編集N 百々さんのインスタグラムを拝見していると、歩きやすいローヒールのサンダルをよく履いていらっしゃいますよね。今年はカジュアルで抜け感のある足もとがトレンドなので、是非お話を伺いたいです。
百々 よろしくお願いします。サンダルはずっと愛用しているモデルもあれば、シーズンごとにアップデートするものもあるので、いろいろお話できればと思います。
編集N 楽しみです! 実は私も今シーズン、一目惚れしてレースアップタイプのフラットサンダルを購入したばかりなのですが、ストラップ部分が擦れるのが痛くて結局活用できておらず……。ヒールがないからといって楽とは限らないということを改めて実感しました。
百々 私も同じような失敗談ありますよ。痛いと結局履かなくなってしまいますよね(笑)。硬いレザーだと履いているうちに足が切れてしまったり。ちょっと試着するだけでは分からないアクシデントは付き物だと思います。
編集N 足の形は本当に人それぞれなので、時には仕方ないこともありますよね。百々さんでも失敗することがあると聞いて安心しました(笑)。
編集N 今年はザ・ロウ(THE ROW)をはじめ、インフルエンサーのスヴァンチェ・ソマーが履いているようなフリップサンダルにも惹かれます。でもこういうデザインは、鼻緒の部分が擦れて痛そうな気も。
百々 ザ・ロウみたいに上質な素材にこだわっているブランドだと、安心感はあると思いますよ。でもフリップサンダルはカジュアルなものでも十分可愛いですよね。私は自宅やご近所用ではありますが、ウーフォス(OOFOS)のリカバリーサンダルを最近よく履いています。全く痛くなくて、とても楽なのでオススメです。後ほどご紹介しますね。
編集N ありがとうございます。カジュアルにガシガシ使えるものも、ひとつ持っておくと活躍しそうですね。失敗を繰り返さないために、今週は楽ちんでおしゃれに見えるサンダルを沢山見つけたいと思います!
編集N 百々さんの定番サンダルはどんなタイプですか?
百々 トレンドに関係なくずっと好きなのはビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)ですね。私は定番のアリゾナを愛用しています。私のユニフォーム的存在のTシャツ×デニムのスタイルとも相性がいいし、履き心地も最高なので重宝しています。ミシェル・ウィリアムズみたいにさらっと取り入れるのが自分らしいのかな。
編集N 力の抜けてる感じが大人っぽくて素敵な着こなしですね。スエード素材だとよりこなれたムードが増す気がします。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
編集N ビルケンといえば、今シーズンはプロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)とのコラボも話題です。インダストリアルな雰囲気でモードなファッションとも相性がいいので、カジュアルになり過ぎるのが怖い人にはぴったりだと思いました。
百々 私は今までビルケンのコラボものにそこまで興味がなかったんですけれども、これは気になりました。Nさんは私よりきれいめなスタイルが多いのでこちらも似合いそう。
編集N ますます欲しくなっちゃうじゃないですか(笑)! でも今シーズンはこういうカジュアルなサンダルでも“あえて履いてます”感が出しやすいので、挑戦するのにぴったりですよね。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
編集N 他にもおすすめのブランドはありますか?
百々 テバ(TEVA)も好きですよ。最近は男女問わずストリートでもよく見かけますよね。
編集N テバはビルケンシュトックよりもスポーティなイメージがあったのですが、百々さんがお持ちのスエードタイプを見て、取り入れやすそうだなと思いました。
編集N これまでお話したようなカジュアルなサンダルを取り入れるうえでの注意点はありますか?
百々 夏でもたまに見かけるのですが、ケンダル・ジェンナーのようにソックスを合わせるのは野暮ったく見えてしまう可能性があるのでおすすめしません。こういうサンダルは素足でさらっと履くほうが絶対に可愛い!
編集N 確かにせっかくのサンダルなのに、抜け感がなくなってしまう気がします。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
編集N 百々さんはいつも素敵な色のペディキュアをされていますよね。こういうカジュアルなサンダルから見えるとより女性らしくて素敵だなと思いました。
百々 ネイルは単純に好きなんですよね。服は普段ベーシックな色ばかりなので、ネイルぐらいはカラーを楽しみたくて。カーキやブルー、赤系など気分によっていろいろ変えています。
編集N ストリートスナップを見ていると、ディテールで捻りを効かせたものも人気のようです。サカイ(SACAI)みたいにパンチの効いたデザインだと、シンプルなファッションのポイントになりますね。
百々 モードに楽しむなら、こういうデザイン性が高いものもすごくいいと思います。ソールに厚みが出るとモード感が増しますよね。
編集N ベースがカジュアルなので、あくまで楽ちんなところが今年の気分にマッチするなと思いました。
編集N そしてファッショニスタの間で一番よく見かけたのがシャネル(CHANEL)。カラーや素材は人それぞれですが、これひとつで今っぽい足もとが完成しそう。
百々 シャネルを履いたら、女性は確実にテンションがあがりますよね。もし私がこのサンダルを自分のスタイルで取り入れるならシンプルなブラックがいいですが、他のデザインも可愛いなと思いました。
編集N こういったスポーティ系のサンダルといえば数年前まではビジューなどの装飾が付いたものが定番でしたが、今年はちょっと古い感じがしませんか?
