2022年2月に英国君主として史上初となる即位70周年、「プラチナ・ジュビリー」を迎えたエリザベス女王。弱冠25歳で即位して以来、14人もの英国首相に助言を与え、13人の米国大統領と会い、数え切れないほどの国家の危機を乗り越えてきた。そんな彼女の功績を称えて、英国では6月を中心に、年間を通してイベントが予定されている。
プラチナ・ジュビリーの祝典はいつ開催される?
記念日自体は2月6日で、エリザベス女王の実際の誕生日も4月21日だが、祝典は、より気候の良い時期を選んだため、6月の第2土曜日に開催される(イギリスの6月は梅雨ではなく、爽やかな初夏の気候だ)。1977年のシルバー・ジュビリー(25周年)、2002年のゴールデン・ジュビリー(50周年)、2012年のダイアモンド・ジュビリー(60周年)も、すべて夏季に行われた。そして2022年は、6月2日(木)~6月5日(日)に主要イベントが開催される予定だ。
プラチナ・ジュビリーの記念日は祝日になる?
英国では、プラチナ・ジュビリーに際して通常5月下旬に設けられる祝日が6月2日(木)に移され、6月3日(金)も祝日となるため、期間中は4連休となる。
6月2日以前にはどんなお祝いがある?
4連休に先駆けて、一般向けイベントやさまざまな地域活動が予定されている。女王陛下に捧げる新しいスイーツを選定するお菓子作りのプラチナ・プディング・コンテストには、王室御用達デパートのフォートナム&メイソンが協賛。味も見た目も良く、家庭で作ることができ、ユニークな背景を持つレシピを英国全土から募集した。そして優勝者は、公共放送であるBBC Oneにて5月12日に放送された「The Jubilee Pudding: 70 Years in the Baking」(ジュビリー・プディング:70周年のためのスイーツ)の番組内で発表された。
そして忘れてはならないのが「クイーンズ・グリーン・キャノピー」だ。これは、英国中の人々に「ジュビリーを祝って木を植えよう」と呼びかけている運動で、今年初めのプレスリリースでは「植樹シーズンが始まって2カ月間で、すでに6万本の木が英国内に植えられた」と王室より発表されている。植樹された木々はデジタルマップに記録され、年末に女王陛下に贈呈される。またこのプロジェクトでは、古くからある森林の保全活動を全国70カ所以上で行っており、失業中の若者に向けた植林トレーニングプログラムを開始したり、子どもたちに森林の大切さを伝えるための“ヤング・フォレスターズ・アワード”を創設したりもしている。
5月12日~15日には、ウィンザー城にて舞台『Platinum Jubilee Celebration: A Gallop Through History』(プラチナ・ジュビリー記念:歴史を駆け抜けて)というショーも開催された。この演劇では、1,000人ものパフォーマーと500頭もの馬が一堂に会し、16世紀のエリザベス女王一世の時代から現在までの歴史を振り返る90分の演目が女王陛下に捧げられた。この舞台にはアッジョア・アンドー、ダミアン・ルイス、トム・クルーズ、アラン・ティッチマーシュ、ヘレン・ミレンといった豪華俳優陣が出演し、5月15日に生中継された。
6月2日~5日には何が予定されている?
6月2日(木)にはエリザベス女王の誕生日パレードが予定されており、例年通り1,400人の兵士によるトゥルーピング・ザ・カラーが行われる。パレードはバッキンガム宮殿から出発し、馬や馬車に乗ったロイヤルファミリーとともに宮殿前の大通りであるザ・マルを通って、ホース・ガーズ・パレード(近衞騎兵練兵場)まで進む。そしてバッキンガム宮殿のバルコニーに立つ女王陛下が見守るなか、英国空軍による祝賀飛行によってお祝いは締めくくられる。チケットは一般にも販売されている。さらなる見所は、英国および英連邦諸国の至る所で点灯される1,500個以上ものビーコン(かがり火)だろう。バッキンガム宮殿では、“第一のビーコン”が特別セレモニーにて点灯される。
6月3日(金)にはセントポール大聖堂にて、エリザベス女王の治世を讃える感謝の礼拝が行われる。続いて6月4日(土)、女王陛下はエプソム・ダウンズにて競馬観戦したのち、宮殿にてBBC主催のコンサートであるプラチナ・パーティーに出席する。世界でも屈指のエンターテイナーが集まるこのショーは、バッキンガム宮殿から生中継される。また、女王陛下の私有地であるサンドリンガムハウスの庭園も一般向けに開かれ、祝典の一環として同番組のパブリックビューイングも開催予定である。
そして6月5日(日)の「ビッグ・ジュビリー・ランチ」をもって連休は幕を閉じる。王室の発表によると、それぞれの地域でジュビリーのお祝いランチを開催するために登録している人はすでに1,400人にも達しており、全国各地で20万件以上のイベントが開催される見込みとのこと。同日には「プラチナ・ジュビリー・パジェント」も開催され、エリザベス女王の治世の素晴らしさを伝えるべく、ダンサー、マーチングバンド、従軍兵士、またエッセンシャルワーカーがロンドンの街中の至る所に登場する予定だ。
6月の祝典の後には?
ありがたいことに、お祝いは6月だけで終わりではない。7月からは、エリザベス女王の即位、戴冠式、そしてこれまでの各ジュビリー祝典までをも含めた主要な出来事を振り返る3つの特別展示が王宮にて開催される。毎年夏に公開されるバッキンガム宮殿のステートルームでは、ドロシー・ワイルディングによって撮影された若き日の女王陛下のポートレートと、そのときに身に着けていた豪華なジュエリーが合わせて展示される。ウィンザー城では、1953年にウェストミンスター寺院にて行われた戴冠式で着用したドレスとローブを見ることができる。またホリールード宮殿では、即位25周年、50周年、60周年の祝典にてそれぞれ着用された衣装が展示される。
プラチナ・ジュビリーの祝典に、ロイヤルファミリーは全員出席する?
チャールズ皇太子、カミラ夫人、ウィリアム王子、キャサリン妃を含めた高位王族は、ほとんどのイベントに出席すると予想されている。またさまざまな憶測が飛び交ったヘンリー王子とメーガン妃についても、子どもたちとともに出席すると報じられているが、これは一家が米国に移住して以降では初めての家族全員での渡英となる。しかし王室が発表した声明によると、6月2日の誕生日パレードでは、“女王陛下の代理として現在公務を行っている王族”のみが女王陛下とともにバルコニーに登場する予定だそう。つまりチャールズ皇太子、カミラ夫人、ウィリアム王子・キャサリン妃一家、エドワード王子・ソフィー妃一家、アン王女・ティモシー・ローレンス夫妻、リチャード王子・バージット妃夫妻、エドワード王子・アレクサンドラ王女兄妹は含まれるが、ヘンリー王子、メーガン妃、アンドリュー王子は含まれないということ。とはいえ、含まれていない面々も他の行事では王室一家として一緒に登場するだろう。
エリザベス女王は、史上最長の在位期間をもつ君主?
半世紀以上にも渡って親しまれてきたエリザベス女王だが、世界には、エリザベス女王よりも長い在位期間を誇る強者がいる。リヒテンシュタインのヨーハン2世とタイのプミポン・アドゥンヤデート国王は70年以上君臨していたし、フランスのルイ14世に至っては72年間も王位に就いていた。しかしエリザベス女王も、2024年にはルイ14世の記録を塗り替えることになる。その時はまた、これ以上の盛大な祝典に期待したい。
Text: Radhika Seth Translation: Fraze Craze
From VOGUE.CO.UK

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