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コリーナ・ストラーダ、米ドラマ「ザ・ヒルズ」のパロディムービーで発表!【22-23年AW NYコレ速報】

デジタルプレゼンテーションの可能性を拓く気鋭ブランド、コリーナ ストラーダ(COLLINA STRADA)。トミー・ドーフマンを主人公に、2000年代に社会現象を巻き起こしたリアリティドラマ「ザ・ヒルズ」を模したムービーを公開した。

トミー・ドーフマンは、デザイナーのヒラリー・テイモアが製作した2000年代風のショートムービー「THE COLLINAS」でパリに行けなかった女の子を演じたが、ニューヨーク・ファッション・ウィークで話題の人となった。「ザ ・ヒルズ」のローレン・コンラッドに憧れるドーフマン演じる主人公は、コリーナ ストラーダ(COLLINA STRADA)でのインターンシップが決まり、同ブランドのデットストックのラフィアで作られたトートバッグを片手に、勤務初日にファッションショーの準備に参加する。彼女は、肉のハンバーガーを食べたり、セルフィーを撮ったり、スチームの当て方を知らなかったり、使い捨てのカップを使ったりと、同僚から恥をかかされる。自分勝手で、無頓着で、正直で、ヴォーカルフライ(現代の若いアメリカ人女性の特徴的な話し方)を多用した彼女の演技に、アンジェリカ・フィルム・センターで鑑賞するゲストたちは称賛を送った。


ローワン・ブランチャード、フランチェスコ・リッソ、クロエ・ワイズ、リネット・ナイランダー、ジャゼル・ザノーティ、ルビー・オルドリッジ、そして『VOGUE』のリアナ・サテンシュタインなどの脇役たちがドーフマンのスター的な人物像を引き立てた。また、テイモアのパートナーであるアンゲル・プロストのバンド、フロスト・チルドレン(Frost Children)がサウンドトラックを提供した。

このショートムービーは、パンデミックを逆手にとった最新の傑作品だ。(これまでにもビデオゲーム、アニモーフ、屋上農園でのショーが話題を読んだ)この作品は、ファッションがいかに頭が狂っていておバカで空気が読めないものであるかを、愛情を込めて描いているのだ。

皮肉であり、同時に天才的なことだが、テイモアのファッションは決して愚かでもなく、空気を読んでいないわけではない。彼女は静かに思慮深く、多様な人の身体と生き方を美しく彩る服を作る。彼女の素晴らしい作品には欠点がなく、かつてないほど美しい今シーズンのコレクションは、その服がもつ強さに注目が集まるはずだ。

今シーズンは、ヒップからベルトが垂れ下がるプリーツスカートや、ローライズのカーゴパンツやショートパンツなど、2000年代のエッセンスが多用されている。「ANGEL」ロゴをプリントしたTシャツやメッシュのレイヤリングなど、昨シーズンからのアイデアも受け継がれている。花のダウンを詰めたパフジャケットは、ゼブラプリントや星モチーフのシーミングで作られた新しいアイテムだ。ルックブックとムービーの両方に登場するチャーリー・エングマンの母、キャスリーンはその優れた保温性を絶賛する。

また、ピンクのケーキを持ったモデルは、パジェント風のピンクレースのスカートの下に、溶かしたスプリンクルで染めたジーンズを重ねている。シフォンは羽を連想させるように裁断され、生産過程で出た余剰生地はフリンジにカットされている。テイモアの初期のコレクションに見られる折衷主義は健在だが、今シーズンでは多くのウェアラブルな服が、笑顔を誘う方法で表現されている。パリに行くことがすべてではない。なぜなら、ニューヨークには素晴らしいオピニオンリーダーがいるのだから。

※ コリーナ ストラーダ 2022-23年秋冬コレクションを全て見る。

Photos: Courtesy of Collina Strada  Text: Steff Yotka
From VOGUE RUNWAY