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トム・ホランド、『インポッシブル』で津波にのみこまれた少年を熱演。【子役出身のセレブvol.1】

大作映画で主演を飾る人気俳優のキャリアをさかのぼってみると、実は子役出身だったというケースはめずらしくない。彼らは幼い頃に脚光を浴びながらも、その栄光に執着することなく着実にキャリアを築いてきたのだ。そんな元名子役たちをフィーチャーする。

Photo: Summit Entertainment/Everett Collection/amanaimages

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2016年にマーベル作品の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でスパイダーマン(ピーター・パーカー)役に大抜擢され、20歳にして一躍人気者になったトム・ホランド。インタビューで極秘の内容をつい喋ってしまう、そそっかしい性格ながらも愛される弟キャラの彼が最初に世界から注目されたのは、映画デビュー作となった2012年の『インポッシブル』でナオミ・ワッツユアン・マクレガー演じる夫婦の息子を演じたときだ。

2004年に起きたスマトラ島沖地震による津波に巻き込まれたスペイン人家族の実話を映画化した作品で、撮影当時14歳だったトムは、タイのビーチリゾートで両親と弟2人とクリスマス休暇を過ごす少年ルーカスを演じた。

Photo: Summit Entertainment/Everett Collection/amanaimages

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イギリス出身の彼は12歳から2年間、ロンドンのウエストエンドでミュージカル版「リトル・ダンサー」に出演していた。主人公ビリー・エリオットの親友役からスタートして、最終的にはビリーを演じていたトムのインタビュー動画をネットで見たJ・A・バヨナ監督から声がかかってオーディションを受けたそう。

家族でくつろいでいた時に津波に襲われて父と弟2人とはぐれ、母と2人で波にさらわれたルーカスは怪我を負った母を必死に守ろうとする。撮影現場にはルーカスのモデルになった青年がいてくれたので、彼から話を聞きながら過酷な体験で急に成長せざるを得なかった少年の変貌を演じ切った。

ウエットスーツを着用して撮影に挑んだJ・A・バヨナ監督(左)。Photo: Summit Entertainment/Everett Collection/amanaimages

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迫真性にこだわる監督の演出は容赦ないもので、大量の水を使用した津波シーンについて、トムは「怖いくらいリアルだった」と振り返っている。厳しい撮影を一緒に耐え抜いたナオミとの間には、本当に母と息子のような信頼と絆が生まれたという。

Text: Yuki Tominaga