CHANGE / SUSTAINABILITY

クリーンビューティーはもはや当たり前! 人に地球に“やさしい”ブランド5選。【日本で買えるB Corpブランド|ビューティー編】

環境問題やワークライフバランス、人権問題、ダイバーシティ&インクルージョンなどの観点から「よい企業」のお墨付きを与える「B Corp(B Corporation™️)」認証。世界の79カ国で約5,000社が取得しているこの認証を取得しているビューティー企業の中から、日本で買える5つのブランドを、Bインパクトスコア*とともに紹介していこう。
B Corp Bコーポレーション Clean Beauty クリーンビューティ
DAIGO NAGAO

AESOP(イソップ)

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Bインパクトスコア:87.1
・ガバナンス:18.4
・ワーカー:21.8
・コミュニティ:24.0
・エンバイロメント:18.8
・カスタマー:3.9

Aesopは1987年にオーストラリア・メルボルンで創業。スキンケアやフレグランスなど、人と空間のためのプロダクトを提供する。2013年にブラジルの大手コスメメーカーNaturaに買収されたのち、2020年にB Corp認証を取得(Naturaは2014年にB Corp認証を取得済)。エンバイロメントでは、動物実験反対やエコなパッケージの利用だけでなく、オーストラリアで湿地や森林の保護活動にもボランティアなどを通じて協力している点が評価されている。またコミュニティに関しては、生活賃金や同一労働同一賃金の実現に取り組んでいる点からか、サプライチェーンに関する評価が高い。またコロナ禍では現場で働くスタッフの保護と、環境保護の両立に関する取り組みについても詳細にレポーティングされている。さらに、同社は2017年にAesop Foundationを設立し、識字率の向上などへの施策も行なっている。

THE BODY SHOP(ザボディショップ)

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Bインパクトスコア:82.6
・ガバナンス:15.7
・ワーカー:22.2
・コミュニティ:27.5
・エンバイロメント:17.0

1976年にイギリス・ブライトンで創業したThe Body Shop International。Aesopと同じく、2017年にロレアルからブラジルのコスメメーカー、Natura傘下となったのち、2019年に認証を取得している。同社が2021年に発表したサステナビリティレポートでは、B Corp認証の基準から自社の取り組みを紹介するコーナーを設けている。分野としてはコミュニティにおける評価が高く、アメリカにおけるBLMとの協業、オーストラリアにおけるアフガン難民の受け入れなど、地域に根ざした施策を行なっている。またガバナンスにおいても2021年に管理職の女性が占める割合を64%にまで高めたほか、30歳以下の若者に取締役会がアドバイスをもらう仕組みをつくるなどの取り組みを行なっている。

WELEDA(ヴェレダ)

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Bインパクトスコア:106.8
・ガバナンス:15.5
・ワーカー:19.4
・コミュニティ:33.6
・エンバイロメント:32.1
・カスタマー:5.9

1921年に創業し、スイスに本拠地を構え50カ国以上で展開するグローバルボディケアメーカーのWeleda AG Groupは、本社だけでなく20カ国以上の支社もB Corp認証を取得しているという。エンバイロメントとコミュニティでの加点が多く、世界各国の生産者との取り組みが原材料別に公開されている。たとえばザクロが生産されるトルコでは、現地の精油加工会社、農家、園芸研究所とともにプロダクトの品質に関する実験を進めているという。サステナビリティレポートでは、商品開発やサプライチェーンなどの各分野における達成と次年度の目標が明記されており、同社の取り組みの多くが透明性をもって公開されている。ワーカーでも、自社経営のデイケアセンターをドイツやフランスで従業員に提供するなど、福利厚生に関する取り組みが活発だ。

DR. HAUSCHKA(ドクターハウシュカ)

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Bインパクトスコア:80.6
・ガバナンス:15.4
・ワーカー:21.0
・コミュニティ:12.9
・エンバイロメント:33.0
・カスタマー:0.0

1967年創業のDr. Hauschka Skin Care, Inc.は、1929年にルドルフ・ハウシュカ博士が開発した、アルコールを使用せずに水性薬用植物エキスを抽出する手法をもとに、当初から自社の農園やサプライヤーから調達した植物性素材に100%由来したスキンケアプロダクトを製造する。エンバイロメントとワーカーでの評価が高く、たとえば従業員の通勤にかかる公共交通やカーシェア、自転車などのコストを負担している。自然派農法に対する独自の取り組みでもしられ、蜜蜂の保全などの活動をドイツ南部の自然公園などで行なっている。またサプライヤーへの取り組みとして、ダマスクローズを調達するアフガニスタンでアヘン栽培を有機農法に変えた農家約700軒を支援しているという。

DR. BRONNER'S(ドクターブロナー)

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Bインパクトスコア:177.8
・ガバナンス:15.4
・ワーカー:29.3
・コミュニティ:68.5
・エンバイロメント:64.5
・カスタマー:0.1

Dr. Bronner'sは、1858年からドイツで石けんづくりを家族で行なってきた一族の出身であるエマニュエル・ブロナー博士が1948年にアメリカで創業。アメリカトップシェアを誇るボディケアブランドになった現在でも、同社はブロナー一族によって経営されている。同社のスコアはコミュニティとエンバイロメントにおいて極めて高い。農業パートナーと再生可能農法に取り組んだり、フェアトレード・プレミアムによって売上の一部が自動的に地域貢献に使われるようにするなど、社会・環境貢献を前提としたビジネスの仕組みを構築していることが評価されているようだ。またワーカーについても、管理職がもらう給与を最低賃金労働者の5倍以下に設定したり、契約外の医療機関における保障も手厚いPPOとよばれる健康保険に加入するなど、先進的な取り組みを行なっている。

*Bインパクトスコアとは?

B Corpを認証する非営利団体であるB Labが、ビジネスを行う企業がどれだけ「良い」のかを一定の基準で評価するためのシステム。ガバナンス(取締役会に多様性があるなど)、ワーカー(従業員の労働環境改善など)、コミュニティ(地域社会への貢献など)、エンバイロメント(二酸化炭素排出量の削減など)、カスタマー(プライバシーポリシーの公開など)という5分野ごとにスコアリングされ、80以上で認証の取得が認められる。

Text: Shinya Yashiro Editor: Maya Nago