百々 やはりトレンドはアップデートされていくものなので、デザイン性の高いものに手を出すなら最新のものを履くべきなのかなと思います。
編集N 他にも今年らしく見せるなら避けておいたほうがベターなデザインはありますか?
百々 私自身はすごく好きなんですけれども、ギリシア風のイメージがあるレザーのフラットサンダルは今年らしさという点ではちょっと違うのかな、と。好きだったら全然履いていいと思うのですが、トレンドを気にするならという意味で。
編集N 確かにこういうデザインも時代を感じますよね。捻りの効いたデザインを選ぶ場合には、旬のブランドの最新アイテムを押さえておけば間違いないということですよね。
百々 ハイブランドでもいいし、もしお気に入りのシューズブランドがあればそこで毎年買い換えてもいいですよね。私はパロマバルセロ (PALOMA BARCELO)が好きで去年はブラックのストラップサンダルを、今年はヌーディなベージュのミュールを購入しました。先ほどのペディキュアのお話の際に出てきたものなのですが、また最後に改めてご紹介しますね。
編集N あと今年の特徴としては、セシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)のようなガーリィなドレスに、スポーティなサンダルでハズすバランスがすごく人気だなと思いました。暑い夏にもぴったりなコーデですし、私も実践したいです。
百々 まさにこの彼女みたいなバランスですよね。
編集N はい! あまり体型に関係なく真似しやすいスタイルですし、甘すぎないので大人でも取り入れやすいところもいいですよね。今年はボディコンシャスなドレスの気分ではないのかなと。
百々 そうですね、さっきの話と重複してしまいますが、引き算した着こなしでモダンに見せるなら、アイテム単体のトレンド感はすごく重要ですよね。足もとのカジュアル指数が高くなる場合は、服でバランスを取るのが重要になってくるのかなと。
編集N もう少し辛口なテイストや大人っぽさを求める人におすすめのスタイルはありますか?
百々 オルセン姉妹のスタイルはやっぱりおしゃれで参考になりますよね。身につけているアイテムが上質というところもかなり重要なポイントですが、着こなしのバランスや組み合わせなどお手本にできるところがすごくあると思います。
編集N このハーフパンツを使ったホワイトのワントーンコーデは、そのままコピーしたくなるかっこよさですね。オルセン姉妹は身長が160cm以下なのにここまでスタイリッシュに見せられるなんて、同じ低身長としては希望がわいてきます(笑)。
編集N でも同じように白ベースの着こなしでも、ケイト・ハドソンはあまり素敵に見えないのですが……。
百々 サンダルがあまりにもラフすぎますよね。大人の場合、カジュアルを勘違いして抜きすぎると、だらしない印象になってしまう恐れがあるので注意です。同じようなつっかけタイプのサンダルでも、もう少し上質なレザーであればバランスが取れたのではないかと思いますね。
まずは、私の大定番であるビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)のアリゾナ。今年はこのスエード素材のものをよく履いています。日焼けした肌に合わせてもヘルシーですよね。
そして隣のビーチサンダルのような形のものが、最初の方にお話したウーフォス(OOFOS)のリカバリーサンダルです。こちらもかなり履き心地がいいので、私は外用とは別にルームシューズとしても使っています。素材もデザインもカジュアルなので、ベージュやカーキなどのニュアンスがあってシックな色を選ぶと普段の服にも合わせやすいと思いますよ。
そしてこのベージュのサンダルは今年購入したパロマバルセロ (PALOMA BARCELO)。抜け感のあるデザインが今年らしいですよね。上質感のある見た目だけれどもリアルプライスなのも嬉しいポイント。
右は今回のお話では出てこなかったタイプなのですが、マノロ ブラニク(MANOLO BLAHNIK)のミュールも、私の中ではトレンドに関係なく定番として愛用しています。いろんなカラーを集めていて、着こなしのポイントに取り入れることが多いです。
これからまだまだ暑い日が続きそうなので快適かつ可愛いサンダルで夏を乗り切りましょう!
Profile
百々千晴
2004年よりスタイリストとしてのキャリアをスタートし、さまざまなモード誌や広告を手がける。現在はライフスタイルブランド「THE SHISHIKUI」ファウンダーとしても活躍中。
【過去記事もcheck! ファッションプロの週間コーデ予報】
・一生大切に使えるジュエリーにこそ、投資を!
・今年の水着は、ファッションとしても楽しめるものを!
・体型、デザインetc.、苦手意識の強いタンクトップの攻略法。
Text: Asa Takeuchi Editor: Airi Nakano