9月19日(現地時間)の朝、エリザベス女王の葬儀のためにウェストミンスター寺院に向かったキャサリン皇太子妃とメーガン妃。二人は全身黒の喪服に身を包み、厳粛な面持ちで到着した。
この日、皇太子妃が纏ったのはアレキサンダー マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)のコートドレスに、ヴェールが付いた帽子だ。一方メーガン妃は、ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)のケープ付きドレスに、スティーブン・ジョーンズ(STEPHEN JONES)がデザインしたディオール(DIOR)の帽子と手袋を選んだ。
アレキサンダー マックイーンを手がけるサラ・バートンと、ステラ・マッカートニーはイギリスを代表するデザイナーであり、エリザベス女王から大英帝国勲章(OBE)を授与されている。また、二人ともそれぞれの結婚式でドレスを手がけたデザイナーであることから、ロイヤルファミリーの一員となった日へのさりげないオマージュを捧げたことがうかがい知れる。
二人のジュエリーはエリザベス女王から受け継いだもので、皇太子妃はパールとダイヤモンドの4連チョーカーを、メーガン妃はパールとダイヤモンドの小ぶりのイヤリングを身につけていた。ヴィクトリア女王が最愛の夫であるアルバート公の死後、真珠の装飾品を着用したことは有名な話だが、イギリス王室の女性たちは今もなおそれに倣い続けている。
カミラ王妃は、かつてヴィクトリア女王が所有し、その後王室の女性たちに受け継がれてきたサファイアの「ヘッセ・ダイヤモンド・ジュビリー」ブローチを、シャーロット王女は小さな馬蹄を形取ったブローチを胸もとにあしらい、それぞれ女王への哀悼の意を表した。
エリザベス女王はファッションが持つ力を深く理解していた人物で、イギリスにおけるファッション界の擁護者であった。その証拠に、英国ファッション協議会(BFC)に設けられた「エリザベス女王賞」がある。イギリスの軍事歴史家であるクリストファー・ジョルは、「エリザベス女王は服装への徹底したこだわりで知られていました」と話す。女王との最後の別れに際し、「王室の女性たちが、彼女と彼女の価値観に敬意を表した装いを心がけたのは、もっともだと思います」と述べた。
Text: Elise Taylor Adaptation: Motoko Fujita
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