
スキニーデニムに復活の兆し? ケイト・モスからハリー・スタイルズまで、セレブのアイコニックな着こなしをプレイバック
ここ数年のデニム事情といえばオーバサイズ一択。しかし、ミュウミュウ(MIU MIU)などのメゾンが2024-25年秋冬コレクションでスキニージーンズを発表するなど、今年はスリムフィットがカムバックする予感も。ビヨンセやジジ・ハディッドらセレブの歴代ルックを振り返って、その復活に備えてみては?
スキニーデニムほど、「流行遅れ」であると同時に「最旬トレンド」でもあるアイテムがあるだろうか。バレンシアガ(BALENCIAGA)のようなブランドが主流になったおかげで、誰もがこぞって極端なオーバーサイズシルエットを求めていた2021年でさえ、超スリムフィットなジーンズはアメリカで女性デニムの売り上げの34%を占め、最大シェアを誇っていたし、私の友人の何人かは、いまだにスキニーデニムとクロップドトップ、足もとはドクターマーチン(DR. MARTENS)という装いでナイトアウトに繰り出す。常に一定数から絶大な支持を得続けているスリムなジーンズだが、ディースクエアード(DSQUARED2)やミュウミュウ(MIU MIU)をはじめとするメゾンの2024-25年秋冬コレクションでは強烈な存在感を放ち、本格的なカムバックを予感させた。
アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)の「スカル スカーフ 」や、かつてシエナ・ミラーが身に着けていたボーホースタイルのディスクベルトのように、スキニーデニムはここ数年、Z世代とミレニアル世代との間にファッション論争を巻き起こしている。アリ派とナシ派がはっきりと分かれているが、目まぐるしく変化する昨今のトレンドサイクルを考えると、もはやトレンドかどうかではなく、単に好みの問題のように思えてくる。
しかし、主にワイドデニムを履いて過ごしてきた若者たちが思うほど、スキニーフィットは魅力に欠けているわけではない。少なくともその理由のひとつは、2010年代にケイト・モス、リンジー・ローハン、ケイティ・ホームズ、アレクサ・チャンら当時を代表するファッショニスタたちによって、イット・デニムとして広められたからだろう。2018年以降は人気が下火になり、主流トレンドにこそ浮上していないが、アーロン エッシュ(AARON ESH)やローラ アンドラシュコ(LAURA ANDRASCHKO)など新進気鋭のデザイナーの手によって復活を遂げている。一周回って、流行への反逆ともとれる、反抗心を表すクールなデザインに昇華されたのだ。そんなスキニーデニムの黄金期を支えたセレブたちの歴代ルックを振り返る。