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「どんな逆境にあっても団結し、それに耐え抜く力がある」──ロシアのウクライナ侵攻から1年、闘い続けるデザイナー5人の現在
Photo: Matt Healy
ロシアによるウクライナ侵攻から1年。想像を絶するチャレンジを強いられたウクライナのファッション界で、デザイナーたちはどうやって新しい現実に適応し、軸足を移すことを学んだのか? グドゥ(GUDU)、イエンキ イエンキ(IENKI IENKI)、シックス(SIX)、オレニッチ(OLĒNICH)、マーシャ ポポヴァ(MASHA POPOVA)の5ブランドの“現在”を、UK版『VOGUE』が追った。
2022年2月24日にロシアがウクライナ侵攻を開始してから1年が経つ。何百万人もの人々が大きな不安の中で生活を送りながらも、家族の安全と故郷を守るためにさまざまな困難を乗り越えてきた。
ラグジュアリーファッション、ブライダル、テクニカルなアウターウェアなど、多様で高度な技術を持つウクライナのファッション界ではビジネスの見直しや再建が図られ、逆境の中で新しいやり方を模索する時期が続いた。大規模な停電によってプロダクションやコミュニケーションが妨げられるだけでなく、文化財やランドマークは破壊されていく──クリエイターたちの怒りや憤りは計り知れない。
しかし、どんな苦境や不安の中にあっても、彼らの光り輝く力が衰えることはない。「私たちの内面は以前よりも強くなっている」と、オレニッチ(OLĒNICH)の創設者ヤナ・オレニッチは言う。「私たちには、どんな逆境にあっても団結し、それに耐え抜く力がある」。5人のデザイナーたちは今、どのように現実と向き合っているのか──UK版『VOGUE』が追いかけた。