそれぞれ獲得し、米国の五輪陸上競技史において最も表彰歴のあるアスリートとなった。

「私は平静さを保ち、心から競技を楽しんだ」と語っている彼女が残したレガシーは、獲得したメダルだけではない。彼女は“スポーツをする母親”を代表し、黒人の高い妊婦死亡率に対する認識を高めさせるために声を上げてきたのだ。東京五輪に先立ち、スポーツブランドのアスレタ(ATHLETA)とともに、母親という立場でもある選手の夢の実現を支援するため、育児助成金を出すと発表している。

3. 西矢椛、四十住さくら、開心那(スケートボード)

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日本人選手たちが大活躍した新種目といえば、スケートボード。ストリートとパーク、両競技ともに、十代の若きアスリートたちが表彰台を独占した。ストリート競技では13歳の西矢椛が日本史上最年少での金メダル獲得を成し遂げた。

一方パーク競技では、金メダルを四十住さくら、銀メダルを12歳の開心那が獲得。開は日本史上最年少メダリストとなった。また、銅メダルに輝いた英国代表のスカイ・ブラウン選手は、イギリス人の父と日本人の母を持つ、宮崎県生まれの13歳。日本にルーツを持つ選手たちが表彰台を独占する結果となった。

4. ネリー・コルダ(ゴルフ)

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アメリカ代表のネリー・コルダは、ゴルフ女子個人で金メダルを獲得。しかし、その勝利にはメダル以上の大きな価値があった。コルダはその勝利によって、ゴルフのメジャー大会での勝利(今年6月のKPMG全米女子プロゴルフ選手権で優勝)と、オリンピックでの金メダル獲得を史上初めて同じ年に実現し、スポーツ史に名を残すことになった。

5. ネビン・ハリソン(カヌー)

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東京大会におけるジェンダー平等推進の一つに、従来は男性のみだった競技に女性を追加したことが挙げられる。例えば、カヌー・スプリント女子200メートル競技もその一つ。この競技では、ネビン・ハリソンが史上初の金メダリストに輝いた。「歴史の一部になれて嬉しい。女性皆の素晴らしさも実感した」とハリソンは語り、次のように続けた。「私は、これが人生で最も厳しいレースになると感じていました。それがオリンピックというものです」

6. ローレル・ハバード(重量挙げ)、レベッカ・クイン(サッカー)

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重量挙げのニュージーランド代表であるローレル・ハバードは、五輪に出場した初のトランスジェンダーの女性として、スポーツ史に名を残した。これは、性的区別のないスポーツという意味で大きな一歩となった。

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一方、サッカーのカナダ代表選手、レベッカ・クインは、今大会で金メダルを獲得して五輪史上初のトランスジェンダーおよびノンバイナリーのメダル獲得アスリートとなった。

7. ドイツの女子体操チーム

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体操女子は数十年もの間、ビキニ風のレオタード姿で競技を行ってきた。しかし、スポーツ界におけるセクシャルハラスメントや性的搾取が世界的に問題視されるようになって以降、初のオリンピックとなった東京大会では、ドイツの女子体操チームが「ユニタード」で競技に臨み、スポーツにおける「セクシャライゼーション」に異を唱えた。「何が心地よく感じるかという問題。私たちは、すべての女性、すべての人が、何を着用するかを自分で決定すべきであるということを示したかった」と女子体操のドイツ代表であるエリザベト・ザイツは語っている。

8. エレイン・トンプソン・ヘラ(陸上)

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陸上女子100メートルで10秒61のタイムをたたき出し、金メダルを獲得するとともに、世界最速の女性になったジャマイカのエレイン・トンプソン・ヘラ。彼女はチームメイトのシェリー・アン・フレーザー・プライスが持っていた世界記録を破り、33年前にグリフィス・ジョイナーが打ち立てたオリンピック記録をも更新して、史上最速の女性になった。

9. スニーサ・リー(体操)

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モン族系アメリカ人として初めて金メダルを獲得したスニーサ・リー。同じくアメリカの体操選手、シモーン・バイルズが棄権するなどまさかの事態が起こっていた中でも、体操女子個人総合で優勝を決め、米国の金メダルを守り抜いた。

10. ジャスミン・カマチョ クィン(陸上)

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陸上女子100メートル障害で金メダルを勝ち取ったプエルトリコ のジャスミン・カマチョ クィン。陸上競技では初、五輪史上2個目の金メダルをプエルトリコにもたらした。生まれは米国だが、母の願いもありプエルトリコ代表として五輪に出場。彼女は、シカゴ・ベアーズで活躍するアメリカンフットボール選手、ロバート・クィンの妹でもある。

Text: Macaela MacKenzie
From GLAMOUR