意表を突くクリエイションなのにタイムレス──その意外性がたまらなく好き(Maki Hashida)
ミケーレになってからのグッチ(GUCCI)のアイテムはいくつか持っていますが、なかでも彼らしさが出ていて特に気に入っている小物がこちら。キャットヘッドが立体的にあしらわれたスエード×プレシャススキンのチェーンバッグはとびきりキュートで、普段は犬派ですが見た途端に即決しました。
そして、ラウンドトゥのパンプスは、程よい高さのヒールなので、とにかく歩きやすい! 上品でありながら、ヒールとパールにさり気なく施したインターロッキングGのゴールドがモード感も醸し出しているので、どんなスタイルにもフィット。オンオフ、そしてシーズンも問わずに愛用しています。バッグも靴も、ミケーレの唯一無二のクリエイティビティを感じながら、ずっと大切に使っていきたい逸品です。
ちなみに、仕事ではこちらが一番の思い出(VOGUE JAPAN 2016年1月号)。2015年に上海の上海民生現代美術館で開催した「No Longer / Not Yet」展を取材した時の特集です。さまざまなコンテンポラリーアートを、ミケーレとケイティ・グランドがキュレーションした展覧会だったのですが、彼らの強くて個性的な審美眼に圧倒されたことを今でも鮮明に覚えています。グッチの世界観が存分に感じられる2人のポートレートも、私の心に深く残るヴィジュアルの一つです。
グッチ チルドレンズはミケーレ時代の隠れた名品!(Mayumi Nakamura)
ミケーレ時代のグッチの魅力はなんといってもこのブライトな原色の感性。自分用にヴィヴィッドオレンジのキャミソールやツイードのショートパンツなども手に入れた大好きなシーズン、2018年秋冬には、娘のために可愛いコートも購入しました。子どもの成長は早く、たった1シーズンしか着られない……けれどもあまりのキュートさに、つい。
ミケーレのグッチの世界をそのままにした子供服。これを着た娘と歩いているだけでいったい何人の人に声をかけられたことか!この他にもポーセリンアート柄のドレスやタイガーワッペンのついた帽子など、ついつい購入してしまったアイキャッチーなキッズアイテムがたくさん。すでにサイズアウトはしてしまったけれど、これからも大切に持っていようと思います。(ミケーレのシーズンのうちにキッズ用のリュックを購入しておこうか、迷い中!)
ユニセックスなおしゃれの楽しさを教えてくれた、ミケーレ独自の世界観(Gen Arai)
ファッションにとどまらず、人々の「スタイル」の在り方にも大きな変化をもたらしたアレッサンドロ・ミケーレ。男女というジェンダーの垣根を超えたクリエイションというのも大きな特徴だったと思います。彼のデビューとなった2015-16年秋冬コレクションは、個人的にも一番好きなコレクションです。こちらのコートはウィメンズなのですが、ショーで見た時から気になっていて思い切ってゲット!男性でも余裕のあるゆったりしたシルエットに袖口にポイントをおいた七分袖、襟もとにあしらった蜂の刺繍など、ミリタリーテイストの中にもソフトなディテールや遊び心が散りばめられていて今でも気に入っています。ウィメンズのものだけど、自分のおしゃれに取り入れてようと思ったのも、ミケーレのデザインの力のお陰だなと感じます。
ミケーレが生み出した多くのヒットアイテムの中でも、グッチらしい伝統とモダンな感覚が見事に合致しているのがこちら。ブランドのアイコンでもあるビットローファーをスリッパにアレンジした一足は、内側にファーがあしらわれていて(現在は全てエコファーを使用)履き心地も満点。コーディネイトに独自のニュアンスを与えてくれます。「おしゃれとは、他人ではなく自分自身がどれだけ特別な気分を味わえるか」を体現したようなデザインで、こちらも同じく15−16年秋冬コレクションで見てからずっと惚れ込んでいる一足です。
生活空間も美学に酔いしれたい!悩み抜いてゲットしたアームチェアと小物(Yui Sugiyama)
どこかレトロな懐かしさ漂う世界観にひねりが効いたインテリアや、ユニークなクリエイターとのコラボレーションもミケーレを語る上で欠かせない要素かと思います。
グッチのお店に行ってはインテリアを眺め、この空間に住みたい!!といつも思っていました。そして、いつの日か家具をオーダーしようと心に決め、つい先日とあるリセールサイトに出品されていたアームチェアとクッションを見て、即時に入札し購入することに。一番欲しかったタコとクラゲ柄ではありませんが、フローラル柄のベルベットジャカード、蹄付きの足などすべてツボです!
(去年引っ越しした際に、バスルームの壁にグッチの大理石柄の壁紙を貼ったので、このアームチェアとクッションが最近仲間入りをしました。食器類なども素敵なので、さらに増やしたいです!)
バッグは2016年のパリコレ時に購入した、アーティストのグッチ ゴーストとコラボレートしたもの。意外と容量もあり、前後のポケットなど、使い勝手がよいのも魅力でした。リアルに使える、だけれど一線を画し持っていて気分を上げてくれる魔力がミケーレにはあるのだと思います。
人生初のメンズコート。ジェンダーレスな服の魅力を教えてくれた一着(Kyoko Osawa)
アレッサンドロ・ミケーレと言えば、折衷主義、スタイルミックスの天才。鮮烈なデビューを飾ったファーストコレクションから今年の9月に発表されたコレクションまで、高揚感と期待感を煽ってくれる彼のコレクションを観るのが毎回楽しみで仕方がありませんでした。そんな私が手に入れた彼のアイテムは、生まれて初めて買った2015年秋冬メンズのコートです。
デビュー当初から、メンズがリボンを纏ったり花のコサージュを纏ったり、ジェンダーレスなスタイルを提案していたアレッサンドロ。素敵だなと思いつつ写真を眺めているときは、特に購入する予定はなかったのですが、何も考えずに心を惹かれ手にとったものが、こちらのメンズのコートでした。上質な素材で作られたネイビーのミリタリーデザインで、羽織るだけで凛とした気分にさせてくれる、特別でありながら日常にも寄り添ってくれる頼れる相棒です。
そして、このコートを着ていると声をかけられることがとても多い!いきつけのお弁当屋でお見かけする白髪の年配の男性から「かっこいいコート着てるね!」と褒められたときには、彼の作品は年代を超えて愛される不変の名作だと実感したのを覚えています。ルールを超えてファッションを純粋に楽しむ、とうことをリアルに体験させてくれたこのコートは、これからもずっと愛用していきたい私の大切な宝物です。