
先住民族出身のデザイナーにスポットライトを当てる、リリー・グラッドストーンのレッドカーペットスタイル
現在公開中のマーティン・スコセッシ監督最新作、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』で一躍脚光を浴びている俳優のリリー・グラッドストーン。モンタナ州ブラックフット族の出身である彼女は、先住民族にルーツを持つデザイナーに光を当てる機会としてレッドカーペットを活用、自身が纏うルックを通して世界にその才能をアピールしている。
マーティン・スコセッシ監督の新作映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』で大ブレイクしたことで、今年のアカデミー賞の有力候補と評されているモンタナ州ブラックフット族出身の俳優、リリー・グラッドストーン。UK版『VOGUE』10月号のカバーも飾るなど、彼女への注目度は高まる一方で、そのレッドカーペットスタイルも同じくらい話題となっている。
全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキ規則を遵守し、従来のかたちでのプレスツアーは行っていない『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』だが、限られたイベントに出席する際には、意志を持って選んだルックを纏っているグラッドストーン。ファッションマンスから今週ニューヨークで行われたTIME100 Nextガラまで、彼女はあらゆる表舞台で、自らと同じ先住民族をルーツに持つデザイナーによるアイテムやドレスを身に着けることで、コミュニティをサポートし、広める機会にしている。
今年5月、ストライキが敢行される前に開催されたカンヌ国際映画祭以降、スタイリストのジェイソン・レンバートとともに細部まで考え抜かれたレッドカーペットルックを作り上げている彼女は、今回の出演作品のプレミアにはフローラルのヴァレンティノ(VALENTINO)のドレスで登場。そしてアクセントとして用いたのは、アメリカファッション協議会(CFDA)初のネイティブアメリカンメンバーに選出された、南カリフォルニアのラ・ホーヤ・インディアン居留地出身のデザイナー、ジェイミー・オクマが手がけたツノガイのイヤリング。同じ週に行われた公式フォトコールでは、シャネル(CHANEL)のケープ付きアンサンブルをシェルビー・リーアン・ゴーマンのビーズとツノガイのイヤリングとマッチ。ほかにもカンヌでのアフターパーティにはトリンギット族をルーツに持つジェニファー・ヤンガーがデザインした銅製のネックレスを着用。
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大々的なプレスツアーなくしても、ネイティブアーティストのアイテムをしっかりと取り入れたルックを次々と纏っているグラッドストーン。今月パリで開催されたルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2024年春夏コレクションでも、メゾンのアンサンブルにはWOEMPE DESIGNSのスチール製のイヤリングを合わせ、ロエベ(LOEWE)のショーにはカラーリリーを模したエル・テチチ(EL TECHICHI)のピアスをして出席。そして今月24日(現地時間)に行われたTIME100 Nextガラで纏っていたのは、バーニング・ワゴン・デザインズ(BURNING WAGOON DESIGNS)のプリントドレスとジェニファー・ヤンガーが手がけたアクセサリー。
レッドカーペットで、先住民族にルーツを持つデザイナーのアイテムを纏うセレブはほとんどいないこともあり、グラッドストーンのスタイルは称賛されている。来年、無事にアカデミー賞が開催されることになれば、そのときは再び先住民族デザイナーたちの才能にスポットライトを当ててくれることだろう。
本来であれば敢行されていたプレスツアーを少しだけ味わせてくれる華やかなルックをピックアップ。