アメリカ・コロラド州でオーガニックファームを運営していた「コアラツリー(Coalatree)」は、オリジナルの作業着を作りたいと考えたことを機に、2010年より100%リサイクル素材に特化したアパレルラインをスタート。現在、ソルトレイクシティに拠点を置き、メンズ、レディース以外にもブランケットやハンモック、バックバックといったアウトドアグッズを展開している。なかでも「カチュラ(KACHULA)」というネーミングのアドベンチャーブランケットは”ブランケット革命”と呼ばれるほど世界中のキャンパーから愛されるトップセラーアイテムだ。
「カチュラ」はアメリカの2大クラウドファウンディング「ickstarter」と「Indiegogo」において、合計約6,200万円の資金調達に成功しており、日本でも「Makuake」にて約2000枚の販売実績を持つ。そんな話題の尽きない同品は、たった一枚でレジャーシート、ブランケット、トラベル枕、寝袋、ポンチョの役割を果たす多機能性が人気の秘訣だ。
サイズは177cm×118cmと大きめで、上部はソフト起毛ナイロンフランネル、下部は耐久性のあるリップストップナイロンの二重構成となっており、防水、防寒、撥水にも優れている。廃棄された糸とプラスチックを溶かして新しい繊維を作り、それらを紡いで作られたリサイクル素材のみを使用。サステナビリティを掲げるブランドにとって、リサイクル素材の使用は当たり前のことだが、コアラツリーはリサイクル素材の使用に留まらず、アウトドアブランドという立ち位置から地球環境を守るために出来ることは全てに尽力を注いでいる。
生産工場は、スイスに拠点を構える国際的環境認証機関が認証する「Bluesign® system partner」の工場のみと提携している。ブルーサイン(bluesign®)とは、繊維サプライチェーンにおいて、環境、労働者、消費者にとって安全な化学物質で生産された素材に与えられる認証のこと。また、同ブランドが提携している工場では、敷地内に作業スペース以外に従業員がリラクゼーション出来る広場や農業用の緑地や湿地を作り、労働環境や自然環境に配慮している。
染色技術は、水の代わりにCO2蒸気を利用するクローズドループ用法を取り入れており、貯蔵されたCO2を再利用することによって排出量を減らし、化学添加物が下水道に流れ込むのを防いでいる。緑に囲まれた自然の中で映えるブルーとピンクのコンビネーションやサイケデリックなグラフィックプリントはこうやって誕生したのだ。
さらに、2015年より抽出済みのコーヒーかすをリサイクルプラスチックボトルと混ぜて溶かし繊維に加工するプロジェクト「The Switchback Shirt」をスタート。1枚のシャツに対して、カップ3杯分のコーヒーかすと10本のペットボトルが使用されており、アイスコーヒーのかすは、繊維に織り込ませることで耐臭効果があり、速乾性にも優れた夏に最適なシャツ素材へと生まれ変わる。
ブランドの使命は、廃棄物を別の原材料として再利用し、自然界に廃棄物を排出しないようにする”ゼロエミッション”。コアラツリーのアイテムを使用することは、自然を守り、自然に還元し、社会活動に繋がり、そして、新たなアウトドアの楽しみ方につながっていくのだ。
https://coalatree.com/
https://www.instagram.com/coalatree/
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Photos: Courtesy of Coalatree Text: Kana Miyazawa Editor: Mayumi Numao