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京都や熱海etc. エディターがもう一度泊まりたい、至極の温泉宿4。

温泉が恋しい季節が到来。エディターが「また泊まりたい!」とリコメンドする4軒の宿を伊豆、熱海、京都、湯布院から厳選した。露天風呂、美食、絶景など、旅の醍醐味に満ちた隠れ家的スポットで癒しのひとときを。

【京都】ひのき香る温泉が全室に!京都の美を感じられるラグジュアリーリゾート/ふふ 京都(Mayumi Nakamura)

京都の中心部にありながら、全室にひのき造りの運び湯温泉がある「ふふ 京都」は私の大好きなスモール・ラグジュアリー・リゾート。昨年オープンしてすぐに宿泊して以来、私の旅のゴールドリストに欠かせない場所となりました。

朝食、そしてディナーは庭園を臨むダイニングで美食を。お部屋だけでなく館内のいたるところで京文化とアートを感じることができます。こちらは、ゆったりと朝ごはんのひとときの1ショット。

歩いてすぐの場所には平安神宮、南禅寺、京セラ美術館。まるで地元を散歩するように楽しみ、味わい、そしてお部屋に帰れば温泉ざんまい。浴室の窓を開ければ露天風呂のような開放感で、夜風を感じるナイトバスも至福のひとときです。

四季折々の自然を楽しめる美しい庭園は、この宿が建設される前、明治期からの歴史あるもの。上の写真の中央にある小さな和室は、夜にはBARに変身します。

あちこち観光する京都もいいけれど、ゆったりとお部屋で過ごす「リラックスな京都」を楽しめる……それがこの「ふふ 京都」の最大の魅力なのです。

ふふ 京都
京都府京都市左京区南禅寺草川町41
https://www.fufukyoto.jp/

【熱海】大勢で泊まれる、初島を望む絶景の一軒家/GLAMDAY VILLA 海森風(Mayumi Numao)

コロナ禍での国内旅行で初めて訪れた熱海の「GLAMDAY VILLA 海森風」は、「もう一度泊まりたい!」というリピーター熱を掻き立てる宿。4ベッドルームがあり、最大11名まで宿泊可能。1日1組というプライベートな滞在を楽しむことができます。

高台に位置しているので、初島の眺めも最高! テラスがとても広いので、ディナーは焚き火をしながらBBQがおすすめです。シックなインテリアのリビング&ダイニングも、家族や友人とホムパをしているような雰囲気でくつろげるし、ビールやお茶も飲み放題でした。食事の準備は全てバトラーさんが対応してくれるので、もちろん上げ膳据え膳。小さな子どもがいる人は、大声で走り回っても気兼ねなく過ごせます。

肝心のお風呂ですが、2つの露天風呂、2つの内風呂、さらにサウナ&水風呂も完備。海風を感じながら浸かる源泉掛け流しの天然温泉は、至福の時間。また、庭園に繋がる広い和室も実に趣があって素敵なんです。

しかし、1日1組限定の大人気スポットというだけあって、なかなか予約が取れない! 大人数で泊まればお得に感じられるので、円安のいま、無理して海外旅行に行くより断然素敵な旅になること間違いなし。年末年始の予約が運よく取れたら、家族と一緒にゆっくり数日間滞在したいなと思っています。

GLAMDAY VILLA 海森風
静岡県熱海市西熱海町1-22-5
https://glamdayvilla.jp/

【湯布院】文人墨客に愛される名旅館/玉の湯(Rieko Kosai)

大分・湯布院の三大名宿のひとつ、玉の湯。湯布院は温泉に恵まれ、水田が広がる農村地帯であるというもともとの環境を活かしながら、生活とつながった温泉保養地として愛される土地です。まず出迎えてくれるのは虫が育ち、鳥が休息できるような自然体の庭。地元にあるクヌギをはじめとする樹木や草木が門から玄関までの散歩道を案内してくれます。まさに自然と調和した、元祖リトリート。

玉の湯のお部屋はすべて雑木林に点在する離れ家スタイル。そしてお風呂は、全客室に備えられた木の内湯です。緑を眺めながら、虫の声を聞きながら静かに浸かる湯に、心まで洗われます。文筆家の“カン詰め”宿として愛されたのも、納得。ちなみにこちらの「ニコルズ バー」、作家で環境保護活動家のC・W・ニコルさんのために改築したのがきっかけで誕生したのだとか。

夕食には、地元農家から届く新鮮な野菜など季節の味覚をたっぷり使った創作料理が運ばれてきます。山女魚の塩焼きや山菜やお刺身、鯉こく、和牛の炭火焼と次々に。驚いたのはクレソンがとても新鮮で美味しかったこと。

美しい由布岳と辻馬車もこの地らしい、景色です。正直、モダンな映え感はないかもしれませんが、とにかく渋くていい。美容家の吉川千明さんも「あまりにも有名な名旅館。有名中の有名でかえって見過ごしがちですが、やっぱり本当に良かった」と絶賛されていました。

由布院 玉の湯
大分県由布市湯布院町大字川上2731-1
www.tamanoyu.co.jp

【伊豆・修善寺】プロサウナー監修! 登録有形文化財の老舗旅館/おちあいろう(Saori Asaka)

伊豆半島中部・湯ヶ島にある「おちあいろう」は、旅気分も盛り上がる純和風の老舗温泉旅館。敷地内に入ると現れる玄関棟のほか、本館、応接棟など、全7棟の建造物が国の有形文化財として登録されており、明治時代には北原白秋ら文豪が滞在していたという由緒ある宿です。

2019年にさまざまな都心のホテルも手掛ける「Plan・Do・See」によってリニューアルを遂げ、現代の建築技術やモダンなデザインと融合。クラシカルな雰囲気の温泉旅館を、より快適に楽しめるようになりました。料理もすべて見直しをしたそうで、盛り付けなどのプレゼンテーションから味付けまで、伊豆の素材や昔ながらの料理を現代人の口に合うように少しだけモダンにアレンジされているのが印象的でした。

建物の様式や景観は、古き良き時代を感じるのですが、部屋に通されて地味に感動したのが、床暖房。履物を脱いで過ごす和室では、老舗旅館では多少、底冷えや隙間風を諦めてきたものの、それらの心配がまったくないことは、現代人にとって非常に大切なポイント! 露天風呂付き客室もあるのですが、私が滞在したのは、足湯つきのお部屋。山々を眺めながら友人とお喋りするには最適です。

敷地内に3つあるお風呂は、疲れを取り、体の芯からほぐしてくれる硫酸塩泉の源泉かけ流し。目の前を流れる狩野川を眺める露天風呂、岩に囲まれた洞窟風呂、そして大きな窓のある内湯なのですが、そのうち2箇所に併設されているのがサウナ!そう、ここは温泉宿としてのみならず、サウナーの聖地でもあるのです!

檜造りの「茶室サウナ」と、ロウリュが楽しめる「洞窟サウナ」の2箇所ともに、サウナブームを牽引してきた“プロサウナー”の松尾大氏が監修。プロサウナーの目線でつくられたサウナは、水風呂や外気浴スペースも完備し、効率的に“ととのう”ことができます。眼の前の景色を楽しめる自然と一体化したサウナは、ストイックにならずとも露天風呂気分で楽しめました。

古き良き温泉旅館を満喫したい、でも普段どおりの快適さは譲れないという人にぴったりのラグジュアリーな旅先です。前回は真冬に訪れたので、次は紅葉を楽しみに行きたいなと思いを馳せています。

おちあいろう
静岡県伊豆市湯ヶ島1887-1
https://www.ochiairo.co.jp/