ニューヨークで9月13日(現地時間)に開催されたMet Gala(メットガラ)には、異彩を放つ装いのセレブたちが続々と現れたが、キム・ペトラスは一際目立つ存在だった。馬の頭をかたどった3Dビスチェを着用した彼女のルックは、コリーナ ストラーダ(COLLINA STRADA)のクリエイティブディレクターのヒラリー・テイモアによるものだ。
テイモアは「10代の頃、私はまさに“ホースガール”だった」と振り返る。“ホースガール”とは、馬術や馬に興味のある10代の女の子を指す単語で、それは不思議ちゃんや変わり者といった意味合いを持つ。テイモアも幼少期は馬術に励んでいて、当時から他とは一線を画す個性を発揮していたという。「そんな過去もあるけれど、今は完全に“ファッションガール”。でも当時のことを何らかの形でセレブレートしたかった」
メットガラに初出席したキムのために唯一無二のドレスを完成させたテイモアは、こう続ける。「キムはとにかく目立ちたかった。その願いを叶えたことは間違いないけれど、評判はどうなるかわからない。ベストドレッサーに選ばれるかもしれないし、ワーストドレッサーになるかもしれない(笑)。いずれにせよ、かなり印象に残ったことは間違いないはず。人々を笑わせて、記憶に残ることが一番重要だった」
ビスチェはもちろんのこと、大きく広がったスカート部分のテキスタイルも特徴的だ。バチカン市国内にあるシスティーナ礼拝堂の壁画と、トマトの画像を掛け合わせたオリジナルのプリントで、それはコリーナ ストラーダの2021年秋冬コレクションでも披露されている。アメリカの人気短編シリーズ「Animorphs」をテーマに掲げた同シーズンは、すべてのルックで動物と人間を組み合わせたディストピアンな世界が展開された。
Text: Liam Hess
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